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7-7(黒崎視点)
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18時。
いつの間にか寝ていたようだ。寝返りを打つと夏樹の姿がない。起き上がると関節が痛んだ。まだ熱が下がっていないようだ。
窓の外は暗くなっている。ベッドから起き上がって窓際に立つと、ナツツバキが白く輝いていた。飾り付けをしてあるからだ。その下では、夏樹がアンを抱き上げて写真を撮っている。この暗さでは上手に写せないだろう。そう思って、窓を開けて声をかけた。
「……夏樹、寒いだろう?入って来い」
「……黒崎さーーん。飾りつけをしたんだよ。そこからの眺めはどう?」
「綺麗に見えている。一人でやったのか?」
「ううん。悠人と早瀬さんが手伝ってくれたんだよ。今からそっちへ行くから、待っててよ」
「こら、走るな……」
全く聞いていない。小走りでリビングのテラスへ向かっていた。仕方なく待っていると、階段を上がってくる音が聞こえた。また駆け上がっている。転ばないかと心配になった。しかし、今日は叱りたくない。
「黒崎さん、おまたせーー」
「走るな。危ないぞ」
「ここからの眺めが見たかったんだよ。写真を撮りたくて」
夏樹がカメラをかまえた。しかし、なかなか目標物が決まらないようだ。背後からモニター画面を覗くと、何も写っていない。
「何も写っていないぞ?」
「うん。外が暗いせいかな?暗闇モードはどれだろ?」
カチャカチャと操作をしても行き当たらないようだ。自分が操作した方が早いからと、カメラを取った。そして、すぐに原因が判明した。電源が入っていない。
「どうー?」
「電源がオンになっていない」
「そうだったんだ?どうりで写らないと思ったんだよ。なーんにも見えなかったんだよ~」
「バカヤロウ……」
こういうことが日常茶飯事だ。本人は自覚がない。俺がカメラの設定をすることにして、窓際に立ってカメラを向けた。そして、イルミネーションが写り込むようにモードを変更し、細かく設定を変更した。
「手早いねえ。説明書を読んでないよね?買ったばかりだし」
「このメーカーは、何でも分かりやすく作られている」
「さすが理工学部だね。メカもプログラミングも強いもん」
「好きだからだ。その代わりに料理ができない」
「ほんとだね」
ポイントを合わせてシャッターを切った。スローで撮ったり連写したりしていると、白いものが写り込んできた。夜空を見上げると、雪が降ってきた。
真っ暗な空の下、雪が反射して微かに輝いた。手の甲に冷たい感触が起きると、すぐに消えた。部屋から漏れた灯りに照らされて、さらに雪が舞い落ちて来たのが見えた。
「ケーキの上の粉砂糖みたいだね」
「さすがスイーツ男子だ。ブレていない」
「だって綺麗だもん」
夏樹が窓から顔を出した。空を見上げている横顔には、出会ったばかりの頃の夏樹の面影があった。ぼんやりと見つめていると、夏樹の頬に赤みが差した。そして、俯きながら向こうを見た。
「夏樹、こっちを向け。顔が見えない」
「何だよ~、ムードを作るなよ……」
本気で照れているのが分かった。今更だろう。今夜は我慢をする代わりに、夏樹の頬をつねった。これで気分が変わる。
「うひゃ、んん?ひゃめひぇーー」
「クソガキ、まだ早い」
「そのガキに何をやっているんだっけ?」
「どの口が言っている?」
「この口だよ~~っ」
ふっくらしている唇を尖らせた。ほんの触れるだけのキスをしてやると、素直に顔を赤くしたから可愛らしかった。そして、照れくさそうに見上げて来た。
「黒崎さん?」
「どうした?」
「黒崎さーーんっ」
「おい……」
「大好きだよ~。……ごめん、汗をかいてるね。寒かっただろ?着替えてね。晩ご飯を食べよう」
「ああ……」
夏樹がクローゼットからシャツを取り出した。それに着替え終わるまで見守られて、一緒にキッチンへ降りて行った。こういう光景に幸せを感じながら。
