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14時半。
やっと食欲が出て来た。差し入れのサンドイッチを食べながら、控え室のモニターを眺めた。観客からの投票と審査員の選考が終わるまでの間、ゲストミュージシャンのステージが披露されている。去年デビューしたバンドが出ている。このコンテストの出身だ。
コンコン、ガチャ!
せっかちなノックと同時にドアが開かれた。IKUの加藤さんとステージスタッフの2人が入って来た。もう一人は誰だろう。俺達を見て笑いかけた後、どこかへ電話をかけていた。
「……結果発表があるので、ホールに集まってください」
「はーい!」
「とうとうかー」
「お疲れ様ー」
「まだ結果が出ていないぞー」
一体感のあるステージを披露したことで達成感があり、コンテストが終わったかのような空気が流れていた。モニター越しにステージを見て、すでに観客になった気分でいた。するとその時だ。電話をかけていた女性がやって来た。悠人は加藤さんに付き添われて部屋を出ている。
「黒崎さん、こちらへ……」
「黒崎さーん、こっちだって」
「……お前のことだ。後戻りできないように追い込んでやった」
「黒崎さーん。それは……」
俺が言葉に詰まると、女性がそばに来た。そして、黒崎から彼女に付き添ってもらえと言われた。
「長谷部さん、よろしくお願いします」
「わたしが付き添います」
「は、はいっ。よろしくお願いします!」
女性の名前は長谷部さんだ。まるで彼女からガードされるようにして、ホールへ向かった。長谷部さんは加藤さんと同じくIKUの社員であり、所属契約するミュージシャンの窓口の役割をしていると自己紹介された。
黒崎が遠藤さんへ、俺が所属オファーを受けるという返事を済ませてあり、実家の両親からは全てを任されたそうだ。黒崎が平然としているのが不思議だった。車の中では戸惑った顔をしていたのに。その黒崎から何も心配いらないと微笑みかけられて、素直に頷いた。
やっと食欲が出て来た。差し入れのサンドイッチを食べながら、控え室のモニターを眺めた。観客からの投票と審査員の選考が終わるまでの間、ゲストミュージシャンのステージが披露されている。去年デビューしたバンドが出ている。このコンテストの出身だ。
コンコン、ガチャ!
せっかちなノックと同時にドアが開かれた。IKUの加藤さんとステージスタッフの2人が入って来た。もう一人は誰だろう。俺達を見て笑いかけた後、どこかへ電話をかけていた。
「……結果発表があるので、ホールに集まってください」
「はーい!」
「とうとうかー」
「お疲れ様ー」
「まだ結果が出ていないぞー」
一体感のあるステージを披露したことで達成感があり、コンテストが終わったかのような空気が流れていた。モニター越しにステージを見て、すでに観客になった気分でいた。するとその時だ。電話をかけていた女性がやって来た。悠人は加藤さんに付き添われて部屋を出ている。
「黒崎さん、こちらへ……」
「黒崎さーん、こっちだって」
「……お前のことだ。後戻りできないように追い込んでやった」
「黒崎さーん。それは……」
俺が言葉に詰まると、女性がそばに来た。そして、黒崎から彼女に付き添ってもらえと言われた。
「長谷部さん、よろしくお願いします」
「わたしが付き添います」
「は、はいっ。よろしくお願いします!」
女性の名前は長谷部さんだ。まるで彼女からガードされるようにして、ホールへ向かった。長谷部さんは加藤さんと同じくIKUの社員であり、所属契約するミュージシャンの窓口の役割をしていると自己紹介された。
黒崎が遠藤さんへ、俺が所属オファーを受けるという返事を済ませてあり、実家の両親からは全てを任されたそうだ。黒崎が平然としているのが不思議だった。車の中では戸惑った顔をしていたのに。その黒崎から何も心配いらないと微笑みかけられて、素直に頷いた。
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