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店に到着した。初めて入る店は緊張するだろうか。どきどきしながら暖簾をくぐると、温かい笑顔の女将さんに迎えられた。さっそく挨拶をすると、可愛らしい方だと言って微笑まれて、顔が真っ赤になった。
個室へ案内された後、小さな器に入った、あんみつが運ばれて来た。それを食べている間に、次々と料理が運ばれて来た。コース料理だから一品ずつ運ばれてくるかと思ったのに、料理が一度にテーブルに並んだ。好きな物ばかりだ。お義父さんが頼んでくれたそうだ。
「ありがとう。俺、この方が食べやすいよ」
「そうだろうと思った。行儀が悪いだと?圭一の言うことは、放っておきなさい。甘鯛と、ちりめん山菜ごはんが美味しいよ」
「好きなんだよ。黒崎さん……、今日はあれこれ言わないでよーー」
「もう言わない。口の周りを汚しても構わないから、思いきり食べてくれ」
「うんっ。甘鯛のお刺身から食べるよ」
黒崎が肩の凝らない店を選ぶようになったのは、俺にたくさん食べて欲しいからだと言っていた。そして、家庭的な雰囲気が好きになったのも理由だそうだ。刺身とご飯を食べていると、黒崎とお義父さんから微笑まれた。今、二人が打ち解けている。その様子を見て、ほっとした気持ちになった。
すると、お義父さんが席を立った。お店の人に声を掛けた後、俺達の方に振り向いた。また仕事の電話が入ったのだと言い、席を立った。
「……すまない。電話を掛けてくるよ」
「……うん。気を付けてね」
パタン。引き戸が閉まった後、むずがゆい空気が生まれていた。黒崎から優しく見つめられているからだ。しゃぶしゃぶ鍋から小さな気泡が立っているkれど、まだ肉を放り込むタイミングではなくて、手持ち無沙汰になった。
「ど、どうしたんだよ?」
「分からないのか?」
「うん……?」
「嬉しいからだ。俺には出来ないことだ。父があんなに楽しそうに笑っている。自分が蒔いた種とはいってもな。ありがとう……」
「え……」
「結婚してよかった」
「ヒャーーーーッ」
嬉しさのあまり、声を上げてしまった。周りに聞こえて驚かれたかもしれない。黒崎が俺の口を塞ごうとした時、店の人から声をかけられた。それはそうだ。この静かな雰囲気の中で悲鳴が上がれば、驚かれるに決まっている。
黒崎が笑い声を立てながら引き戸を開き、店の人に謝ってくれた。料理の美味しさに、テンションが高くなりましたと言っていた。そして、茶椀蒸しのおかわりを頼んでくれた。
個室へ案内された後、小さな器に入った、あんみつが運ばれて来た。それを食べている間に、次々と料理が運ばれて来た。コース料理だから一品ずつ運ばれてくるかと思ったのに、料理が一度にテーブルに並んだ。好きな物ばかりだ。お義父さんが頼んでくれたそうだ。
「ありがとう。俺、この方が食べやすいよ」
「そうだろうと思った。行儀が悪いだと?圭一の言うことは、放っておきなさい。甘鯛と、ちりめん山菜ごはんが美味しいよ」
「好きなんだよ。黒崎さん……、今日はあれこれ言わないでよーー」
「もう言わない。口の周りを汚しても構わないから、思いきり食べてくれ」
「うんっ。甘鯛のお刺身から食べるよ」
黒崎が肩の凝らない店を選ぶようになったのは、俺にたくさん食べて欲しいからだと言っていた。そして、家庭的な雰囲気が好きになったのも理由だそうだ。刺身とご飯を食べていると、黒崎とお義父さんから微笑まれた。今、二人が打ち解けている。その様子を見て、ほっとした気持ちになった。
すると、お義父さんが席を立った。お店の人に声を掛けた後、俺達の方に振り向いた。また仕事の電話が入ったのだと言い、席を立った。
「……すまない。電話を掛けてくるよ」
「……うん。気を付けてね」
パタン。引き戸が閉まった後、むずがゆい空気が生まれていた。黒崎から優しく見つめられているからだ。しゃぶしゃぶ鍋から小さな気泡が立っているkれど、まだ肉を放り込むタイミングではなくて、手持ち無沙汰になった。
「ど、どうしたんだよ?」
「分からないのか?」
「うん……?」
「嬉しいからだ。俺には出来ないことだ。父があんなに楽しそうに笑っている。自分が蒔いた種とはいってもな。ありがとう……」
「え……」
「結婚してよかった」
「ヒャーーーーッ」
嬉しさのあまり、声を上げてしまった。周りに聞こえて驚かれたかもしれない。黒崎が俺の口を塞ごうとした時、店の人から声をかけられた。それはそうだ。この静かな雰囲気の中で悲鳴が上がれば、驚かれるに決まっている。
黒崎が笑い声を立てながら引き戸を開き、店の人に謝ってくれた。料理の美味しさに、テンションが高くなりましたと言っていた。そして、茶椀蒸しのおかわりを頼んでくれた。
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