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12時半。
お昼ご飯はスープご飯にした。温まるものを食べさせたいし、自分もそうしたかった。鶏ささみと五穀米、香味野菜を入れたものを食べて、すっかり満腹になった。
黒崎には足りないから、ラタトゥイユの作り置きを出した。あっという間に完食したから、お腹が空いていたようだ。食欲が落ちるタイプではない。
リビングのソファーで休んでいる姿を見ると、病院へ行く前よりも良くなったと思う。さらに姿勢が良くなり、肩を回してため息をついている。なんて回復が早いのか。少なからず損をしている。もう元気になったかと見られるからだ。
「はーい。黒崎さん。ふじリンゴだよ。だらだらしてもらいたい。食べたかった?以心伝心だね~。少なめにしたよ。こっちはアンの分。おいでーー」
「……気持ちがいい。さっきの蓮根は美味かった」
「晩ご飯に、すり下ろしを飲ませるよ。明後日から出勤だろ?今のうちに……。こらー、こんなことをしている場合じゃないってば。熱っぽいよ?」
「夏樹、抱きたくなった」
「こらー、だめだってば。疲れて熱を出したんだよ?」
これでも理性を保っているようだ。Tシャツに手を入れて撫でたわりには、先に進もうとしない。抱き寄せた腕の力が強くて、冗談でやっているのが分かる。首筋へ吸いついたり軽く歯を立てたりして、反応を確かめられた。
そうはいかない。胸元を押して離れさせた後、両手首を腰の下に敷いた。これで動きを阻止できないだろう。鼻で笑うと、そのまま覆いかぶさってきたから、両手首が宙に浮いた。
「これでどうだ?縛ってやろうか?」
「ば、ばかやろう~。こういうタイミングで回復するなよ!」
「……おしとやかな夏樹君。脱がしても構わないか?暑いだろう?」
「ば、ばかやろう……。あんた、変な遊びをするなよ」
黒崎が丁寧な言葉使いを始めた。オフィスでの姿だ。昔の“黒崎社長”の姿でもある。
「……君が可愛らしいことをするからだ。リンゴをウサギの形にカットしてあるじゃないか」
「何となくだよ。お弁当のピックを喜ぶじゃん。気分が変わるだろ?」
「……僕と話すのは退屈になったのか?」
「わざとらしく紳士的な黒崎さんは、退散してください。ここはオフィスじゃありません!わあーー」
自由な両足で押しのけて隙間から抜け出せたのに、勢いがついてしまい、ラグの上に転がり落ちそうになった。背中が冷たくなった瞬間、黒崎の腕に抱きとめられた。片手で支えられたことが分かった。そして、そのまま力強く引き上げられた後、胸元にもたれ掛かった。
「あぶない。暴れるな」
「あ、ありがとう。やり過ぎたよ~。ええ?黒崎さん?」
「このまま寝てくれ。上に乗っておけ」
「マットレスにはできないよ。具合が悪いのに」
「……抱けない代わりだ」
耳元で低い声が響いた。熱っぽい目元で見つめられて、胸の鼓動が跳ねた。黒崎の肩越しに天井を仰いでいると、ソファーが軋む音がした。
抱き上げられて胸元の上に寝かされ、両腕で包み込まれた。上半身が揺れているから、笑っているのが丸わかりだ。今日の黒崎は子供に還っている。
お昼ご飯はスープご飯にした。温まるものを食べさせたいし、自分もそうしたかった。鶏ささみと五穀米、香味野菜を入れたものを食べて、すっかり満腹になった。
黒崎には足りないから、ラタトゥイユの作り置きを出した。あっという間に完食したから、お腹が空いていたようだ。食欲が落ちるタイプではない。
リビングのソファーで休んでいる姿を見ると、病院へ行く前よりも良くなったと思う。さらに姿勢が良くなり、肩を回してため息をついている。なんて回復が早いのか。少なからず損をしている。もう元気になったかと見られるからだ。
「はーい。黒崎さん。ふじリンゴだよ。だらだらしてもらいたい。食べたかった?以心伝心だね~。少なめにしたよ。こっちはアンの分。おいでーー」
「……気持ちがいい。さっきの蓮根は美味かった」
「晩ご飯に、すり下ろしを飲ませるよ。明後日から出勤だろ?今のうちに……。こらー、こんなことをしている場合じゃないってば。熱っぽいよ?」
「夏樹、抱きたくなった」
「こらー、だめだってば。疲れて熱を出したんだよ?」
これでも理性を保っているようだ。Tシャツに手を入れて撫でたわりには、先に進もうとしない。抱き寄せた腕の力が強くて、冗談でやっているのが分かる。首筋へ吸いついたり軽く歯を立てたりして、反応を確かめられた。
そうはいかない。胸元を押して離れさせた後、両手首を腰の下に敷いた。これで動きを阻止できないだろう。鼻で笑うと、そのまま覆いかぶさってきたから、両手首が宙に浮いた。
「これでどうだ?縛ってやろうか?」
「ば、ばかやろう~。こういうタイミングで回復するなよ!」
「……おしとやかな夏樹君。脱がしても構わないか?暑いだろう?」
「ば、ばかやろう……。あんた、変な遊びをするなよ」
黒崎が丁寧な言葉使いを始めた。オフィスでの姿だ。昔の“黒崎社長”の姿でもある。
「……君が可愛らしいことをするからだ。リンゴをウサギの形にカットしてあるじゃないか」
「何となくだよ。お弁当のピックを喜ぶじゃん。気分が変わるだろ?」
「……僕と話すのは退屈になったのか?」
「わざとらしく紳士的な黒崎さんは、退散してください。ここはオフィスじゃありません!わあーー」
自由な両足で押しのけて隙間から抜け出せたのに、勢いがついてしまい、ラグの上に転がり落ちそうになった。背中が冷たくなった瞬間、黒崎の腕に抱きとめられた。片手で支えられたことが分かった。そして、そのまま力強く引き上げられた後、胸元にもたれ掛かった。
「あぶない。暴れるな」
「あ、ありがとう。やり過ぎたよ~。ええ?黒崎さん?」
「このまま寝てくれ。上に乗っておけ」
「マットレスにはできないよ。具合が悪いのに」
「……抱けない代わりだ」
耳元で低い声が響いた。熱っぽい目元で見つめられて、胸の鼓動が跳ねた。黒崎の肩越しに天井を仰いでいると、ソファーが軋む音がした。
抱き上げられて胸元の上に寝かされ、両腕で包み込まれた。上半身が揺れているから、笑っているのが丸わかりだ。今日の黒崎は子供に還っている。
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