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14時。
昼ご飯を食べた後、それぞれがバラけて話し始めた。俺と悠人はPVのCG動画を見ながら、佐久弥からレクチャーを受けている。佐久弥が持って来てくれた分が最新版であり、構成の全体が仕上がっていた。
楽曲が始まる前の冒頭では、自分の顔がアップで映し出される。左額の傷あとをクローズアップする。その後、白い檻の向こうで踊る姿が登場するが、完全に女性形とは見えない動き方をする。向かって斜めに立つのが女性形だとすると、男性形は正面を向いて立つ。檻を蹴り倒した後、正面を向いて立ち、楽曲が始まってメンバーが登場する。佐久弥がスロー再生に変えた。
「檻が蹴り倒された直後だ。バーンと登場する。……企画書のこの部分だ。踊りのポーズをバシッとキメる。動きは問題ないだろう?緊張しているのか?」
「それもあるけど。ミュージックビデオをあんまり観たことがないんだ。楽曲しか聴かないからさ」
「なるほど。そういうことかーー。若い子が珍しいな」
「ライブDVDは観ているよ。悠人はミュージックビデオが好きだよね?」
「うん。楽曲のイメージが分かるからねー」
出来上がりを想像するのが難しい。ステージに立っている時には、観客の動きや歓声に反応するのに。すると、佐久弥が早瀨さんに声をかけた。俺と似ているそうだ。その早瀬さんが隣に座った。
「俺も夏樹君と同じだよ。まずは曲が聴きたい。観たいときはライブへ行く」
「PVは新しい人に聴いてもらう入口なのか。カッコいいPVを用意したいのに難しいよ。佐久弥は元から作るのが好きなんだよね?」
「俺も夏樹と同じだった。まずはライブだろうって思っていた。でも、作っていくうちにハマってきた。……実はな。夏樹と悠人のビジュアル的要素も注目するようにした。外見からなのか?って思うかもしれないけど。かっこよさを前面に出したい」
「ふむふむ。カッコイイ!シビれる!っていうやつだね。なつきー、植本さんのギタープレイを思い出せよー。めっちゃかっこいいだろーー。それと同じって事だよーー」
「うんうん。ボーカルと絡んで盛り上げてさ~。いいよねえ」
「それもあるけど。はっきり言うぞ。……夏樹はメチャクチャ綺麗なんだ。悠人はカッコ可愛い。新しいファン層を狙っている」
「ふむふむ。ヴィジュアルはきっかけになるねー」
悠人が頷きながら相づちを打った。それは必要な要素だ。楽曲メインで引き寄せたいが、武器はなんでも使いたいと言っている。それを入口にして、興味を持ってもらえるならいいと頷いている。
情けないことに、悠人と一緒にやるなら大丈夫だと勇気が出てきた。しかし、俺は高宮さんから言われた一言が忘れられない。君の外見を最大限に活かさせてもらうと言われたことだ。歌の上手さとか下手さとかではなく。悠人達のように前向きに捉えられなくて、モヤモヤしている。佐久弥もその場にいた。すると、黒崎が佐久弥の隣に座った。
「……佐伯さん。ありがとうございます。夏樹に乗り越えさせたい件です」
「……それは承知していますが、高宮さんの言い方が気に入らない。僕の方から注意します。これからも付き合いが続く相手なので。……夏樹君のことは完全に守ります。ああ、裕理、止めないでくれ」
「……お前がNOといえば計画が止まる。やんわりにしておけ」
「……高宮さんのことは嫌っていない。ただなあ。言い方がなあ。人を守るのは悪いことじゃない。……黒崎さん、僕の方から言いますので」
「……いえ」
黒崎が首を振った。あなたに迷惑がかかるから、言わないでくれと言った。そして、俺のことを悠人の隣に座らせて、密着するようにされた。悠人から肩を抱かれてテレビの前に移動した。悠人は何も言わないが、大丈夫だよと言われている気がした。
「……佐伯さん。その時の状況で判断の正しさが変わります。夏樹に乗り越えさせてください」
「……嫌なことがあったのに?女性形の踊りは構想の一部です。無理に女性物の着物を着せるならやめます。僕は割り切れません」
「……いつまでも同じではいられません」
「……はい」
みんなが俺のことを真剣に話してくれている。ありがたいと思った。そして、その会話を聞きながら不思議に思った。数年前に仕事で会ったことがあるとはいえ、黒崎と佐久弥が昔からの知り合いのように思えた。気が合うということだろか?佐久弥は早瀬さんと似ている。話している二人を見ると、理久よりも面影が重なるときがある。
