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こうしてじっくり話しながら歩くのは、初めてだと思う。深川さんからも、2人きりで話してみたかったと言って貰えた。初めて会ったのは、ここへお使いに来た3年前のことだ。
深川さんが大きな段ボールを抱えていたから、周りの人が代わりに持とうとした。それを断って俺達の前にたどり着き、段ボールを降ろした後、ほんわかした顔立ちの人と対面した。お義父さんのイメージが、また一つ変わった瞬間だった。それを話すと、深川さんも同じだよと笑った。
「君の印象にも驚いた。圭一君のパートナーだぞ?大人しい子のわけがない。会いに行くと、おっとりした子が立っていたから、腰を抜かしそうになった。今の家に引っ越す前だったな。リフォーム工事中の時に見に行ったが、すれ違いになった」
「大学受験で泊まりに来た時、いいなって思ったんです。懐かしい感じの家だし、空き家になっているなら住みたいなって、お義父さんに話したんです。頼めば住めると思いましたけど、怖い気持ちがあったから、しばらくは黙っていましたけど。親戚付き合いが……」
「そういうことか。隆さんが気にしていた。すぐに打ち解けてもらえるわけがないし、自分も接し方が分からないと戸惑っていた。可愛がり方が分からない。……家へ遊びに行った時、食事をスプーンで食べさせてくれたんだろう?ははは」
「……海老マヨを口に運んでくれました。黒崎さんが苦笑い状態でした。飲み込んだのを見て、もう一口を差し出す。看病されているみたいで。お義父さん、笑っていましたよ?悠人にも同じことをしたんです。うひゃひゃ。あの子が涙ぐんだから。お義父さんも泣いたんです……」
「実はね……。隆さんが悠人君のことを養子に迎えたいと話していた」
「ええ?いつ頃ですか?まさか……。森井物産の時ですか?」
「その通りだ。珍しく静かにしていただろう?遠藤家と早瀬家が養子にしたがね。黒崎家の息子にすれば、黒崎隆としての大きな圧力をかけられる。遠藤さん、早瀬家。何よりも、早瀬君に遠慮して黙っていた。君の方も黒崎家の力ばかりを頼りたくなかっただろう?」
「はい……。自分が地位を持てばいい。解決すると思い込んでいました。実家も黒崎家のことも。適材適所があるのが分かりました」
「さすがに驚かなかったね。一年前なら、悔し泣きをしただろう?」
「それに近いと思います。……お義父さんを嫌っていませんよ?」
「そうか?本当かー?……これなら驚くだろう」
「ドキドキします……」
「隆さんは初めて会う前から、君のことを気に入っていた。人嫌いにも程があると呆れたが、実際に会うと、優しい子だと分かった。拓海君に面影を重ねていたよ。乱闘しているところを見て驚いた。おしとやかにしていた子が、豹変したからだよ」
晴海さんとの喧嘩のことだろう。あの時、草履を脱ぎ捨てて、着物の裾をまくり上げた。怜さんから贈られた物なのに。それでもいいから、黒崎の誇りを守りたかった。中学時代の黒歴史があるから、俺のせいにすればいい。とても褒められた行動ではない。
「隆さんは体裁ばかりの自分とは大違いだと、恥ずかしくなっていた。僕も見ていたよ。さすがに驚いたか?ははは」
「深川さんも見ていたんですね。恥ずかしいです」
「いい子のふりは、やめておけ。下のロビーにいる時、気を張り過ぎていたぞ。僕にもタメ口をたたけ!」
「いててて……」
背中を叩かれて痛かったから、目頭が熱くなったことにした。誰の目から見ても無理をしたのかな?自分では気づかなかった。俺の方こそ、黒崎の真似をしていたのか?
深川さんが大きな段ボールを抱えていたから、周りの人が代わりに持とうとした。それを断って俺達の前にたどり着き、段ボールを降ろした後、ほんわかした顔立ちの人と対面した。お義父さんのイメージが、また一つ変わった瞬間だった。それを話すと、深川さんも同じだよと笑った。
「君の印象にも驚いた。圭一君のパートナーだぞ?大人しい子のわけがない。会いに行くと、おっとりした子が立っていたから、腰を抜かしそうになった。今の家に引っ越す前だったな。リフォーム工事中の時に見に行ったが、すれ違いになった」
「大学受験で泊まりに来た時、いいなって思ったんです。懐かしい感じの家だし、空き家になっているなら住みたいなって、お義父さんに話したんです。頼めば住めると思いましたけど、怖い気持ちがあったから、しばらくは黙っていましたけど。親戚付き合いが……」
「そういうことか。隆さんが気にしていた。すぐに打ち解けてもらえるわけがないし、自分も接し方が分からないと戸惑っていた。可愛がり方が分からない。……家へ遊びに行った時、食事をスプーンで食べさせてくれたんだろう?ははは」
「……海老マヨを口に運んでくれました。黒崎さんが苦笑い状態でした。飲み込んだのを見て、もう一口を差し出す。看病されているみたいで。お義父さん、笑っていましたよ?悠人にも同じことをしたんです。うひゃひゃ。あの子が涙ぐんだから。お義父さんも泣いたんです……」
「実はね……。隆さんが悠人君のことを養子に迎えたいと話していた」
「ええ?いつ頃ですか?まさか……。森井物産の時ですか?」
「その通りだ。珍しく静かにしていただろう?遠藤家と早瀬家が養子にしたがね。黒崎家の息子にすれば、黒崎隆としての大きな圧力をかけられる。遠藤さん、早瀬家。何よりも、早瀬君に遠慮して黙っていた。君の方も黒崎家の力ばかりを頼りたくなかっただろう?」
「はい……。自分が地位を持てばいい。解決すると思い込んでいました。実家も黒崎家のことも。適材適所があるのが分かりました」
「さすがに驚かなかったね。一年前なら、悔し泣きをしただろう?」
「それに近いと思います。……お義父さんを嫌っていませんよ?」
「そうか?本当かー?……これなら驚くだろう」
「ドキドキします……」
「隆さんは初めて会う前から、君のことを気に入っていた。人嫌いにも程があると呆れたが、実際に会うと、優しい子だと分かった。拓海君に面影を重ねていたよ。乱闘しているところを見て驚いた。おしとやかにしていた子が、豹変したからだよ」
晴海さんとの喧嘩のことだろう。あの時、草履を脱ぎ捨てて、着物の裾をまくり上げた。怜さんから贈られた物なのに。それでもいいから、黒崎の誇りを守りたかった。中学時代の黒歴史があるから、俺のせいにすればいい。とても褒められた行動ではない。
「隆さんは体裁ばかりの自分とは大違いだと、恥ずかしくなっていた。僕も見ていたよ。さすがに驚いたか?ははは」
「深川さんも見ていたんですね。恥ずかしいです」
「いい子のふりは、やめておけ。下のロビーにいる時、気を張り過ぎていたぞ。僕にもタメ口をたたけ!」
「いててて……」
背中を叩かれて痛かったから、目頭が熱くなったことにした。誰の目から見ても無理をしたのかな?自分では気づかなかった。俺の方こそ、黒崎の真似をしていたのか?
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