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ガチャ。
黒崎が門を入ってきた。俺は彼に抱きついて迎えた。腕にすがりついて玄関へ促していると、体全体が温かくなった。黒崎からも軽く抱きしめられている。
「おかえり~、すき焼きの準備ができているよ。黒崎さーん。お腹が空いているだろ?早く食べないとさ……」
「夏樹……。ただいま。このままでいてくれ」
「うん……っ、んん」
外にいるのに深いキスをされた。黒崎にしては珍しいことだ。風邪を引くからと、俺のことを早く家の中に入れようとするのに。すっかり息が上がった頃になって、やっと玄関へ入った。
リビングへ連れて行くと、また抱きしめてきた。さっきから無言のままで心配になった。お義父さんからの話を聞いたのかもしれない。俺が黒崎製菓で働く方向だと言うことを。何も言わずに決めたから、ナーバスになっているのだろうか?いや、黒崎がそうなるとは思えない。お義父さんとの喧嘩が起きてもそうならないだろう。
「どうしたんだよ?」
「……クリームが口まわりについていた。シュークリームを食べたのか?」
「うん。付いていたんだね……」
「そんな姿を外で見せるな。可愛らしい」
「うん……、ええ?」
黒崎から手を引かれた。そして、階段へ向かい始めて、寝室に行こうと言われた。そうはいかない。階段を上ろうとしたタイミングで、手すりに両手ですがりついた。しかし、滑って、すぐに離れてしまった。手が乾燥していたからだ。すき焼きの用意ができているのに。
「黒崎さーん。すき焼きを用意しているんだよ?」
「まだ割り下を入れていないだろう?味は濃くならない」
「お腹が空いているだろー?」
「お前が先だ。行くぞ」
「黒崎さんっ」
こうなればテコでも動かないのが黒崎だ。こういう時は逃げ出して、気持ちを沈めるのがいい。もう一度、手すりに縋りついた。思いつくままに言い訳を口にした。
「だめだよ~~」
「上へ行くぞ」
腕に力が入り、難なく階段を上っていく。さすがにこのタイミングでは暴れると危ないから、大人しくした。黒崎の目は楽しそうで、よっぽど新しいエプロンが気に入ったのだと思い知らされた。
「夏樹。今は動くな」
「分かっているよ……。もう」
「ベッドへ来てくれ」
「スケベじじい」
右手で黒崎の耳たぶを引っ張ってやると、嬉しそうに笑った。何を言おうとも効果がない。もう諦めておこうと、体の力を抜いた。
黒崎が門を入ってきた。俺は彼に抱きついて迎えた。腕にすがりついて玄関へ促していると、体全体が温かくなった。黒崎からも軽く抱きしめられている。
「おかえり~、すき焼きの準備ができているよ。黒崎さーん。お腹が空いているだろ?早く食べないとさ……」
「夏樹……。ただいま。このままでいてくれ」
「うん……っ、んん」
外にいるのに深いキスをされた。黒崎にしては珍しいことだ。風邪を引くからと、俺のことを早く家の中に入れようとするのに。すっかり息が上がった頃になって、やっと玄関へ入った。
リビングへ連れて行くと、また抱きしめてきた。さっきから無言のままで心配になった。お義父さんからの話を聞いたのかもしれない。俺が黒崎製菓で働く方向だと言うことを。何も言わずに決めたから、ナーバスになっているのだろうか?いや、黒崎がそうなるとは思えない。お義父さんとの喧嘩が起きてもそうならないだろう。
「どうしたんだよ?」
「……クリームが口まわりについていた。シュークリームを食べたのか?」
「うん。付いていたんだね……」
「そんな姿を外で見せるな。可愛らしい」
「うん……、ええ?」
黒崎から手を引かれた。そして、階段へ向かい始めて、寝室に行こうと言われた。そうはいかない。階段を上ろうとしたタイミングで、手すりに両手ですがりついた。しかし、滑って、すぐに離れてしまった。手が乾燥していたからだ。すき焼きの用意ができているのに。
「黒崎さーん。すき焼きを用意しているんだよ?」
「まだ割り下を入れていないだろう?味は濃くならない」
「お腹が空いているだろー?」
「お前が先だ。行くぞ」
「黒崎さんっ」
こうなればテコでも動かないのが黒崎だ。こういう時は逃げ出して、気持ちを沈めるのがいい。もう一度、手すりに縋りついた。思いつくままに言い訳を口にした。
「だめだよ~~」
「上へ行くぞ」
腕に力が入り、難なく階段を上っていく。さすがにこのタイミングでは暴れると危ないから、大人しくした。黒崎の目は楽しそうで、よっぽど新しいエプロンが気に入ったのだと思い知らされた。
「夏樹。今は動くな」
「分かっているよ……。もう」
「ベッドへ来てくれ」
「スケベじじい」
右手で黒崎の耳たぶを引っ張ってやると、嬉しそうに笑った。何を言おうとも効果がない。もう諦めておこうと、体の力を抜いた。
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