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3日前のことだ。悠人がプロモーションビデオの撮影中に倒れて、病院に搬送された。2時間ぐらいで目を覚ましたが、右手が腱鞘炎の一歩手前の症状が起こっていた。ずっと痛みを我慢していたようだ。疲労が溜まっているからだと思い込んだと話していたけれど、疲れていることを言い出しづらい空気があったに違いない。近くにいるのに気づけなかった自分が情けない。
「なつきーー。おはようーー!」
「ゆうとー、走らなくていいよーー」
「平気だよー。りくー。久しぶりだね!」
「悠人君。こんにちはー」
理久が段ボールを悠人達に見せて、にこっと笑った。悠人達にも見せたかったそうだ。興味深そうにしている悠人が鼻をぴくぴくさせた。ご飯の匂いがすると言った。それは正解だった。ボストンバックには甘酒の材料が入っているからだ。白ご飯と酒こうじだ。どれだけ鼻がいいのかと笑っている間、黒崎と佐久弥がのんびりと話していた。いかにも大人同士といったふうだ。
「ありがとうございます。理久のことも呼んで頂いて」
「こちらこそ。理久君の発明に興味があった」
すると、俺は早瀨さんから声を掛けられて、悠人のお見舞いのお礼を言われた。悠人は一泊だけの入院で済んだ。マンションに帰った後は食欲がなかったのに、俺が差し入れした厚焼き玉子がきっかけになって、普段通りの食べ方に戻ったそうだ。
「……夏樹君。この間からありがとう」
「……何もできなかったのに」
「夏樹君。プロモのことで引っかかっているだろう?どうやればいいのかじゃなくて。……圭一さんから聞いているよ。踊りを練習しすぎているって」
「うん。頑張りたいんだ。俺の顔立ちで着物を着ると、印象深いんだって。高宮さんから聞いたよ。編集加工して、踊っているふうに見せるって話があったんだ。それは自分じゃないもん。ちゃんと踊りたい。俺に時間がかかるから、悠人が倒れたんだよ……」
「二人が一生懸命だからだ。圭一さんはコンセプトを応援している。珍しいだろう?外に出したくない人なのに。夏樹君が一つ乗り越えようとしているから、自分が止めたらいけないって自覚したんだよ。……プレッシャーかな?」
「自分へのプレッシャーがかかったよ」
「正直だね。いい物にしたいのには違いない」
「早瀬さんは本当のことを話してくれているよね。黒崎さんは心配性なんだ~。俺が微熱を出しても病院に付き添うし。だから言えない。……自分なんかどうせって思ったんだ。スタッフさんの動きを見て卑屈になったんだ」
「悠人と同じようなことを思っているんだね。佐久弥の手腕を見せてやってくれ」
「早瀬さん……」
「俺が言うのは変だね?佐久弥は、夏樹君のことを大事に思っている。悠人のこともだ。……佐久弥のために頑張るっていう気負いじゃなくて、一緒に遊んでやるぐらいに思ってくれ。幼なじみとして頼みたい。……ははは、悠人が拗ねたのかな?ここに来るまでに苛めたからなあ」
「ボーダーコリーみたいだって言ったんだろ?可愛いのにね?」
「ここに来る途中で、ボーダーコリーが、車の窓から顔を出していた。風に毛並みがなびいていてね。悠人のヘアスタイルとそっくりだった。シルバーのエクステを着けているから」
「なるほど。うひゃひゃーー」
悠人に聞いてみようとすると、佐久弥が先にイジって怒らせていた。それを振り切るようにして、足早に玄関へ走って行っている。転ぶといけない。悠人のことを止めながら、家の中に入った。
「なつきーー。おはようーー!」
「ゆうとー、走らなくていいよーー」
「平気だよー。りくー。久しぶりだね!」
「悠人君。こんにちはー」
理久が段ボールを悠人達に見せて、にこっと笑った。悠人達にも見せたかったそうだ。興味深そうにしている悠人が鼻をぴくぴくさせた。ご飯の匂いがすると言った。それは正解だった。ボストンバックには甘酒の材料が入っているからだ。白ご飯と酒こうじだ。どれだけ鼻がいいのかと笑っている間、黒崎と佐久弥がのんびりと話していた。いかにも大人同士といったふうだ。
「ありがとうございます。理久のことも呼んで頂いて」
「こちらこそ。理久君の発明に興味があった」
すると、俺は早瀨さんから声を掛けられて、悠人のお見舞いのお礼を言われた。悠人は一泊だけの入院で済んだ。マンションに帰った後は食欲がなかったのに、俺が差し入れした厚焼き玉子がきっかけになって、普段通りの食べ方に戻ったそうだ。
「……夏樹君。この間からありがとう」
「……何もできなかったのに」
「夏樹君。プロモのことで引っかかっているだろう?どうやればいいのかじゃなくて。……圭一さんから聞いているよ。踊りを練習しすぎているって」
「うん。頑張りたいんだ。俺の顔立ちで着物を着ると、印象深いんだって。高宮さんから聞いたよ。編集加工して、踊っているふうに見せるって話があったんだ。それは自分じゃないもん。ちゃんと踊りたい。俺に時間がかかるから、悠人が倒れたんだよ……」
「二人が一生懸命だからだ。圭一さんはコンセプトを応援している。珍しいだろう?外に出したくない人なのに。夏樹君が一つ乗り越えようとしているから、自分が止めたらいけないって自覚したんだよ。……プレッシャーかな?」
「自分へのプレッシャーがかかったよ」
「正直だね。いい物にしたいのには違いない」
「早瀬さんは本当のことを話してくれているよね。黒崎さんは心配性なんだ~。俺が微熱を出しても病院に付き添うし。だから言えない。……自分なんかどうせって思ったんだ。スタッフさんの動きを見て卑屈になったんだ」
「悠人と同じようなことを思っているんだね。佐久弥の手腕を見せてやってくれ」
「早瀬さん……」
「俺が言うのは変だね?佐久弥は、夏樹君のことを大事に思っている。悠人のこともだ。……佐久弥のために頑張るっていう気負いじゃなくて、一緒に遊んでやるぐらいに思ってくれ。幼なじみとして頼みたい。……ははは、悠人が拗ねたのかな?ここに来るまでに苛めたからなあ」
「ボーダーコリーみたいだって言ったんだろ?可愛いのにね?」
「ここに来る途中で、ボーダーコリーが、車の窓から顔を出していた。風に毛並みがなびいていてね。悠人のヘアスタイルとそっくりだった。シルバーのエクステを着けているから」
「なるほど。うひゃひゃーー」
悠人に聞いてみようとすると、佐久弥が先にイジって怒らせていた。それを振り切るようにして、足早に玄関へ走って行っている。転ぶといけない。悠人のことを止めながら、家の中に入った。
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