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16時半。
会場ホール前にタクシーが停車して、静かな車内とは対照的な、賑やかな場所へ降りた。車の音や話し声、ざわざわとした空気の中、気持ちがリセットされた。
これも、黒崎からの思いやりだ。全てが流れるように進み、心の圧迫感を持たずにいる。人の気持ちを読み取るのが上手どころの話ではない。それは、ずっと先を読んでいるからだ。
「初めて来たよ~。ここにあるのはショッピングモールだよね?カンタレラみたいな。わあー、3箇所もあるかと思ったら、2つなんだね~。一つ一つが大きいんだ。都会だねえ」
悠人と2人で、京橋駅直結のショッピングビルへ買い物に行ったことがある。たった一回だけだ。黒崎と出かけた水族館や動物園は静かな場所にあり、大都会のムードの中を歩くのは初めてのようなものだ。あの日の渋谷は別として。
コンサートホールは向こうだと教えられて、近くのコンビニに入った。こじんまりとした空間が落ち着き、ほっと一息ついた。黒崎から笑われている。俺がホッとしているからだ。そして、店で珈琲を選んだ。すると、会場ホールに用意されているから、買わなくていいと言われた。休憩できる場所もあるそうだ。
「そうなんだ?今の気分は、シアトルバニラの珈琲なんだ」
「緊張してないじゃないか。ブレがない。最初から変わらないな」
「これでも気後れしているんだよ?知っているくせに」
「それとは違う意味だ。恥ずかしがることと、人前に出るのとは違う話だ。ご近所さんから見つめられて顔を真っ赤にしているが、こういう場所では平気だ」
「そうかな~。褒め言葉をありがとう。ここで飲んで行くからね~」
お会計を済ませて隅っこへ行き、渇いた喉を潤した。そして、大欠伸とクシャミを済ませておいた。黒崎が笑っている気配があるが放置した。
窓から見えるのは、ホールへ入って行くお客さんだ。久しぶりに会うのか、肩を寄せ合って笑っている人達がいる。コンサート前の、ステージサイドから観える景色と重なる。
会場ホール前にタクシーが停車して、静かな車内とは対照的な、賑やかな場所へ降りた。車の音や話し声、ざわざわとした空気の中、気持ちがリセットされた。
これも、黒崎からの思いやりだ。全てが流れるように進み、心の圧迫感を持たずにいる。人の気持ちを読み取るのが上手どころの話ではない。それは、ずっと先を読んでいるからだ。
「初めて来たよ~。ここにあるのはショッピングモールだよね?カンタレラみたいな。わあー、3箇所もあるかと思ったら、2つなんだね~。一つ一つが大きいんだ。都会だねえ」
悠人と2人で、京橋駅直結のショッピングビルへ買い物に行ったことがある。たった一回だけだ。黒崎と出かけた水族館や動物園は静かな場所にあり、大都会のムードの中を歩くのは初めてのようなものだ。あの日の渋谷は別として。
コンサートホールは向こうだと教えられて、近くのコンビニに入った。こじんまりとした空間が落ち着き、ほっと一息ついた。黒崎から笑われている。俺がホッとしているからだ。そして、店で珈琲を選んだ。すると、会場ホールに用意されているから、買わなくていいと言われた。休憩できる場所もあるそうだ。
「そうなんだ?今の気分は、シアトルバニラの珈琲なんだ」
「緊張してないじゃないか。ブレがない。最初から変わらないな」
「これでも気後れしているんだよ?知っているくせに」
「それとは違う意味だ。恥ずかしがることと、人前に出るのとは違う話だ。ご近所さんから見つめられて顔を真っ赤にしているが、こういう場所では平気だ」
「そうかな~。褒め言葉をありがとう。ここで飲んで行くからね~」
お会計を済ませて隅っこへ行き、渇いた喉を潤した。そして、大欠伸とクシャミを済ませておいた。黒崎が笑っている気配があるが放置した。
窓から見えるのは、ホールへ入って行くお客さんだ。久しぶりに会うのか、肩を寄せ合って笑っている人達がいる。コンサート前の、ステージサイドから観える景色と重なる。
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