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黒崎と藤沢が短い会話をした後、タクシーのドアが静かに閉まり、静かに発進した。藤沢は俺達に遠慮して、一緒に乗っていかなかった。
タクシーに乗った後、黒崎に、バンドのこと、モデル事務所のこと、店の中で出た話題を話した。普通に話していたつもりなのに、黒崎が何かを感じ取ったのか、頭を抱き寄せられた。その瞬間、黒崎の匂いが鼻をくすぐり、ホッとして、彼の肩に額を寄せた。
この間の北添達の話をまだしていない。このまま黙っていようかと思いながらも、相談しようかとも思っている。俺が言葉に詰まっていると、黒崎から見つめられた。
「大学で何かあったんだな?」
「何もないよ」
「嘘つけ。大したことがなくても話せ」
いつもなら偉そうに言うのに、今の声は優しいものだった。ゆっくりと頭を撫でられていくうちに、ザワついていた気持ちが落ち着いていった。それでも言えない。甘えだ。黒崎は、もっと大変なはずだ。こんなことで、足を引っ張るわけにはいかない。
「こら。肝心なことを話さないのは、悪い癖だ。大したことがないと判断するのも、自己完結の悪い癖だぞ」
「あ……」
「パートナーだ。何でも話せ。これでも15年長く生きている。アドバイスは出来るぞ?」
「うん……っ」
情けないことに、涙が出てしまった。どう見られようと平気だったのに、人目を気にしていることと、パートナーとして気が張っていることの、全部を正直に話した。
「パートナーには話しづらいのか。そうだ。こうしよう。話し終わるまでは、俺はパートナーじゃない。兄貴だと思え。遠慮はいらない」
「うん。あのね……」
話している間、黒崎は静かに相づちを打ってくれた。さっきのように頭は撫でられなかった。だから、今回のことを甘えだと思わずに、話すことが出来た。話を聞いてくれている人は、15歳年上の黒崎だ。俺よりもたくさんの経験をしている。話して良かったと思った。
タクシーに乗った後、黒崎に、バンドのこと、モデル事務所のこと、店の中で出た話題を話した。普通に話していたつもりなのに、黒崎が何かを感じ取ったのか、頭を抱き寄せられた。その瞬間、黒崎の匂いが鼻をくすぐり、ホッとして、彼の肩に額を寄せた。
この間の北添達の話をまだしていない。このまま黙っていようかと思いながらも、相談しようかとも思っている。俺が言葉に詰まっていると、黒崎から見つめられた。
「大学で何かあったんだな?」
「何もないよ」
「嘘つけ。大したことがなくても話せ」
いつもなら偉そうに言うのに、今の声は優しいものだった。ゆっくりと頭を撫でられていくうちに、ザワついていた気持ちが落ち着いていった。それでも言えない。甘えだ。黒崎は、もっと大変なはずだ。こんなことで、足を引っ張るわけにはいかない。
「こら。肝心なことを話さないのは、悪い癖だ。大したことがないと判断するのも、自己完結の悪い癖だぞ」
「あ……」
「パートナーだ。何でも話せ。これでも15年長く生きている。アドバイスは出来るぞ?」
「うん……っ」
情けないことに、涙が出てしまった。どう見られようと平気だったのに、人目を気にしていることと、パートナーとして気が張っていることの、全部を正直に話した。
「パートナーには話しづらいのか。そうだ。こうしよう。話し終わるまでは、俺はパートナーじゃない。兄貴だと思え。遠慮はいらない」
「うん。あのね……」
話している間、黒崎は静かに相づちを打ってくれた。さっきのように頭は撫でられなかった。だから、今回のことを甘えだと思わずに、話すことが出来た。話を聞いてくれている人は、15歳年上の黒崎だ。俺よりもたくさんの経験をしている。話して良かったと思った。
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