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午前8時。
平日の普段なら2人で駅へ向かっている時間なのに、まだ家に居る。俺が夜中から風邪を引いて、寝ているからだ。大したことがないのに、早瀬が会社の休みを取ってくれた。そんなことをすると、ますます忙しくなるだろう。
「裕理さん、けほっ。午後から行っていいから……」
「……かまわない。今日で良かった。休みを消化しろと叱られている」
「本当は無理しているんだよね?……ズズッ、けほっ」
「……はいはい。多少は無理していますよー?だから大人しく看病されて、治してくださいねー?」
寝ている俺の頭を撫でて、水の入ったグラスを差し出してくれた。それをゴクゴク飲むと、小さな土鍋の蓋が開けられた。たまごの入ったお粥を作ってくれたようだ。それを見て、胸がジーンとした。弱っている時に優しくされたからだ。いつも優しいが、今日はいっそう強く感じる。
「少し冷ましてきた。これを食べたらクリニックへ連れて行く。これから寒くなるからね。ここでしっかり治しておこう」
「うん……」
「先に手を拭こうね」
除菌ティッシュを取り出し、手を拭いてくれた。それも優しい動作で、目頭が熱くなってきた。泣き顔になっていることについてはツッコんでくることはなくて、スプーンにおかゆを取って冷ましてくれた。
「ふーーっ」
「ふーー」
「アーン」
「アーン……」
「モグモグ」
「ムヒュモヒュ」
「ごくごく」
「ごく……」
「ふーーっ」
「あああ……」
どうしよう?アホみたいに復唱してしまった。デレデレしたくないのに。これでは、目指している『頼れる男』という理想像からは遠い。おまけに、口に入れて食べさせてもらっている。それを嬉しいと思っているなんて、クールな男のすることではない。
「こほっ。自分で食べるよ……」
「これで終わりだ。はーい、アーン」
「アーーン」
「完食したね。お茶碗一杯分だけにしておいた。さあ、着替えをしよう」
「うん、ありがとう」
ベッドに腰かけてTシャツを脱ごうとすると、先に手が伸びてきた。着替えを手伝ってくれるのだろうが、そういうわけにはいかない。
「大丈夫、ズズッ。自分で着替えるよ……」
「いいから。バンザーイ」
「ばんざーい……」
「ズボンを履こうね。足を伸ばして」
「うん……」
いけないと思いつつも、身体がダルいから任せてしまった。手早く着替えさせてもらい、あっという間に病院に行く準備が整った。
ガタン、パタン……。
玄関を出る時には、微笑み返しを受けた。そして、心配そうな目をされたから、大丈夫だよと返した。優しさが嬉しい。そして、今日は早瀬の車に乗り込み、病院へと向かった。
平日の普段なら2人で駅へ向かっている時間なのに、まだ家に居る。俺が夜中から風邪を引いて、寝ているからだ。大したことがないのに、早瀬が会社の休みを取ってくれた。そんなことをすると、ますます忙しくなるだろう。
「裕理さん、けほっ。午後から行っていいから……」
「……かまわない。今日で良かった。休みを消化しろと叱られている」
「本当は無理しているんだよね?……ズズッ、けほっ」
「……はいはい。多少は無理していますよー?だから大人しく看病されて、治してくださいねー?」
寝ている俺の頭を撫でて、水の入ったグラスを差し出してくれた。それをゴクゴク飲むと、小さな土鍋の蓋が開けられた。たまごの入ったお粥を作ってくれたようだ。それを見て、胸がジーンとした。弱っている時に優しくされたからだ。いつも優しいが、今日はいっそう強く感じる。
「少し冷ましてきた。これを食べたらクリニックへ連れて行く。これから寒くなるからね。ここでしっかり治しておこう」
「うん……」
「先に手を拭こうね」
除菌ティッシュを取り出し、手を拭いてくれた。それも優しい動作で、目頭が熱くなってきた。泣き顔になっていることについてはツッコんでくることはなくて、スプーンにおかゆを取って冷ましてくれた。
「ふーーっ」
「ふーー」
「アーン」
「アーン……」
「モグモグ」
「ムヒュモヒュ」
「ごくごく」
「ごく……」
「ふーーっ」
「あああ……」
どうしよう?アホみたいに復唱してしまった。デレデレしたくないのに。これでは、目指している『頼れる男』という理想像からは遠い。おまけに、口に入れて食べさせてもらっている。それを嬉しいと思っているなんて、クールな男のすることではない。
「こほっ。自分で食べるよ……」
「これで終わりだ。はーい、アーン」
「アーーン」
「完食したね。お茶碗一杯分だけにしておいた。さあ、着替えをしよう」
「うん、ありがとう」
ベッドに腰かけてTシャツを脱ごうとすると、先に手が伸びてきた。着替えを手伝ってくれるのだろうが、そういうわけにはいかない。
「大丈夫、ズズッ。自分で着替えるよ……」
「いいから。バンザーイ」
「ばんざーい……」
「ズボンを履こうね。足を伸ばして」
「うん……」
いけないと思いつつも、身体がダルいから任せてしまった。手早く着替えさせてもらい、あっという間に病院に行く準備が整った。
ガタン、パタン……。
玄関を出る時には、微笑み返しを受けた。そして、心配そうな目をされたから、大丈夫だよと返した。優しさが嬉しい。そして、今日は早瀬の車に乗り込み、病院へと向かった。
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