昼ご飯を食べた後、それぞれがバラけて話し始めた。俺と悠人はPVのCG動画を見ながら、佐久弥からレクチャーを受けている。佐久弥が持って来てくれた分が最新版であり、構成の全体が仕上がっていた。
楽曲が始まる前の冒頭では、自分の顔がアップで映し出される。左額の傷あとをクローズアップする。その後、白い檻の向こうで踊る姿が登場するが、完全に女性形とは見えない動き方をする。向かって斜めに立つのが女性形だとすると、男性形は正面を向いて立つ。檻を蹴り倒した後、正面を向いて立ち、楽曲が始まってメンバーが登場する。佐久弥がスロー再生に変えた。
「檻が蹴り倒された直後だ。バーンと登場する。……企画書のこの部分だ。踊りのポーズをバシッとキメる。動きは問題ないだろう?緊張しているのか?」
「それもあるけど。ミュージックビデオをあんまり観たことがないんだ。楽曲しか聴かないからさ」
「なるほど。そういうことかーー。若い子が珍しいな」
「ライブDVDは観ているよ。悠人はミュージックビデオが好きだよね?」
「うん。楽曲のイメージが分かるからねー」
出来上がりを想像するのが難しい。ステージに立っている時には、観客の動きや歓声に反応するのに。すると、佐久弥が早瀨さんに声をかけた。俺と似ているそうだ。その早瀬さんが隣に座った。
「俺も夏樹君と同じだよ。まずは曲が聴きたい。観たいときはライブへ行く」
「PVは新しい人に聴いてもらう入口なのか。カッコいいPVを用意したいのに難しいよ。佐久弥は元から作るのが好きなんだよね?」
「俺も夏樹と同じだった。まずはライブだろうって思っていた。でも、作っていくうちにハマってきた。……実はな。夏樹と悠人のビジュアル的要素も注目するようにした。外見からなのか?って思うかもしれないけど。かっこよさを前面に出したい」
「ふむふむ。カッコイイ!シビれる!っていうやつだね。なつきー、植本さんのギタープレイを思い出せよー。めっちゃかっこいいだろーー。それと同じって事だよーー」
「うんうん。ボーカルと絡んで盛り上げてさ~。いいよねえ」
「それもあるけど。はっきり言うぞ。……夏樹はメチャクチャ綺麗なんだ。悠人はカッコ可愛い。新しいファン層を狙っている」
「ふむふむ。ヴィジュアルはきっかけになるねー」
悠人が頷きながら相づちを打った。それは必要な要素だ。楽曲メインで引き寄せたいが、武器はなんでも使いたいと言っている。それを入口にして、興味を持ってもらえるならいいと頷いている。
情けないことに、悠人と一緒にやるなら大丈夫だと勇気が出てきた。しかし、俺は高宮さんから言われた一言が忘れられない。君の外見を最大限に活かさせてもらうと言われたことだ。歌の上手さとか下手さとかではなく。悠人達のように前向きに捉えられなくて、モヤモヤしている。佐久弥もその場にいた。すると、黒崎が佐久弥の隣に座った。
「……佐伯さん。ありがとうございます。夏樹に乗り越えさせたい件です」
「……それは承知していますが、高宮さんの言い方が気に入らない。僕の方から注意します。これからも付き合いが続く相手なので。……夏樹君のことは完全に守ります。ああ、裕理、止めないでくれ」
「……お前がNOといえば計画が止まる。やんわりにしておけ」
「……高宮さんのことは嫌っていない。ただなあ。言い方がなあ。人を守るのは悪いことじゃない。……黒崎さん、僕の方から言いますので」
「……いえ」
黒崎が首を振った。あなたに迷惑がかかるから、言わないでくれと言った。そして、俺のことを悠人の隣に座らせて、密着するようにされた。悠人から肩を抱かれてテレビの前に移動した。悠人は何も言わないが、大丈夫だよと言われている気がした。
「……佐伯さん。その時の状況で判断の正しさが変わります。夏樹に乗り越えさせてください」
「……嫌なことがあったのに?女性形の踊りは構想の一部です。無理に女性物の着物を着せるならやめます。僕は割り切れません」
「……いつまでも同じではいられません」
「……はい」
みんなが俺のことを真剣に話してくれている。ありがたいと思った。そして、その会話を聞きながら不思議に思った。数年前に仕事で会ったことがあるとはいえ、黒崎と佐久弥が昔からの知り合いのように思えた。気が合うということだろか?佐久弥は早瀬さんと似ている。話している二人を見ると、理久よりも面影が重なるときがある。
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