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午前9時。
黒崎製菓に到着後、タクシーから降り、本社ビルの中に入った。社員として入るのは15年ぶりだ。懐かしさを感じた。そして、20階にあるオフィスに入り、これから一緒に仕事をする仲間達と自己紹介をした。その後、就任式典に参加するために、会議室に移動した。今、その廊下で役員達と話しているところだ。
今回の合併に伴い、半数の役員が交代し、役職者の人事異動も大規模になった。新体制メンバーの年代層は、40代後半以降が占めている。自分が一番、若い。メンバーと顔を合わせ、お互いに品定めをするかのような短い会話を終えた。俺のことは時期社長候補として見られているらしく、緊張感が漂っていた。
(次期社長候補として見られているのか。簡単に認めるわけがない。俺でも同じことを考える……)
左手の薬指へと視線を向けて、夏樹の姿を思い浮かべた。朝食を用意した後、大学で使用する教材の確認をしていた姿だ。彼のために頑張ろうと思った。
(今日は良い日だ……)
ふと、ネクタイに視線を落とした。今朝、夏樹が選んでくれたものだ。自然と笑みが浮かんだところで、父から声を掛けられた。約15年前は父から声を掛けられる度に緊張していたが、今は違う。対等な立場として向かい合った。そして、俺の新しい立場で名前を呼ばれた。黒崎ホールディングスの社長ではなく、黒崎製菓の常務取締役だ。
「……黒崎常務、おはよう」
「……黒崎社長。おはようございます」
「……いい笑顔だ」
そう言って父から肩を叩かれた。父が意地悪そうな笑みを浮かべていた。この先が思いやられる。そう持ってため息をつくと、さらに笑われた。良い親子関係になるといい。そう思いながら、会議室に入った。
黒崎製菓に到着後、タクシーから降り、本社ビルの中に入った。社員として入るのは15年ぶりだ。懐かしさを感じた。そして、20階にあるオフィスに入り、これから一緒に仕事をする仲間達と自己紹介をした。その後、就任式典に参加するために、会議室に移動した。今、その廊下で役員達と話しているところだ。
今回の合併に伴い、半数の役員が交代し、役職者の人事異動も大規模になった。新体制メンバーの年代層は、40代後半以降が占めている。自分が一番、若い。メンバーと顔を合わせ、お互いに品定めをするかのような短い会話を終えた。俺のことは時期社長候補として見られているらしく、緊張感が漂っていた。
(次期社長候補として見られているのか。簡単に認めるわけがない。俺でも同じことを考える……)
左手の薬指へと視線を向けて、夏樹の姿を思い浮かべた。朝食を用意した後、大学で使用する教材の確認をしていた姿だ。彼のために頑張ろうと思った。
(今日は良い日だ……)
ふと、ネクタイに視線を落とした。今朝、夏樹が選んでくれたものだ。自然と笑みが浮かんだところで、父から声を掛けられた。約15年前は父から声を掛けられる度に緊張していたが、今は違う。対等な立場として向かい合った。そして、俺の新しい立場で名前を呼ばれた。黒崎ホールディングスの社長ではなく、黒崎製菓の常務取締役だ。
「……黒崎常務、おはよう」
「……黒崎社長。おはようございます」
「……いい笑顔だ」
そう言って父から肩を叩かれた。父が意地悪そうな笑みを浮かべていた。この先が思いやられる。そう持ってため息をつくと、さらに笑われた。良い親子関係になるといい。そう思いながら、会議室に入った。
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