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18時半。
我が家の庭では、早瀬さんと悠人が喧嘩をしている。ついさっき早瀬さんが悠人のことを車で迎えに来てくれたのに、悠人が阻んで車に乗ろうとしない。
「いやだ、乗らない!」
「乗ってくれ。話がしたい」
「俺には話がない」
「悠人君に話がなくても構わない」
「一人で帰る。夏樹、門から出してよ」
「悠人、ここは大人になろうよ。車に乗って出ないと、門は開けないよ」
我が家の門は機械で作動する。リモコンは俺が持っている。悠人が泣きそうな顔になったから胸が痛んだ。黒崎に送ってもらおうか。そんなことまで考えた。そういう俺のことを見て、早瀬さんが言った。
「夏樹君。今は心を鬼にしてほしい」
「うん。そうするよ。悠人、そういうことだから。ちゃんと2人で話し合おうね」
門に縋りついている悠人の体を抱きかかえて、早瀬さんへ差し出した。
「やだってば!行かない!帰る!」
「悠人君、保育園児が嫌がっているように見えるよ?保育園の門の前で、行きたくない、帰る!って、駄々をこねている光景を見かけたことはない?」
「……」
悠人が押し黙った。彼は子ども扱いされることを嫌うから、逆効果だと思った。だから口を挟もうとすると、早瀬さんが意地悪そうに笑った。それは見たことがない顔だったから驚いて、出遅れてしまった。
「ゆうとくーん?恥ずかしいよねー?お友達の前だよー?笑われるよー?」
「早瀬さん!?」
二度驚いた。こんなに意地悪そうな顔を見たのは初めてだからだ。黒崎よりも意地悪度が上かもしれない。悠人の様子はというと、さっきとは雲泥の差がある程、大人しくなっていた。顔を真っ赤にして、早瀬さんのことを睨みつけている。そして、早瀬さんは悠人のことを愛おしんでいるかのような眼差しに変わった。
(本気で好きなんだな。上手くいくといいけど……。悠人は誰とも付き合いたくないって言ってた……)
これ以上は邪魔になるだろう。玄関に置きっぱなしだった悠人の荷物を、早瀬さんへ渡した。
「夏樹君、ありがとう」
「どういたしまして、じゃあね!」
後部座席へ荷物を入れた後、悠人が大人しく早瀬さんの車に乗り込んだ。手元のリモコンを操作して門を開くと、二人を乗せた車が出て行った。
(悠人が嫌がることはしないだろう……。黒崎さんがいたら、どんな話をしただろうな)
さっきから黒崎のことが頭に浮かんでいる。会いたくて堪らなくなっている。
「連絡してみよう。心配しているだろうし。早く帰ってこないかな?」
我が家の玄関のドアを開けた。黒崎を選んで良かったと思った。思い切って対岸に向けてジャンプした結果、そのドアの向こうには、二人と一匹が住む家が存在した。そして、その家を訪れるのは、お義父さんや友達だ。今夜も疲れて帰ってくる人のために、美味しい夜食を用意することにした。
我が家の庭では、早瀬さんと悠人が喧嘩をしている。ついさっき早瀬さんが悠人のことを車で迎えに来てくれたのに、悠人が阻んで車に乗ろうとしない。
「いやだ、乗らない!」
「乗ってくれ。話がしたい」
「俺には話がない」
「悠人君に話がなくても構わない」
「一人で帰る。夏樹、門から出してよ」
「悠人、ここは大人になろうよ。車に乗って出ないと、門は開けないよ」
我が家の門は機械で作動する。リモコンは俺が持っている。悠人が泣きそうな顔になったから胸が痛んだ。黒崎に送ってもらおうか。そんなことまで考えた。そういう俺のことを見て、早瀬さんが言った。
「夏樹君。今は心を鬼にしてほしい」
「うん。そうするよ。悠人、そういうことだから。ちゃんと2人で話し合おうね」
門に縋りついている悠人の体を抱きかかえて、早瀬さんへ差し出した。
「やだってば!行かない!帰る!」
「悠人君、保育園児が嫌がっているように見えるよ?保育園の門の前で、行きたくない、帰る!って、駄々をこねている光景を見かけたことはない?」
「……」
悠人が押し黙った。彼は子ども扱いされることを嫌うから、逆効果だと思った。だから口を挟もうとすると、早瀬さんが意地悪そうに笑った。それは見たことがない顔だったから驚いて、出遅れてしまった。
「ゆうとくーん?恥ずかしいよねー?お友達の前だよー?笑われるよー?」
「早瀬さん!?」
二度驚いた。こんなに意地悪そうな顔を見たのは初めてだからだ。黒崎よりも意地悪度が上かもしれない。悠人の様子はというと、さっきとは雲泥の差がある程、大人しくなっていた。顔を真っ赤にして、早瀬さんのことを睨みつけている。そして、早瀬さんは悠人のことを愛おしんでいるかのような眼差しに変わった。
(本気で好きなんだな。上手くいくといいけど……。悠人は誰とも付き合いたくないって言ってた……)
これ以上は邪魔になるだろう。玄関に置きっぱなしだった悠人の荷物を、早瀬さんへ渡した。
「夏樹君、ありがとう」
「どういたしまして、じゃあね!」
後部座席へ荷物を入れた後、悠人が大人しく早瀬さんの車に乗り込んだ。手元のリモコンを操作して門を開くと、二人を乗せた車が出て行った。
(悠人が嫌がることはしないだろう……。黒崎さんがいたら、どんな話をしただろうな)
さっきから黒崎のことが頭に浮かんでいる。会いたくて堪らなくなっている。
「連絡してみよう。心配しているだろうし。早く帰ってこないかな?」
我が家の玄関のドアを開けた。黒崎を選んで良かったと思った。思い切って対岸に向けてジャンプした結果、そのドアの向こうには、二人と一匹が住む家が存在した。そして、その家を訪れるのは、お義父さんや友達だ。今夜も疲れて帰ってくる人のために、美味しい夜食を用意することにした。
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