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それは、大学の授業でも表れている。ディベートの時は、夏樹は常に冷静だ。相手が自分の意見が通らなくてイラついても表情を変えないし、意見も姿勢も変えない。癪に障ると言われたこともあった。俺なら腹を立てるが、夏樹はそうではない。終わった時に、こんなやり取りがあった。
(中山、そうやって人を見透かす態度がさ~)
(だからなに?意見を言う時間だよ?嫌ならやめろよ)
(……)
相手は何も言えなくなり、夏樹に対して陰口を叩くようになった。人から嫌われるのはどうでもいいと夏樹は言っている。しかし、大事な人に嫌われるのは悲しいそうだ。それでも、ガチンコでぶつかると言っていた。今は黒崎さんと言い合いをしている。
「黒崎さんがウルサイんだよ?頑固オヤジ……」
「言われないようにしろ」
「だったら、食べた後のお皿を片づけろよ~」
「……」
早瀬とはガチンコでぶつかれない。嫌われるのが怖くて、本音を言い出しづらい。早瀬からは『嫌わないから、何でも言え』と言われているのに。両親との付き合い方も同じだ。本音を出せないから苦しんでいた。すると、藤沢が夏樹に声をかけた。
「夏樹、さっきのハモる部分だけど……」
「おつかれ~。エンジェルオブ~の部分だよね?」
「そうだよ。音がズレて来るよね」
「もう一回やろうか」
「うん、せーの、るるる~Angel ofーー」
「るるるーー、よし!」
「上手くいったね」
「2人とも息が合っているね!」
「3年前から歌っているからだよ」
「うん。黒崎さんより付き合いが長いよ。それでも新鮮な関係だよ」
「なんだと?」
黒崎さんが離れた場所から、ツッコミを入れた。早瀬と話しているのに、よく聞こえたなと驚いた。そんなやり取りをした後、練習を再開した。
「バラードいこうね!」
「みんなー、準備してー」
「はーい!」
ベースを桜木さんに渡し、俺はキーボードの前に立った。この曲では担当楽器が変わる。さっそく指慣らしをした後、演奏を開始した。
(中山、そうやって人を見透かす態度がさ~)
(だからなに?意見を言う時間だよ?嫌ならやめろよ)
(……)
相手は何も言えなくなり、夏樹に対して陰口を叩くようになった。人から嫌われるのはどうでもいいと夏樹は言っている。しかし、大事な人に嫌われるのは悲しいそうだ。それでも、ガチンコでぶつかると言っていた。今は黒崎さんと言い合いをしている。
「黒崎さんがウルサイんだよ?頑固オヤジ……」
「言われないようにしろ」
「だったら、食べた後のお皿を片づけろよ~」
「……」
早瀬とはガチンコでぶつかれない。嫌われるのが怖くて、本音を言い出しづらい。早瀬からは『嫌わないから、何でも言え』と言われているのに。両親との付き合い方も同じだ。本音を出せないから苦しんでいた。すると、藤沢が夏樹に声をかけた。
「夏樹、さっきのハモる部分だけど……」
「おつかれ~。エンジェルオブ~の部分だよね?」
「そうだよ。音がズレて来るよね」
「もう一回やろうか」
「うん、せーの、るるる~Angel ofーー」
「るるるーー、よし!」
「上手くいったね」
「2人とも息が合っているね!」
「3年前から歌っているからだよ」
「うん。黒崎さんより付き合いが長いよ。それでも新鮮な関係だよ」
「なんだと?」
黒崎さんが離れた場所から、ツッコミを入れた。早瀬と話しているのに、よく聞こえたなと驚いた。そんなやり取りをした後、練習を再開した。
「バラードいこうね!」
「みんなー、準備してー」
「はーい!」
ベースを桜木さんに渡し、俺はキーボードの前に立った。この曲では担当楽器が変わる。さっそく指慣らしをした後、演奏を開始した。
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