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早瀬が帰っていった後、胸が痛くなった。寂しいからだ。俺のことを離さないと言って抱きしめて欲しかった。そんなことを考えて、ウジウジと地面に字を書いた。
「ウジウジ。ウジウジ」
「悠人。どうしたんだ?」
「ひさやーー。かくかくしかじかなんだ!」
「そうか。俺から奪い取って帰らなかったのが悲しいのか。あいつはああいう奴だ。それが君の幸せなら喜んで送り出すよというのが考え方だ」
「ウジウジ。ウジウジ。久弥という魔王に捧げられた気分だよーーー」
「おおーーー。俺はどっちかというと王妃様だ。理久という弟の戦士がいる。おい、理久。いつまでやっているんだ?」
スタスタ。久弥が俺のことを置いて、理久の方に歩いて行った。理久はさっと身を隠し、俺達から見えなくなった。しかし、上から覗くようにして、垣根に隠れた理久のことを発見した。
「そろそろ家の中に入ろう。一緒にディアドロップ時代の俺のDVDを観るんだろう?」
「あ、お兄ちゃん。俺、忘れていたよ!そうだったね!」
「おおーーー、そうだったんだぞ。悠人のために取り寄せた映像集だ。さあ、2人とも、入るぞ。お母さーーーん、お茶の支度をしてくれよーーーー」
久弥が家の中に入っていった。そこで、俺の方としては手伝いをしたくなった。理久のことを垣根から連れ出して、家の中に入ることにした。
「りくーーー。入ろうよ」
「うん。エアー敵を見失ったんだ。この要塞のようなセキュリティーシステムにひるんだらしいよ。早瀨家のようなシステムだよ。ここには合体ロボットがいて、お母さんっていう名前なんだけど、とても強いんだ。夜露死苦っていっていう言葉が合図になって、ビームを出すんだ」
「ふむふむ。子供の頃から同じ遊びをしているのかな?」
「うん。ロマン溢れる庭だよ」
「ふむふむ。松の木が平和だなーーー」
ふわっと、松の木の匂いがして来た。やっぱり良い匂いである。松の葉が地面に落ちていて、趣がある。季節は春である。葉っぱが青々としている。
「お邪魔します」
「うん。入ってよ!お母さーーーん、敵は居なくなったよーーー!」
「はいはい。手を洗ってきなさい」
キッチンからお母さんが顔を出した。そして、俺を見て、いらっしゃいと言って微笑んだ。久弥とは17歳しか年が変わらないから、お姉さんといった感じのお母さんである。お父さんはゴルフクラブの手入れのため、自分の部屋に籠もっているそうだ。
「ふむふむ。あ、お父さんだ!こんにちは!」
「こんにちは。ゆっくりしていってね」
「ありがとうございます」
2階の部屋からお父さんが顔を出した。階段からである。お父さんといった感じの人である。佐伯健太郎さんという。久弥のお父さんだから音楽に秀でた人だと思っていたら、とんでもないそうだ。音痴であり、楽器は弾けないし、そもそも触らないという。しかし、音楽を聴くのは好きだということで、それがきっかけになり、音楽家の前妻と出会い、結婚した。しかし、別れて、今の妻と結婚した。それがキッチンに居るお母さんである。浮気三昧で浪費家の前妻とは正反対の良妻賢母である。そのような世間からの評判である。そこで俺は我に返った。なんということを思い出したのか。
「あああ……。失礼なことだよ。忘れよう。いや、だめだだめだ。そこのところを分かっていないといけないんだ。理久は9歳まで久弥と自分は同じお母さんから産まれてきたと思っていたんだーーーー。知ったときは悲しくてって言っていたんだーー。久弥が音楽に秀でているから、どうしても前のお母さんの痕跡があるんだーーー。親戚もそれを言っているんだ。そんな中、キッチンに居るお母さんはきちんと久弥のことを育て上げて、今の久弥がいるんだーーー」
「おーーい、悠人。そんなに悩まずに、気を遣わずに、こっちに来い」
「はーーーい」
久弥から呼ばれた。リビングでソファーに座り、俺に見せるDVDを選んでいる。彼の後ろの壁には、ディアドロップ時代の久弥の写真が飾られている。控え室で撮った、お父さんとお母さんと理久との4人の写真である。
それを見て、幸せを見つけて、ほろりと涙が落ちそうになった。そして、そんな俺に対して久弥がプロレス技を掛けてきて、必死に抵抗した。そして、お母さんによって助け出された。
