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店内に入った。カウンターを見ると、沢山並んだ商品はどれも美味しそうだ。ラインナップが一新されているから、悠人へ電話をかけてリクエストを聞いた。久弥も来るからと、好きそうなものを選んだ。すると、黒崎に電話が入った。
「……二葉からだ。選んでおいてくれ」
「りょーかい。向こうで話した方がいいだろ?俺は大丈夫だよ」
「すぐに終わる。……どうだ、決まったのか?……そうか。親父かが。喧嘩するなよ。待っている」
「早いねえ。さすがだよ」
本当に短い会話で電話を終えた。サンドイッチを選んでいると、人数が増えたから、もっと買っていけと言われた。二葉も来ることになったそうだ。
「二葉ちゃんが来るの?早瀬さん家に」
「黒崎家の娘だと公表することにした。今日は一緒に預かってもらう。親父が迎えに行くそうだ」
「そうなんだ……」
黒崎がごく普通に口にしている。こっちは驚いて言葉に詰まったのに。秘書になったことが影響したに違いない。母と弟のために了承したのか?無理をするな、好きな道へ行け。そう黒崎が言っているのに。
「また我慢したのかな……、ごめんね。帰ってからだね。……悠人ほどじゃないけど、二葉ちゃんって大食いだもんね。これで足りるかなあ。甘いものも買うよ」
「夏樹。二葉の名字は”倉口”のままだ」
「そっか……。たっぷり時間があるから話すよ」
女子トークの要領を思い出した。甘いものを食べながら話したいだろう。タルトやクッキーを選んだ後、ふと思い出した。二葉が甘いものを食べながら、ぺらぺらと喋っているところを見たことがないことを。いつもから揚げやおむすびを食べながら、大学の授業や変な教授のことを話しているイメージだ。
黒崎と雰囲気が似ているから、そっちに気を取られて、女の子らしくないことを気に留めたことがなかった。服装は女性らしいと思う。長い髪を後ろでシュシュで纏めて、綺麗なラインのスカートを履いている。しかし、中身は反対だし、俺たちは気兼ねなく過ごせる。
仲のいい女友達が北岡さんしかいないのは、女の子とは気が合わないからだと話していた。話す話題が合わないし、付き合い方も難しいのだと。キャッキャッとした雰囲気は全くない。それは性格だと思った。
(人見知りするからだと思ってたけど……)
もしかしてと、頭に浮かんだ事がある。ここで直球は聞くのは避けたい。今さらの質問をしてみよう。俺が聞きたいことが分かるはずだ。
「二葉ちゃんは、甘いものが苦手だっけ?俺ばっかり食べているからさ。……女子トークをするのかな?絵理奈ちゃんみたいに」
「あの子はしない。お前たちの前では」
「そうだったね。俺たちの前ではしたことがなかったよ」
「……朝方の電話は、二葉が相手だった」
「そっか。眠いよね?二葉ちゃんのこと、向こうで寝かせてもらうよ。部屋が多いし」
「……頼む。本人からは遠慮して言い出さない」
「そうだね。我慢するもんね」
ずっと起きていたのだろう。大事なことを話すために。黒崎からは、こう頼まれた。これからも、弟として振る舞ってやってくれと。何があったのかと、ここでは考えることが出来ない。いろんな事が大きく動き始めたことだけは分かる。
今できることはこれだ。美味しそうなものを買い込んで店を出た。みんなでわいわい話して、楽しむために。
「……二葉からだ。選んでおいてくれ」
「りょーかい。向こうで話した方がいいだろ?俺は大丈夫だよ」
「すぐに終わる。……どうだ、決まったのか?……そうか。親父かが。喧嘩するなよ。待っている」
「早いねえ。さすがだよ」
本当に短い会話で電話を終えた。サンドイッチを選んでいると、人数が増えたから、もっと買っていけと言われた。二葉も来ることになったそうだ。
「二葉ちゃんが来るの?早瀬さん家に」
「黒崎家の娘だと公表することにした。今日は一緒に預かってもらう。親父が迎えに行くそうだ」
「そうなんだ……」
黒崎がごく普通に口にしている。こっちは驚いて言葉に詰まったのに。秘書になったことが影響したに違いない。母と弟のために了承したのか?無理をするな、好きな道へ行け。そう黒崎が言っているのに。
「また我慢したのかな……、ごめんね。帰ってからだね。……悠人ほどじゃないけど、二葉ちゃんって大食いだもんね。これで足りるかなあ。甘いものも買うよ」
「夏樹。二葉の名字は”倉口”のままだ」
「そっか……。たっぷり時間があるから話すよ」
女子トークの要領を思い出した。甘いものを食べながら話したいだろう。タルトやクッキーを選んだ後、ふと思い出した。二葉が甘いものを食べながら、ぺらぺらと喋っているところを見たことがないことを。いつもから揚げやおむすびを食べながら、大学の授業や変な教授のことを話しているイメージだ。
黒崎と雰囲気が似ているから、そっちに気を取られて、女の子らしくないことを気に留めたことがなかった。服装は女性らしいと思う。長い髪を後ろでシュシュで纏めて、綺麗なラインのスカートを履いている。しかし、中身は反対だし、俺たちは気兼ねなく過ごせる。
仲のいい女友達が北岡さんしかいないのは、女の子とは気が合わないからだと話していた。話す話題が合わないし、付き合い方も難しいのだと。キャッキャッとした雰囲気は全くない。それは性格だと思った。
(人見知りするからだと思ってたけど……)
もしかしてと、頭に浮かんだ事がある。ここで直球は聞くのは避けたい。今さらの質問をしてみよう。俺が聞きたいことが分かるはずだ。
「二葉ちゃんは、甘いものが苦手だっけ?俺ばっかり食べているからさ。……女子トークをするのかな?絵理奈ちゃんみたいに」
「あの子はしない。お前たちの前では」
「そうだったね。俺たちの前ではしたことがなかったよ」
「……朝方の電話は、二葉が相手だった」
「そっか。眠いよね?二葉ちゃんのこと、向こうで寝かせてもらうよ。部屋が多いし」
「……頼む。本人からは遠慮して言い出さない」
「そうだね。我慢するもんね」
ずっと起きていたのだろう。大事なことを話すために。黒崎からは、こう頼まれた。これからも、弟として振る舞ってやってくれと。何があったのかと、ここでは考えることが出来ない。いろんな事が大きく動き始めたことだけは分かる。
今できることはこれだ。美味しそうなものを買い込んで店を出た。みんなでわいわい話して、楽しむために。
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