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12-3(黒崎視点)
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午前7時半。
マンションのエントランスを出たところだ。これから出社する。俺のそばには、タクシーが停車されている。その傍らには、アンを抱いている夏樹がいる。この姿を見るだけで気持ちが和んだ。
「いってらっしゃい」
「合間で連絡をする。今日は外に出るな」
「分かっているよ。連絡は無理しなくていいから。家にいるからね」
「行って来る……」
夏樹とアンの頭を撫でた。夏樹から可愛らしい笑顔を向けられて、抱き寄せたい衝動を抑え込んだ。そして、後部座席に乗り込んだ後、運転手から声を掛けられて頷いた。タクシーが発進した後、夏樹が笑顔で手を振ってくれた。
(俺には帰る場所がある。あのまま家に居てもらいたい。この考えをやめないといけない……)
マンションの敷地を出ると、対岸沿いのビル群が広がった。そして、朝陽が差し込み、目を細めた。脳裏に焼き付いているのは、夏樹の笑顔だ。どうやら叔母の住んでいた家に住みたいらしい。俺もそう思っている。閉じ込める理由ではなく、最もいい環境だからだ。
黒崎家の騒がしさを治めた後、その家のリフォーム工事を手配する予定だ。夏までには暮らせるだろう。夏樹の笑顔が見られるのなら、それでいいと思った。そして、少しばかりの睡眠を取ろうと思い、目を閉じた。
マンションのエントランスを出たところだ。これから出社する。俺のそばには、タクシーが停車されている。その傍らには、アンを抱いている夏樹がいる。この姿を見るだけで気持ちが和んだ。
「いってらっしゃい」
「合間で連絡をする。今日は外に出るな」
「分かっているよ。連絡は無理しなくていいから。家にいるからね」
「行って来る……」
夏樹とアンの頭を撫でた。夏樹から可愛らしい笑顔を向けられて、抱き寄せたい衝動を抑え込んだ。そして、後部座席に乗り込んだ後、運転手から声を掛けられて頷いた。タクシーが発進した後、夏樹が笑顔で手を振ってくれた。
(俺には帰る場所がある。あのまま家に居てもらいたい。この考えをやめないといけない……)
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