206 / 514
18-10
しおりを挟む
勧められたアイスの中から、ソーダを選んだ。スッキリしたものが欲しかった。気を取り直して食べていると、みんなから顔を赤らめて見られていた。つまりは、首筋のキスマークを見つけたのか?襟元ぎりぎりだったはずだ。蕁麻疹だと誤魔化しておこう。
「ごめんね。見てしまって。本当に……、いやあー。ねえーー」
「はい。蕁麻疹が出まして。少しだけです」
「それはいけない。診てもらおう。保健室があるから」
「ありがとうございます。痒みがは止まっています。残っているだけです」
「乳製品のアレルギーじゃないか?ソーダの中に混入していないか?見て来るよ。連川、黒崎君の襟元を見てあげて」
「大丈夫です!……薬は飲んでいません」
「これを食べて出たかもしれない。見せてくれ」
「ああー、あの……」
どうも調子が出なくて、空回りをしている。アレルギー反応は重要だ。須賀部長が混ぜているアイスを、チーフが見に行った。こうなると打ち明けるしかない。失礼しますと断り、ネクタイを緩めると、枝川さんから止められた。
「向こうで調べるから、そのままにしておけ。痒いなら連れて行くけど。そうでもないだろ?」
「はい。今朝、付けられたものなので。まだ赤いですけど」
「ははは……。俺はフォローしたぞーー?」
「ええ?」
そういうことか。枝川さんから気を遣われたのに、気づかなかった。そばに居る相田さんと連川さんの2人から顔を赤くされている。キスマークだと、自分から暴露してしまったからだ。
向こうでは、室長とチーフが首を傾げて、須賀部長と話している。何も取り繕わないで説明に行こう。ネクタイを締め直して席を立つと、相田さんから止められた。明るめのスーツ姿の男性が部屋へ入って来たからだ。
どういうタイミングだろうか?それは黒崎だった。その後ろから入って来たのが、聡太郎だった。何かあったねと微笑まれて、ホッとした。こっちへ来るから席を立つと、枝川さんに立ち塞がれた。
「黒崎君。ネクタイを締めてくれ!」
「ああ、曲がっているんですね。直します」
「向こうでやってくれーー」
「みっともないですね。すぐに……」
肩を押して反対方向へ促されて、ネクタイを外した。最初からやり直そうと整えていると、枝川さんの引きつった声が聞こえた。振り向くと、彼の前に黒崎が立っていた。微笑んでいるのに、枝川さんから背中に庇われた。ネクタイを締め直すだけなのに。
部長達のところに行きたい。慌てているから、手元が狂ってしまった。眼鏡を外してテーブルに置くと、黒崎から肩を引かれた。直してくれるのか。こんなところでは恥ずかしいから、顔が赤くなった。
「黒崎さん……、えーーっと。常務。ええ?どうしたんですか?」
「そのままで構わない。……枝川。黒崎君がネクタイを外している理由を教えろ」
「俺が外したんだ。……外しました。枝川さんからは外されていません」
「当たり前だ。こっちにおいで」
強引に向きを変えられて、顎を持ち上げられた。誤解をしているのか?先に理由を話した方が早いから、こっそり耳元で話した。その後、黒崎が笑い声を立てて、ネクタイを締め直してくれた。俺はあんたのせいだという言葉を飲み込み、眼鏡をかけ直した。
「ごめんね。見てしまって。本当に……、いやあー。ねえーー」
「はい。蕁麻疹が出まして。少しだけです」
「それはいけない。診てもらおう。保健室があるから」
「ありがとうございます。痒みがは止まっています。残っているだけです」
「乳製品のアレルギーじゃないか?ソーダの中に混入していないか?見て来るよ。連川、黒崎君の襟元を見てあげて」
「大丈夫です!……薬は飲んでいません」
「これを食べて出たかもしれない。見せてくれ」
「ああー、あの……」
どうも調子が出なくて、空回りをしている。アレルギー反応は重要だ。須賀部長が混ぜているアイスを、チーフが見に行った。こうなると打ち明けるしかない。失礼しますと断り、ネクタイを緩めると、枝川さんから止められた。
「向こうで調べるから、そのままにしておけ。痒いなら連れて行くけど。そうでもないだろ?」
「はい。今朝、付けられたものなので。まだ赤いですけど」
「ははは……。俺はフォローしたぞーー?」
「ええ?」
そういうことか。枝川さんから気を遣われたのに、気づかなかった。そばに居る相田さんと連川さんの2人から顔を赤くされている。キスマークだと、自分から暴露してしまったからだ。
向こうでは、室長とチーフが首を傾げて、須賀部長と話している。何も取り繕わないで説明に行こう。ネクタイを締め直して席を立つと、相田さんから止められた。明るめのスーツ姿の男性が部屋へ入って来たからだ。
どういうタイミングだろうか?それは黒崎だった。その後ろから入って来たのが、聡太郎だった。何かあったねと微笑まれて、ホッとした。こっちへ来るから席を立つと、枝川さんに立ち塞がれた。
「黒崎君。ネクタイを締めてくれ!」
「ああ、曲がっているんですね。直します」
「向こうでやってくれーー」
「みっともないですね。すぐに……」
肩を押して反対方向へ促されて、ネクタイを外した。最初からやり直そうと整えていると、枝川さんの引きつった声が聞こえた。振り向くと、彼の前に黒崎が立っていた。微笑んでいるのに、枝川さんから背中に庇われた。ネクタイを締め直すだけなのに。
部長達のところに行きたい。慌てているから、手元が狂ってしまった。眼鏡を外してテーブルに置くと、黒崎から肩を引かれた。直してくれるのか。こんなところでは恥ずかしいから、顔が赤くなった。
「黒崎さん……、えーーっと。常務。ええ?どうしたんですか?」
「そのままで構わない。……枝川。黒崎君がネクタイを外している理由を教えろ」
「俺が外したんだ。……外しました。枝川さんからは外されていません」
「当たり前だ。こっちにおいで」
強引に向きを変えられて、顎を持ち上げられた。誤解をしているのか?先に理由を話した方が早いから、こっそり耳元で話した。その後、黒崎が笑い声を立てて、ネクタイを締め直してくれた。俺はあんたのせいだという言葉を飲み込み、眼鏡をかけ直した。
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
サラリーマン二人、酔いどれ同伴
風
BL
久しぶりの飲み会!
楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。
「……え、やった?」
「やりましたね」
「あれ、俺は受け?攻め?」
「受けでしたね」
絶望する佐万里!
しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ!
こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
【完結】お義父さんが、だいすきです
* ゆるゆ
BL
闇の髪に闇の瞳で、悪魔の子と生まれてすぐ捨てられた僕を拾ってくれたのは、月の精霊でした。
種族が違っても、僕は、おとうさんが、だいすきです。
ぜったいハッピーエンド保証な本編、おまけのお話、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
トェルとリィフェルの動画つくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのWebサイトから、どちらにも飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
没落令息はクラスメイトの執着に救われる
夕月ねむ
BL
突然父親の爵位がはく奪され、帰る屋敷も家名も失ったローレンス。貴族が集まる学院の寮からも放り出されるところだった彼を、クラスメイトのアルフレッドが引き留める。
「侯爵家の私であれば、従者をひとり授業に同席させることができる」と言って。
アルフレッドの従者となったローレンス。けれどその二年後、彼らの関係は再び大きく変わることとなった。
※FANBOXからの転載です。
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる