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ステージ裏に到着すると、機材や楽器が並んだ広いスペースがあった。さっき使ったばかりなのだろうか。パイプ椅子にはタオルが掛けられていて、ジャケットも置かれている。植本さんが無造作に移動させて席をつくった。そして、遠藤さんと早瀬が椅子に腰かけた後、ギターを渡された。
「悠人君。ベテルギウスが使っていたから、散らかっているけど。気にせずに弾いて。準備は出来ているよ」
「わわ……、何を弾こうかな?」
「そうだなあ?教室でやったやつがいいかな……。そうだ!『サマーリーフ・カメリア』がいい。高校時代に出た、あのバンドコンテストで演奏しただろう?」
「はいっ」
「ブルースを、ハードロックに編曲したフレーズを弾いていただろう?あれも聴きたいから入れて。……さあ、やろう!」
「はい、OKです]
アンプのスイッチを入れられては、後戻りできない。しかも、2人が見ている前での演奏だ。ポジショニングをして、ピックを手に取った。さっきまで使われていたからなのか、温かい。なんだか自分が演奏していた気になってきた。
(弾いている時は落ち着くけど。下手クソだと思われるだろうな……)
リクエストされたフレーズを弾き終えると、ため息が聞こえてきた。下手くそ。期待はずれ。そう思われたのだろうと心配すると、植本さんが首を振って否定した。
「違うよ。うまいからだって!」
「へえー。腕を上げたな……」
「……」
遠藤さんに褒められた。早瀬は笑顔を浮かべているものの、何も言わない。いつもなら感想を聞かせてくれるのに。ガチガチに緊張しているのが、伝わっているのだろう。
(緊張するなあ……)
遠藤さん達から励まされながら、最後のフレーズを弾き終えた。大きな拍手がもらえたが、気持ちは弾まなかった。忙しいだろうから、これ以上、時間を割いてもらうわけにいかない。
「ありがとうございました!」
「あれ?もういいのか?もっと……」
「高宮さんが来ていないぞ?ここのプロデューサーだ。聴いてもらえよ。君は凄いんだぞ?……蓮司くーーん、高宮さんは来ないのか?……一緒に来させるなって!はいはい……。静かにしておく」
植本さんが誰かに声をかけていた。そして、一緒に来させるなという言葉も聞こえてきた。それは誰だろう?そう思いつつ、ギターを植本さんに返した。遠藤さんが困ったような顔になったから、居たたまれない気分になった。いつもそうだ。自信がない。そう思っていると、早瀬がギターを受け取った。
「植本。俺も弾いていい?」
「もちろんだ。向こうのを使っていいぞ?」
「ああ、そうする。……悠人君。まだ終わっていないぞ。一緒に弾かせてもらう」
「おおーー!」
「へえ?ユーリがーー。拍手しよう!」
2人が興味深そうに頷いた後、早瀬がポジショニングをした。先に指鳴らしだといって、ある曲のフレーズを弾いた。それは、月夜のレンジャーのオープニングテーマ曲だった。どうして知っているのだろうか。ショーに連れて行ってくれると言っていたことがあるが、見ていることは内緒にしていたのに。
「ゆうとくーん。これ、好きだよね?エンディングの曲だよね」
「何で知っているんだよ!?」
「弾いているじゃないか。すぐに分かったよ」
「アレンジしているのに!」
「けっこう耳が良いからだよ。トリャー!って叫んで、俺のことを蹴っているだろう?ブルーのキックじゃないか」
「ひいいいいっ」
「この曲はどう?……『マジカル少女ミカリン』のテーマ曲だ」
「それは弾いたことがないのにーー」
「録画が残っていたよ。毎週木曜日の16時から……」
「あああ……」
もっと恥ずかしい。女の子向けのアニメだからだ。これでは恥の上塗りだ。遠藤さんが肩を揺らして笑っている。
するとその時だ。植本さんが驚いたように俺の後ろの方を見ていた。誰か来たのだろうか?こんな場面を見せるのは恥ずかしい。
「悠人君。ベテルギウスが使っていたから、散らかっているけど。気にせずに弾いて。準備は出来ているよ」
「わわ……、何を弾こうかな?」
「そうだなあ?教室でやったやつがいいかな……。そうだ!『サマーリーフ・カメリア』がいい。高校時代に出た、あのバンドコンテストで演奏しただろう?」
「はいっ」
「ブルースを、ハードロックに編曲したフレーズを弾いていただろう?あれも聴きたいから入れて。……さあ、やろう!」
「はい、OKです]
アンプのスイッチを入れられては、後戻りできない。しかも、2人が見ている前での演奏だ。ポジショニングをして、ピックを手に取った。さっきまで使われていたからなのか、温かい。なんだか自分が演奏していた気になってきた。
(弾いている時は落ち着くけど。下手クソだと思われるだろうな……)
リクエストされたフレーズを弾き終えると、ため息が聞こえてきた。下手くそ。期待はずれ。そう思われたのだろうと心配すると、植本さんが首を振って否定した。
「違うよ。うまいからだって!」
「へえー。腕を上げたな……」
「……」
遠藤さんに褒められた。早瀬は笑顔を浮かべているものの、何も言わない。いつもなら感想を聞かせてくれるのに。ガチガチに緊張しているのが、伝わっているのだろう。
(緊張するなあ……)
遠藤さん達から励まされながら、最後のフレーズを弾き終えた。大きな拍手がもらえたが、気持ちは弾まなかった。忙しいだろうから、これ以上、時間を割いてもらうわけにいかない。
「ありがとうございました!」
「あれ?もういいのか?もっと……」
「高宮さんが来ていないぞ?ここのプロデューサーだ。聴いてもらえよ。君は凄いんだぞ?……蓮司くーーん、高宮さんは来ないのか?……一緒に来させるなって!はいはい……。静かにしておく」
植本さんが誰かに声をかけていた。そして、一緒に来させるなという言葉も聞こえてきた。それは誰だろう?そう思いつつ、ギターを植本さんに返した。遠藤さんが困ったような顔になったから、居たたまれない気分になった。いつもそうだ。自信がない。そう思っていると、早瀬がギターを受け取った。
「植本。俺も弾いていい?」
「もちろんだ。向こうのを使っていいぞ?」
「ああ、そうする。……悠人君。まだ終わっていないぞ。一緒に弾かせてもらう」
「おおーー!」
「へえ?ユーリがーー。拍手しよう!」
2人が興味深そうに頷いた後、早瀬がポジショニングをした。先に指鳴らしだといって、ある曲のフレーズを弾いた。それは、月夜のレンジャーのオープニングテーマ曲だった。どうして知っているのだろうか。ショーに連れて行ってくれると言っていたことがあるが、見ていることは内緒にしていたのに。
「ゆうとくーん。これ、好きだよね?エンディングの曲だよね」
「何で知っているんだよ!?」
「弾いているじゃないか。すぐに分かったよ」
「アレンジしているのに!」
「けっこう耳が良いからだよ。トリャー!って叫んで、俺のことを蹴っているだろう?ブルーのキックじゃないか」
「ひいいいいっ」
「この曲はどう?……『マジカル少女ミカリン』のテーマ曲だ」
「それは弾いたことがないのにーー」
「録画が残っていたよ。毎週木曜日の16時から……」
「あああ……」
もっと恥ずかしい。女の子向けのアニメだからだ。これでは恥の上塗りだ。遠藤さんが肩を揺らして笑っている。
するとその時だ。植本さんが驚いたように俺の後ろの方を見ていた。誰か来たのだろうか?こんな場面を見せるのは恥ずかしい。
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