「ウジウジ。ウジウジ」
「悠人。どうしたんだ?」
「ひさやーー。かくかくしかじかなんだ!」
「そうか。俺から奪い取って帰らなかったのが悲しいのか。あいつはああいう奴だ。それが君の幸せなら喜んで送り出すよというのが考え方だ」
「ウジウジ。ウジウジ。久弥という魔王に捧げられた気分だよーーー」
「おおーーー。俺はどっちかというと王妃様だ。理久という弟の戦士がいる。おい、理久。いつまでやっているんだ?」
スタスタ。久弥が俺のことを置いて、理久の方に歩いて行った。理久はさっと身を隠し、俺達から見えなくなった。しかし、上から覗くようにして、垣根に隠れた理久のことを発見した。
「そろそろ家の中に入ろう。一緒にディアドロップ時代の俺のDVDを観るんだろう?」
「あ、お兄ちゃん。俺、忘れていたよ!そうだったね!」
「おおーーー、そうだったんだぞ。悠人のために取り寄せた映像集だ。さあ、2人とも、入るぞ。お母さーーーん、お茶の支度をしてくれよーーーー」
久弥が家の中に入っていった。そこで、俺の方としては手伝いをしたくなった。理久のことを垣根から連れ出して、家の中に入ることにした。
「りくーーー。入ろうよ」
「うん。エアー敵を見失ったんだ。この要塞のようなセキュリティーシステムにひるんだらしいよ。早瀨家のようなシステムだよ。ここには合体ロボットがいて、お母さんっていう名前なんだけど、とても強いんだ。夜露死苦っていっていう言葉が合図になって、ビームを出すんだ」
「ふむふむ。子供の頃から同じ遊びをしているのかな?」
「うん。ロマン溢れる庭だよ」
「ふむふむ。松の木が平和だなーーー」
ふわっと、松の木の匂いがして来た。やっぱり良い匂いである。松の葉が地面に落ちていて、趣がある。季節は春である。葉っぱが青々としている。
「お邪魔します」
「うん。入ってよ!お母さーーーん、敵は居なくなったよーーー!」
「はいはい。手を洗ってきなさい」
キッチンからお母さんが顔を出した。そして、俺を見て、いらっしゃいと言って微笑んだ。久弥とは17歳しか年が変わらないから、お姉さんといった感じのお母さんである。お父さんはゴルフクラブの手入れのため、自分の部屋に籠もっているそうだ。
「ふむふむ。あ、お父さんだ!こんにちは!」
「こんにちは。ゆっくりしていってね」
「ありがとうございます」
2階の部屋からお父さんが顔を出した。階段からである。お父さんといった感じの人である。佐伯健太郎さんという。久弥のお父さんだから音楽に秀でた人だと思っていたら、とんでもないそうだ。音痴であり、楽器は弾けないし、そもそも触らないという。しかし、音楽を聴くのは好きだということで、それがきっかけになり、音楽家の前妻と出会い、結婚した。しかし、別れて、今の妻と結婚した。それがキッチンに居るお母さんである。浮気三昧で浪費家の前妻とは正反対の良妻賢母である。そのような世間からの評判である。そこで俺は我に返った。なんということを思い出したのか。
「あああ……。失礼なことだよ。忘れよう。いや、だめだだめだ。そこのところを分かっていないといけないんだ。理久は9歳まで久弥と自分は同じお母さんから産まれてきたと思っていたんだーーーー。知ったときは悲しくてって言っていたんだーー。久弥が音楽に秀でているから、どうしても前のお母さんの痕跡があるんだーーー。親戚もそれを言っているんだ。そんな中、キッチンに居るお母さんはきちんと久弥のことを育て上げて、今の久弥がいるんだーーー」
「おーーい、悠人。そんなに悩まずに、気を遣わずに、こっちに来い」
「はーーーい」
久弥から呼ばれた。リビングでソファーに座り、俺に見せるDVDを選んでいる。彼の後ろの壁には、ディアドロップ時代の久弥の写真が飾られている。控え室で撮った、お父さんとお母さんと理久との4人の写真である。
それを見て、幸せを見つけて、ほろりと涙が落ちそうになった。そして、そんな俺に対して久弥がプロレス技を掛けてきて、必死に抵抗した。そして、お母さんによって助け出された。
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