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さっそく俺はメモを取り出して、山本さんから聞けるであろう月島さんへの恋の誘いの話を聞こうと思った。メモをするのは楽曲作成に役に立ちそうだという思いからだ。そろそろ恋をテーマにした楽曲を増やしていきたい。カズさんも話を待っている。
「ふむふむ。用意は出来ました。教えて下さい」
「はい。まず会食の相手からの誘いがあります。下は20代からいます。社長に抱かれたいという男性達からの誘いです。社長と名刺交換をした後、帰りに、相手がプライベートな連絡先を書いた名刺を渡してくるんです。それは毎回です。どうして僕が知っているかというと、目撃したからです。それと、社内で有名な話でもあるからです」
「ふむふむ。そうでもしないと恋に発展しないからですね。俺の知っている人にも同じ人が居ます。黒崎製菓の黒崎副社長です。会食のときに連絡先を渡されるそうです。しかしながら、パートナーがいますから、受け取るのを断っているそうです。月島さんは独身だから、全部受け取っているのですか?」
「いえ、なるべく断っているようです。今はです。きっと、片想いの相手が現われた後からです。でも、受け取ることがあるので、よっぽど相手のことがタイプのようです」
「浮気はしない人だと思いますが」
「霊が取り憑いている人に興味を持つんです。そこで、プライベートな連絡先を聞いておいて、心霊相談に乗って、相手は社長と親しくなれます。社内でも社長に相談する人がいて、おかげで親しくなれるんです。僕もそうなりたくて、心霊スポットに何度も出かけたんですけど、霊が取り憑いてくれなくて、社長に相談が出来ません」
「ふむふむ。なるほど」
どうしよう?そこまでしたのか。山本さんの気持ちは本物である。しかし、月島さんには思い人がいる。大変切ないが、憧れだけで終わらせた方が良いだろう。いつか山本さんにもいい人が現われると思う。
「ふむふむ。山本さん。かくかくしかじかですよ。きっと、あなたにもいい人が現われます」
「でも、社長を見ていると、僕にもチャンスがあるかも知れないって思うんです。僕が霊にさえ取り憑かれたら、プライベートで会って貰えます。社長の今までの恋の誘いは、そういうことが多かったんです。社長に相談した人が社長にハマって、何度も連絡してくるんです。霊に取り憑かれたかも知れないという相談でした。でも、そんなことはないんです。社長に会いたいから嘘をついているんです。だって、社長が、君には何も憑いていないって言うんですから」
「ほお。そうでないと会えないからですね」
「はい。社長は朝8時に出社します。そこで、前日に寄せられた面会希望リストを確認して、メールを始めます。全て心霊現象相談です。そこに入らないと社長に会えないから、みんな必死です。心霊スポットに出かけて霊をひっつけてこようとしている人ばかりです。そして、めでたくも霊をひっつけてこれた人が何度も社長に会って、だんだん親しくなって、何かおかしいと思ったらいつでも連絡していいと、社長のプライベートの携帯番号を聞けて、デートに誘うようになるんです。17時で会社が終わった後は、会食のない日は、社長はデートに出かけます」
「ふむふむ。デートじゃなくて、相談に乗っているんじゃないですか?」
「相手はデートのつもりなんです。そこで、社長は相手の霊の取り憑かれ具合に惹かれて、良いムードの店で食事をしたり、バーに誘ったりするんです。社長の方から誘い始めるんです。全ては霊が関わっています。とにかく、霊がいないといけないんです」
「ふむふむ。片想いの相手のドイツ人男性は……、もしや……」
どうしよう?あの男性は何体も霊が取り憑いていたのだろうか。それから、よく行っていたという46号会館は心霊スポットなのだろうか。裸の男性を眺めたくて通っていたという月島さんだが、実は、霊を見ていたのかも知れない。
「うひぇーーー。霊を見て好きになるってことかなーーー」
「その通りです。何体も憑かれている人を社長は好むんです。自分の力で霊を祓えて愛情が深まるというのです……」
「ふむふむ。フェチシズムの様な話ですねーーーー」
「その条件をクリアした人とはデートを重ねていました。複数居るんです。今日はA君、明日はB君。明後日はC君。そして、週末は滝行に同行するD君とドライブ。霊能者仲間のE君とは休日に会って、情報交換した後、気になるA君を誘ってレストランでデートです。それに加えて、社長のプライベートの連絡先を知らない相手も待っています」
「それが前日の面会希望リストというわけですね……」
