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エレベーターを下りた。シンと静まり返ったフロアだと思うのは、営業企画部が賑やかなフロアだからだ。それでも、取引先関係が出入りし、待合スペースは賑わっている。案内されるのは気にするなと促されているうちに、開発部のオフィス前に到着した。
先に枝川さんが入るというので、静かに待った。軽く深呼吸をした後、ステージサイドから出ていくイメージを浮かべた。それぐらいの気持ちで丁度いいと思う。もしかしたら、俺のことを受け入れてもらえないかも知れない。そういう気分にもなっている。
カタ……。
開発部のオフィスのドアが開き、室内からの空気が廊下に流れ込んできて、ドキッとした。すると、枝川さんがドアを全開にして、さっきとは大違いの明るい声を出した。
「イケメン、いっちょうーー!問題発言、オフレコ!」
「ええ?」
「ナツキですよーー!」
「おおおーー、本物だ!きゃーー!」
「休暇を取りやめてよかったーー」
パチパチパチパチ!
何が起こったのか、すぐに理解できなかった。室内にいる全員が拍手をして、歓声を上げている光景があり、ぽかんと見つめた。歓迎されるとは思っていなかったからだ。
枝川さんから促されて室内に踏み込むと、みんながドカドカと来てくれた。男女関係なく悲鳴を上げているから、どうすればいいのか戸惑った。まるでコンサート会場のようだ。
「みなさん!触ったらダメですよーー。順番に並んでください。はいはい、珈琲で乾杯しましょう!バウムクーヘンの差し入れがありますので。……カンテールです。嬉しい?こらーー、触るなって。常務が怒って来るぞ。ほーらね?……須賀部長は、どこだ?……アイスクリームのテイスティングに言っているのか。え?違う階じゃん。……副社長室にいる?山下君、呼んで来てくれ!はーーい、珈琲ですよーー、ウイスキーボンボンでもNGです」
あっという間に席を設けられて、女性から、TDDの待ち受けを使っていると見せてくれた。久弥の画像だった。それに対してツッコミが入り、笑いが起こった。
奥から来た女性から促されて、喉が渇いているでしょうと、お水をもらった。すると、今年の新入社員を代表して自分が挨拶すると声があがり、枝川さんが叱りつけていた。今年というのは嘘で、去年の入社だという。そして、耳打ちするように声を掛けられた。
「こういう歓迎の仕方にした。黒崎常務からの伝言だ。……”歌手として来い。コラボしよう。みんな承知の上だ”。……受け取ったか?」
「はい。枝川さんが空気を変えられるのが凄いです」
「ひどい目に遭わされたからだよ。この後で報告に行く。副社長室へ付き添って貰ないか?ああー、須賀部長が到着したのか。お盆はまだですよーー」
以前、このフロアに来た時、拓海さんが帰って来たと言われた。黒崎と雰囲気が似ているなら、やっぱりそうなのか?一緒に働ける気分になってもらえるかな?
ただし、本業は歌手であり、TDDのヴォーカルだ。歓迎された空気の中、地位が欲しいから負けないぞという、片意地を張っていたことを自覚した。
先に枝川さんが入るというので、静かに待った。軽く深呼吸をした後、ステージサイドから出ていくイメージを浮かべた。それぐらいの気持ちで丁度いいと思う。もしかしたら、俺のことを受け入れてもらえないかも知れない。そういう気分にもなっている。
カタ……。
開発部のオフィスのドアが開き、室内からの空気が廊下に流れ込んできて、ドキッとした。すると、枝川さんがドアを全開にして、さっきとは大違いの明るい声を出した。
「イケメン、いっちょうーー!問題発言、オフレコ!」
「ええ?」
「ナツキですよーー!」
「おおおーー、本物だ!きゃーー!」
「休暇を取りやめてよかったーー」
パチパチパチパチ!
何が起こったのか、すぐに理解できなかった。室内にいる全員が拍手をして、歓声を上げている光景があり、ぽかんと見つめた。歓迎されるとは思っていなかったからだ。
枝川さんから促されて室内に踏み込むと、みんながドカドカと来てくれた。男女関係なく悲鳴を上げているから、どうすればいいのか戸惑った。まるでコンサート会場のようだ。
「みなさん!触ったらダメですよーー。順番に並んでください。はいはい、珈琲で乾杯しましょう!バウムクーヘンの差し入れがありますので。……カンテールです。嬉しい?こらーー、触るなって。常務が怒って来るぞ。ほーらね?……須賀部長は、どこだ?……アイスクリームのテイスティングに言っているのか。え?違う階じゃん。……副社長室にいる?山下君、呼んで来てくれ!はーーい、珈琲ですよーー、ウイスキーボンボンでもNGです」
あっという間に席を設けられて、女性から、TDDの待ち受けを使っていると見せてくれた。久弥の画像だった。それに対してツッコミが入り、笑いが起こった。
奥から来た女性から促されて、喉が渇いているでしょうと、お水をもらった。すると、今年の新入社員を代表して自分が挨拶すると声があがり、枝川さんが叱りつけていた。今年というのは嘘で、去年の入社だという。そして、耳打ちするように声を掛けられた。
「こういう歓迎の仕方にした。黒崎常務からの伝言だ。……”歌手として来い。コラボしよう。みんな承知の上だ”。……受け取ったか?」
「はい。枝川さんが空気を変えられるのが凄いです」
「ひどい目に遭わされたからだよ。この後で報告に行く。副社長室へ付き添って貰ないか?ああー、須賀部長が到着したのか。お盆はまだですよーー」
以前、このフロアに来た時、拓海さんが帰って来たと言われた。黒崎と雰囲気が似ているなら、やっぱりそうなのか?一緒に働ける気分になってもらえるかな?
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