いつの間にか寝ていたようだ。寝返りを打つと夏樹の姿がない。起き上がると関節が痛んだ。まだ熱が下がっていないようだ。
窓の外は暗くなっている。ベッドから起き上がって窓際に立つと、ナツツバキが白く輝いていた。飾り付けをしてあるからだ。その下では、夏樹がアンを抱き上げて写真を撮っている。この暗さでは上手に写せないだろう。そう思って、窓を開けて声をかけた。
「……夏樹、寒いだろう?入って来い」
「……黒崎さーーん。飾りつけをしたんだよ。そこからの眺めはどう?」
「綺麗に見えている。一人でやったのか?」
「ううん。悠人と早瀬さんが手伝ってくれたんだよ。今からそっちへ行くから、待っててよ」
「こら、走るな……」
全く聞いていない。小走りでリビングのテラスへ向かっていた。仕方なく待っていると、階段を上がってくる音が聞こえた。また駆け上がっている。転ばないかと心配になった。しかし、今日は叱りたくない。
「黒崎さん、おまたせーー」
「走るな。危ないぞ」
「ここからの眺めが見たかったんだよ。写真を撮りたくて」
夏樹がカメラをかまえた。しかし、なかなか目標物が決まらないようだ。背後からモニター画面を覗くと、何も写っていない。
「何も写っていないぞ?」
「うん。外が暗いせいかな?暗闇モードはどれだろ?」
カチャカチャと操作をしても行き当たらないようだ。自分が操作した方が早いからと、カメラを取った。そして、すぐに原因が判明した。電源が入っていない。
「どうー?」
「電源がオンになっていない」
「そうだったんだ?どうりで写らないと思ったんだよ。なーんにも見えなかったんだよ~」
「バカヤロウ……」
こういうことが日常茶飯事だ。本人は自覚がない。俺がカメラの設定をすることにして、窓際に立ってカメラを向けた。そして、イルミネーションが写り込むようにモードを変更し、細かく設定を変更した。
「手早いねえ。説明書を読んでないよね?買ったばかりだし」
「このメーカーは、何でも分かりやすく作られている」
「さすが理工学部だね。メカもプログラミングも強いもん」
「好きだからだ。その代わりに料理ができない」
「ほんとだね」
ポイントを合わせてシャッターを切った。スローで撮ったり連写したりしていると、白いものが写り込んできた。夜空を見上げると、雪が降ってきた。
真っ暗な空の下、雪が反射して微かに輝いた。手の甲に冷たい感触が起きると、すぐに消えた。部屋から漏れた灯りに照らされて、さらに雪が舞い落ちて来たのが見えた。
「ケーキの上の粉砂糖みたいだね」
「さすがスイーツ男子だ。ブレていない」
「だって綺麗だもん」
夏樹が窓から顔を出した。空を見上げている横顔には、出会ったばかりの頃の夏樹の面影があった。ぼんやりと見つめていると、夏樹の頬に赤みが差した。そして、俯きながら向こうを見た。
「夏樹、こっちを向け。顔が見えない」
「何だよ~、ムードを作るなよ……」
本気で照れているのが分かった。今更だろう。今夜は我慢をする代わりに、夏樹の頬をつねった。これで気分が変わる。
「うひゃ、んん?ひゃめひぇーー」
「クソガキ、まだ早い」
「そのガキに何をやっているんだっけ?」
「どの口が言っている?」
「この口だよ~~っ」
ふっくらしている唇を尖らせた。ほんの触れるだけのキスをしてやると、素直に顔を赤くしたから可愛らしかった。そして、照れくさそうに見上げて来た。
「黒崎さん?」
「どうした?」
「黒崎さーーんっ」
「おい……」
「大好きだよ~。……ごめん、汗をかいてるね。寒かっただろ?着替えてね。晩ご飯を食べよう」
「ああ……」
夏樹がクローゼットからシャツを取り出した。それに着替え終わるまで見守られて、一緒にキッチンへ降りて行った。こういう光景に幸せを感じながら。
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