どうしよう?月島さんとデートをしたければ霊を連れてこないといけないなんて、危険である。しかし、その危険を顧みず挑戦するということは、相当惚れ込んだということである。
「ふむふむ。用意は出来ました。教えて下さい」
「はい。まず会食の相手からの誘いがあります。下は20代からいます。社長に抱かれたいという男性達からの誘いです。社長と名刺交換をした後、帰りに、相手がプライベートな連絡先を書いた名刺を渡してくるんです。それは毎回です。どうして僕が知っているかというと、目撃したからです。それと、社内で有名な話でもあるからです」
「ふむふむ。そうでもしないと恋に発展しないからですね。俺の知っている人にも同じ人が居ます。黒崎製菓の黒崎副社長です。会食のときに連絡先を渡されるそうです。しかしながら、パートナーがいますから、受け取るのを断っているそうです。月島さんは独身だから、全部受け取っているのですか?」
「いえ、なるべく断っているようです。今はです。きっと、片想いの相手が現われた後からです。でも、受け取ることがあるので、よっぽど相手のことがタイプのようです」
「浮気はしない人だと思いますが」
「霊が取り憑いている人に興味を持つんです。そこで、プライベートな連絡先を聞いておいて、心霊相談に乗って、相手は社長と親しくなれます。社内でも社長に相談する人がいて、おかげで親しくなれるんです。僕もそうなりたくて、心霊スポットに何度も出かけたんですけど、霊が取り憑いてくれなくて、社長に相談が出来ません」
「ふむふむ。なるほど」
どうしよう?そこまでしたのか。山本さんの気持ちは本物である。しかし、月島さんには思い人がいる。大変切ないが、憧れだけで終わらせた方が良いだろう。いつか山本さんにもいい人が現われると思う。
「ふむふむ。山本さん。かくかくしかじかですよ。きっと、あなたにもいい人が現われます」
「でも、社長を見ていると、僕にもチャンスがあるかも知れないって思うんです。僕が霊にさえ取り憑かれたら、プライベートで会って貰えます。社長の今までの恋の誘いは、そういうことが多かったんです。社長に相談した人が社長にハマって、何度も連絡してくるんです。霊に取り憑かれたかも知れないという相談でした。でも、そんなことはないんです。社長に会いたいから嘘をついているんです。だって、社長が、君には何も憑いていないって言うんですから」
「ほお。そうでないと会えないからですね」
「はい。社長は朝8時に出社します。そこで、前日に寄せられた面会希望リストを確認して、メールを始めます。全て心霊現象相談です。そこに入らないと社長に会えないから、みんな必死です。心霊スポットに出かけて霊をひっつけてこようとしている人ばかりです。そして、めでたくも霊をひっつけてこれた人が何度も社長に会って、だんだん親しくなって、何かおかしいと思ったらいつでも連絡していいと、社長のプライベートの携帯番号を聞けて、デートに誘うようになるんです。17時で会社が終わった後は、会食のない日は、社長はデートに出かけます」
「ふむふむ。デートじゃなくて、相談に乗っているんじゃないですか?」
「相手はデートのつもりなんです。そこで、社長は相手の霊の取り憑かれ具合に惹かれて、良いムードの店で食事をしたり、バーに誘ったりするんです。社長の方から誘い始めるんです。全ては霊が関わっています。とにかく、霊がいないといけないんです」
「ふむふむ。片想いの相手のドイツ人男性は……、もしや……」
どうしよう?あの男性は何体も霊が取り憑いていたのだろうか。それから、よく行っていたという46号会館は心霊スポットなのだろうか。裸の男性を眺めたくて通っていたという月島さんだが、実は、霊を見ていたのかも知れない。
「うひぇーーー。霊を見て好きになるってことかなーーー」
「その通りです。何体も憑かれている人を社長は好むんです。自分の力で霊を祓えて愛情が深まるというのです……」
「ふむふむ。フェチシズムの様な話ですねーーーー」
「その条件をクリアした人とはデートを重ねていました。複数居るんです。今日はA君、明日はB君。明後日はC君。そして、週末は滝行に同行するD君とドライブ。霊能者仲間のE君とは休日に会って、情報交換した後、気になるA君を誘ってレストランでデートです。それに加えて、社長のプライベートの連絡先を知らない相手も待っています」
「それが前日の面会希望リストというわけですね……」
どうしよう?月島さんとデートをしたければ霊を連れてこないといけないなんて、危険である。しかし、その危険を顧みず挑戦するということは、相当惚れ込んだということである。
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