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開発部のオフィスに居る。珈琲で乾杯した後、全員の自己紹介がされた。名前と担当だけのシンプルなもので、あとは追々にという、ざっくばらんな雰囲気だった。5人でのミーティングが始まり、まずは雑談しようと、新商品のお菓子をもらった。
開発部は、3つの研究所を持っている。商品開発、技術研究、品質向上研究だ。俺が入ったのは商品開発の方だ。このオフィスと研究所を行き来する。研究所だけで仕事をしている社員も多いそうだ。
ここは理学部の院生が使っている研究棟内に似ている。馴染みのある空間に、すぐに気持ちがほぐされた。ここのオフィスには、同じ大学の理学部の卒業生が3人いた。恐竜の歯の生え換わりから考察する研究をしていたという。今も引き継がれているものだ。
珈琲を勧められて、2杯目を飲んでいる。40代の室長の渡辺さん、30歳のチーフの佐木野さん、28歳の相田さんと連川さんの2人だ。年上の人ばかりだから遠慮がちにしていると、怖い人はいないよと、室長に首を振られた。笑っている。
「開発部自体が、ガツガツしていません。他の部署とのやり取りが多い分、疲弊した空気を持って帰って来ますからねー。メンバー同士で分かち合い、アイスクリームの試作をするのが、基本の流れです。乳製品を混ぜてね……、クルクルって」
4人が真面目に頷いている。笑う場面じゃないのか。嫌な話ではない分、どんな反応をしようか迷った。控えめな笑顔を浮かべる気になれない。
枝川さんと話したからかな?黒崎からの伝言に励まされたからか。ナツキだと歓迎されて、”どうもどうも”と、珈琲を飲んだのが良かったのかな?共通しているのは、歓迎されたという事だ。
チーフがガラス壁の向こうを振り向いた。須賀部長と枝川さんが話しながら、ジェスチャーを送って来た。チーフが6個だと送り返すと、トレーを持って入って来た。紙カップと、スプーンも置いてある。アイスクリームだろうか?運ばせてはいけない。しかし、立ち上ったところを、枝川さんから止められた。
「座っていろ。お疲れ様でーす。須賀部長の試作品を食べてくれよ」
「枝川室長!僕たちが運ぶので……」
「いいってば。俺も試作したかったからな。3種類やらしてもらった」
あっという間に、俺達の前にはアイスクリームのカップが並べられた。チョコ系、ソーダ、ミルク、イチゴ、グレープ。これは小豆だと思う。形がなくてカップに入っているから、不思議な気分だ。
思わず眺めていると、チーフが小さく吹き出して笑った。そして、俺の肩を後ろへ促して、離れなさいと言った。皆が食べられないだろうと。すぐに姿勢を正すと、また笑われた。素直だなと言いながら。
「この部署に合っているねー。眼鏡の度が合っていないだろう?見えづらそうだ」
「はい。近くないと分からなくて」
「短いサイクルで検診を受けた方がいい。けっこう下がって行くから」
「はい。明日、さっそく受診します。……笑われていますよね?」
ここへ来た時から笑われ続けている。これでも一年半の社会人歴があるのに。全く違う世界なのか。黒崎から振る舞いを習っておこうと思った。
開発部は、3つの研究所を持っている。商品開発、技術研究、品質向上研究だ。俺が入ったのは商品開発の方だ。このオフィスと研究所を行き来する。研究所だけで仕事をしている社員も多いそうだ。
ここは理学部の院生が使っている研究棟内に似ている。馴染みのある空間に、すぐに気持ちがほぐされた。ここのオフィスには、同じ大学の理学部の卒業生が3人いた。恐竜の歯の生え換わりから考察する研究をしていたという。今も引き継がれているものだ。
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「開発部自体が、ガツガツしていません。他の部署とのやり取りが多い分、疲弊した空気を持って帰って来ますからねー。メンバー同士で分かち合い、アイスクリームの試作をするのが、基本の流れです。乳製品を混ぜてね……、クルクルって」
4人が真面目に頷いている。笑う場面じゃないのか。嫌な話ではない分、どんな反応をしようか迷った。控えめな笑顔を浮かべる気になれない。
枝川さんと話したからかな?黒崎からの伝言に励まされたからか。ナツキだと歓迎されて、”どうもどうも”と、珈琲を飲んだのが良かったのかな?共通しているのは、歓迎されたという事だ。
チーフがガラス壁の向こうを振り向いた。須賀部長と枝川さんが話しながら、ジェスチャーを送って来た。チーフが6個だと送り返すと、トレーを持って入って来た。紙カップと、スプーンも置いてある。アイスクリームだろうか?運ばせてはいけない。しかし、立ち上ったところを、枝川さんから止められた。
「座っていろ。お疲れ様でーす。須賀部長の試作品を食べてくれよ」
「枝川室長!僕たちが運ぶので……」
「いいってば。俺も試作したかったからな。3種類やらしてもらった」
あっという間に、俺達の前にはアイスクリームのカップが並べられた。チョコ系、ソーダ、ミルク、イチゴ、グレープ。これは小豆だと思う。形がなくてカップに入っているから、不思議な気分だ。
思わず眺めていると、チーフが小さく吹き出して笑った。そして、俺の肩を後ろへ促して、離れなさいと言った。皆が食べられないだろうと。すぐに姿勢を正すと、また笑われた。素直だなと言いながら。
「この部署に合っているねー。眼鏡の度が合っていないだろう?見えづらそうだ」
「はい。近くないと分からなくて」
「短いサイクルで検診を受けた方がいい。けっこう下がって行くから」
「はい。明日、さっそく受診します。……笑われていますよね?」
ここへ来た時から笑われ続けている。これでも一年半の社会人歴があるのに。全く違う世界なのか。黒崎から振る舞いを習っておこうと思った。
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