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11時。
特別講座が終わった後、森本達と一緒に正門へ向かっているところだ。これから帰る。さっきから、通りかかる男子生徒からの視線を浴びている。俺が差し入れのお菓子を持っているからだ。今日は誰が俺に告白したのかと見つめられている。この間も正門まで歩いていたら、次々とドーナツやお菓子の入った紙袋を渡された。俺がスイーツ男子だと知られているからだ。その紙袋の中には連絡先が書かれた手紙が入っている事が多い。告白されたら断りに行かなければならない。
「今日も多いね」
「うん」
隣を歩いている藤沢が苦笑いをした。今日は告白がなかったねと言われた。彼はモテる。恋愛経験もある。だから俺は藤沢からとアドバイスを受けて対処している。
「夏樹のファンが増えたね。今週で授業が終わりだからね。後は卒業生まで登校がないし。今のうちに連絡先を交換したくて、ジリジリしているね」
「お陰で、黒崎さんとケンカになったよ……」
「夏樹。大丈夫か?」
森本から肩を叩かれた。彼も告白されることがあるけれど、いつも落ち着いている。俺が告白される度に断っている姿を見て、大変だなと気遣ってくれている。良い奴だと思う。
「大変だな。背中に貼り付けてやろうか?”黒崎さんしか生涯愛せない”って」
「森本が言うとマジに聞こえるよ……」
「本気で言っている。断るのは面倒だろ?毎日迎えに来ているのを知ってて、連絡先を交換したがっているんだ。試してみろよ?」
前を歩いている斎藤が、ギャラリーを蹴散らしている。サッパリした性格をしていて、裏表がない。俺には突っぱねない方がいいとアドバイスされた。なるべく友達に任せておけというこだった。
「おい、見世物じゃねーぞ!紙袋に手紙を入れるな。姑息な真似をするなよ!今日は15人か。キリがないぞ」
「いつもありがとう。もうすぐ我が家の大魔王が登場するから、みんな逃げていくよ」
その時、スマホに黒崎からのラインが入った。今日は迎えに来れなくなったのだろうか。そうと思いながら画面を開くと、その通りのことが書いてあった。
「……『仕事で抜けられない。早瀬が迎えに行く。』か。久しぶりに早瀬さんに会えるのか。この間のお菓子のお礼を言いたかったから良かったーー」
今日は自分から折れて仲直りをしようと思っている。黒崎が帰ってきたら、ごめんなさいと言おうと思う。早瀬さんに相談しようかと思った。でも、胸がムカムカしてきた。今朝の喧嘩を思い出したからだ。あんな言い方をしなくてもいいのではないかと思った。黒崎の方も、この間はメッセージカードを入れられていた。でも、俺は言い訳をした。直ぐに断ると言っておけば喧嘩にならずに済んだ。だから、黒崎が怒ったんだと分かる。そう思うと、俺は大人の対応が出来ないことに気がついた。
「あの人もガキだけど、何だかんだいっても大人だもんな~……。俺は本当のガキだし」
ため息をつきながら正門を通ると、いつもの場所に車が停まっていた。すると、早瀬さんが手を振ってくれていた。俺は軽く頭を下げて手を振り返し、車に乗り込んだ。
特別講座が終わった後、森本達と一緒に正門へ向かっているところだ。これから帰る。さっきから、通りかかる男子生徒からの視線を浴びている。俺が差し入れのお菓子を持っているからだ。今日は誰が俺に告白したのかと見つめられている。この間も正門まで歩いていたら、次々とドーナツやお菓子の入った紙袋を渡された。俺がスイーツ男子だと知られているからだ。その紙袋の中には連絡先が書かれた手紙が入っている事が多い。告白されたら断りに行かなければならない。
「今日も多いね」
「うん」
隣を歩いている藤沢が苦笑いをした。今日は告白がなかったねと言われた。彼はモテる。恋愛経験もある。だから俺は藤沢からとアドバイスを受けて対処している。
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「お陰で、黒崎さんとケンカになったよ……」
「夏樹。大丈夫か?」
森本から肩を叩かれた。彼も告白されることがあるけれど、いつも落ち着いている。俺が告白される度に断っている姿を見て、大変だなと気遣ってくれている。良い奴だと思う。
「大変だな。背中に貼り付けてやろうか?”黒崎さんしか生涯愛せない”って」
「森本が言うとマジに聞こえるよ……」
「本気で言っている。断るのは面倒だろ?毎日迎えに来ているのを知ってて、連絡先を交換したがっているんだ。試してみろよ?」
前を歩いている斎藤が、ギャラリーを蹴散らしている。サッパリした性格をしていて、裏表がない。俺には突っぱねない方がいいとアドバイスされた。なるべく友達に任せておけというこだった。
「おい、見世物じゃねーぞ!紙袋に手紙を入れるな。姑息な真似をするなよ!今日は15人か。キリがないぞ」
「いつもありがとう。もうすぐ我が家の大魔王が登場するから、みんな逃げていくよ」
その時、スマホに黒崎からのラインが入った。今日は迎えに来れなくなったのだろうか。そうと思いながら画面を開くと、その通りのことが書いてあった。
「……『仕事で抜けられない。早瀬が迎えに行く。』か。久しぶりに早瀬さんに会えるのか。この間のお菓子のお礼を言いたかったから良かったーー」
今日は自分から折れて仲直りをしようと思っている。黒崎が帰ってきたら、ごめんなさいと言おうと思う。早瀬さんに相談しようかと思った。でも、胸がムカムカしてきた。今朝の喧嘩を思い出したからだ。あんな言い方をしなくてもいいのではないかと思った。黒崎の方も、この間はメッセージカードを入れられていた。でも、俺は言い訳をした。直ぐに断ると言っておけば喧嘩にならずに済んだ。だから、黒崎が怒ったんだと分かる。そう思うと、俺は大人の対応が出来ないことに気がついた。
「あの人もガキだけど、何だかんだいっても大人だもんな~……。俺は本当のガキだし」
ため息をつきながら正門を通ると、いつもの場所に車が停まっていた。すると、早瀬さんが手を振ってくれていた。俺は軽く頭を下げて手を振り返し、車に乗り込んだ。
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