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これで仲直りだろうか。それでは気が済まず、我儘を言うことにした。黒崎はどういうだろう。外に行きたいと言えば、俺のことを連れていくだろうか。
「今から水族館へ行きたいんだ。本気の我儘だからね。アイビー書店へも行きたいよ」
「分かった。先にベッドで謝らせてくれ」
「眠くないもん。キスをしないでよ。本気になりそうだから……」
「そう言って逃げるのが定番だ。何度目だ?」
「さあ?思い出して正解したら、もっと仲直りをしてもいいよ?」
答えなんか用意していないから答えようがない。試しに出された数に返事をすると、強引に唇を塞がれて、息を吸うのがやっとの状態にされた。少し吸うと舌が絡んできて、文句が言えない。強硬手段なのか。反撃しようと、黒崎の耳たぶをつまんで息を吹きかけた。
「これで終わりだよ。雨が降りそうだから、洗濯物を取り込んでくるよ」
「雨は降らない。逃げるのが下手なふりをしても無駄だ」
「春の天気が変わりやすいのは、知っているくせに。妬くなら可愛いものにしてよ。絵本を買うとか。スープジューサーを買うとかね……」
「それで怒る気だろう。買いすぎだと。ベッドが嫌なら、ソファーにする。風呂でもいいぞ?」
「シャワーは出かける前に浴びるよ。ソファーは……」
「答えに詰まったか。タイムリミットだ。おいで」
力強い腕が腰に回されて、ソファーへ押し倒された。長いまつ毛が触れそうな距離で囁かれて、背中に甘い痺れが起きた。そして、左手の指先を口に含まれて舐め取られた。どの指がいいのかと囁かれながら、シャツを脱がされた。
「良く似合っている。今夜の分も顔色に映えるはずだ。脱がしたくなくなった」
「もう……、ここでやめるなって」
「このまま見ていたい。靴下を脱がせてもいいか?」
やっぱり焦らされている。足首を噛んだり踝に吸い付いたりして、小さな声を上げる度に繰り返して、笑い声を立てている。お互いの体が熱いから、すぐに限界が来るだろう。
俺の方からごめんと言うまでは続けると口にしたくせに、着ている物を脱がしている。起き上がった黒崎が上半身裸になり、色気が放たれた。
「今日は力を抜いて、リラックスしてくれ」
「抱きつくのもだめなの……?」
「その通りだ。両手も力を抜いてくれ」
肉食獣のように見つめられて動けなくなると、激しくしないと苦笑された。すっかり熱くなっているから、耳元で囁かれた言葉に、素直に頷いた。黒崎が両足の間に入り、優しい力で腰を進めて来た。思わず肩へ手を置こうとすると、言葉だけで止められた。
「そっちを向かないで、顔を見せてくれ。いい声だ」
「すけべじじい。ああ……、待って」
「手を動かすな。……上手くなった。力を抜けと言ったはずだぞ」
「どういう意味だよ。誕生日なのに、あんたが喜んでる……」
「可愛いからだ。声を出してくれ」
「もう……っ」
今日は感覚が違う。恥ずかしいのは、イヤらしく見られているからだ。何度もソファーと体が揺れて、ため息が荒くなった。熱っぽくて涙が滲んでくると、優しく笑いながら抱き起されて、膝の上に促された。
新しい圧迫感に全身が痺れて、何かなんだか分からない。黒崎の表情が優しい。エロさ全開なのに。視界が霞んで全身の力が抜けた後、お互いに終わりを迎えた。
「今日も一緒だったね、はあ……」
「二回目はしないのか?」
「やだって……」
「昨日の分だ……」
そう言って誘惑したのに、優しい触れ合いをしてくれた。蕩けた体で抱きつくと、愛おしむようなキスを贈られた。
「今から水族館へ行きたいんだ。本気の我儘だからね。アイビー書店へも行きたいよ」
「分かった。先にベッドで謝らせてくれ」
「眠くないもん。キスをしないでよ。本気になりそうだから……」
「そう言って逃げるのが定番だ。何度目だ?」
「さあ?思い出して正解したら、もっと仲直りをしてもいいよ?」
答えなんか用意していないから答えようがない。試しに出された数に返事をすると、強引に唇を塞がれて、息を吸うのがやっとの状態にされた。少し吸うと舌が絡んできて、文句が言えない。強硬手段なのか。反撃しようと、黒崎の耳たぶをつまんで息を吹きかけた。
「これで終わりだよ。雨が降りそうだから、洗濯物を取り込んでくるよ」
「雨は降らない。逃げるのが下手なふりをしても無駄だ」
「春の天気が変わりやすいのは、知っているくせに。妬くなら可愛いものにしてよ。絵本を買うとか。スープジューサーを買うとかね……」
「それで怒る気だろう。買いすぎだと。ベッドが嫌なら、ソファーにする。風呂でもいいぞ?」
「シャワーは出かける前に浴びるよ。ソファーは……」
「答えに詰まったか。タイムリミットだ。おいで」
力強い腕が腰に回されて、ソファーへ押し倒された。長いまつ毛が触れそうな距離で囁かれて、背中に甘い痺れが起きた。そして、左手の指先を口に含まれて舐め取られた。どの指がいいのかと囁かれながら、シャツを脱がされた。
「良く似合っている。今夜の分も顔色に映えるはずだ。脱がしたくなくなった」
「もう……、ここでやめるなって」
「このまま見ていたい。靴下を脱がせてもいいか?」
やっぱり焦らされている。足首を噛んだり踝に吸い付いたりして、小さな声を上げる度に繰り返して、笑い声を立てている。お互いの体が熱いから、すぐに限界が来るだろう。
俺の方からごめんと言うまでは続けると口にしたくせに、着ている物を脱がしている。起き上がった黒崎が上半身裸になり、色気が放たれた。
「今日は力を抜いて、リラックスしてくれ」
「抱きつくのもだめなの……?」
「その通りだ。両手も力を抜いてくれ」
肉食獣のように見つめられて動けなくなると、激しくしないと苦笑された。すっかり熱くなっているから、耳元で囁かれた言葉に、素直に頷いた。黒崎が両足の間に入り、優しい力で腰を進めて来た。思わず肩へ手を置こうとすると、言葉だけで止められた。
「そっちを向かないで、顔を見せてくれ。いい声だ」
「すけべじじい。ああ……、待って」
「手を動かすな。……上手くなった。力を抜けと言ったはずだぞ」
「どういう意味だよ。誕生日なのに、あんたが喜んでる……」
「可愛いからだ。声を出してくれ」
「もう……っ」
今日は感覚が違う。恥ずかしいのは、イヤらしく見られているからだ。何度もソファーと体が揺れて、ため息が荒くなった。熱っぽくて涙が滲んでくると、優しく笑いながら抱き起されて、膝の上に促された。
新しい圧迫感に全身が痺れて、何かなんだか分からない。黒崎の表情が優しい。エロさ全開なのに。視界が霞んで全身の力が抜けた後、お互いに終わりを迎えた。
「今日も一緒だったね、はあ……」
「二回目はしないのか?」
「やだって……」
「昨日の分だ……」
そう言って誘惑したのに、優しい触れ合いをしてくれた。蕩けた体で抱きつくと、愛おしむようなキスを贈られた。
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