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どんなニュースだろう。二人で画面を見た。喧嘩の種が消えて良かったと思った。でも、良いニュースではなかった。
「北環状線で、トレーラーを含む、8台が絡む玉突き事故が……」
それは自動車の玉突き事故のニュースだった。心が動揺してしまった。慌てて立ち上がり、テレビを消しに行こうとした。拓海さんが亡くなった理由が玉突き事故だからだ。黒崎に思い出させてしまう。
「夏樹。湯豆腐が冷めるぞ」
「だって……」
「いいから」
黒崎が微笑んだ。ほっとするどころか、胸が痛んだ。何もなかったふりは出来ないけれど、せめて同じように微笑もうとした。しかし、失敗してしまった。
「おいで」
「うん……」
これでは反対だ。黒崎のことを抱きしめるべきなのに、抱き寄せられている。椅子に座っている彼の肩へ顔を埋めた。早く泣き止みたいのに、嗚咽まで漏れてしまった。
「泣かなくていい。兄さんが心配して、天国から化けて出てくるぞ?」
「怖くないよ……。優しい人だったんだよね?」
「いや、けっこう怖かった。同級生を病院送りにしたときは、それはもう……」
「え?何かあったの?」
「登校3日目で喧嘩をした」
「そうだったんだ……。そんなに早くに……」
「8人目の喧嘩で、とうとう兄さんから雷が落ちた」
「怪我はどうだったの?」
「打撲だ。兄さんは俺に喧嘩するなとは言わなかった。これ以上、黒崎家の財政を圧迫するなと言われた。相手の怪我のことは気にしていなかったぞ。見舞いと治療費が問題だったそうだ」
「ええ?」
「そういう人だ。まだあるぞ。兄さんから尻を叩かれた。沙耶と怜の前でだ」
「ぷぷぷ……」
その話の続きを知っている。喧嘩が多かったせいで、黒崎には仲の良い子が増えたそうだ。でも、お兄さんにとっては心配の種だっただろう。悲しくて泣いていた心が、呆れ笑いに変わった。笑える話ではないのに、肩が小刻みに震えた。そして、とうとう笑いが抑えきれなくなった。泣き笑いをしている俺のことを、黒崎の腕がしっかりと支えていた。ありがとう。黒崎がそう言った。その囁き声には頷くだけにした。
「北環状線で、トレーラーを含む、8台が絡む玉突き事故が……」
それは自動車の玉突き事故のニュースだった。心が動揺してしまった。慌てて立ち上がり、テレビを消しに行こうとした。拓海さんが亡くなった理由が玉突き事故だからだ。黒崎に思い出させてしまう。
「夏樹。湯豆腐が冷めるぞ」
「だって……」
「いいから」
黒崎が微笑んだ。ほっとするどころか、胸が痛んだ。何もなかったふりは出来ないけれど、せめて同じように微笑もうとした。しかし、失敗してしまった。
「おいで」
「うん……」
これでは反対だ。黒崎のことを抱きしめるべきなのに、抱き寄せられている。椅子に座っている彼の肩へ顔を埋めた。早く泣き止みたいのに、嗚咽まで漏れてしまった。
「泣かなくていい。兄さんが心配して、天国から化けて出てくるぞ?」
「怖くないよ……。優しい人だったんだよね?」
「いや、けっこう怖かった。同級生を病院送りにしたときは、それはもう……」
「え?何かあったの?」
「登校3日目で喧嘩をした」
「そうだったんだ……。そんなに早くに……」
「8人目の喧嘩で、とうとう兄さんから雷が落ちた」
「怪我はどうだったの?」
「打撲だ。兄さんは俺に喧嘩するなとは言わなかった。これ以上、黒崎家の財政を圧迫するなと言われた。相手の怪我のことは気にしていなかったぞ。見舞いと治療費が問題だったそうだ」
「ええ?」
「そういう人だ。まだあるぞ。兄さんから尻を叩かれた。沙耶と怜の前でだ」
「ぷぷぷ……」
その話の続きを知っている。喧嘩が多かったせいで、黒崎には仲の良い子が増えたそうだ。でも、お兄さんにとっては心配の種だっただろう。悲しくて泣いていた心が、呆れ笑いに変わった。笑える話ではないのに、肩が小刻みに震えた。そして、とうとう笑いが抑えきれなくなった。泣き笑いをしている俺のことを、黒崎の腕がしっかりと支えていた。ありがとう。黒崎がそう言った。その囁き声には頷くだけにした。
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