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さすがに外は涼しくなっている。夕暮れ空の下には、木々に囲まれた光景が広がっている。まるで噴水を覆い隠すかのような生え方だと思った。他の場所に比べると多いし、雰囲気が違うと思った。ここまでゆっくり、日暮れの庭を眺めるのは珍しい。
「そこの木の向こうを眺めてみろ」
「うん……。あ、噴水が見えたよ。葉っぱを整えたら眺めやすいから、そうしない?」
「手配してある。来月中に仕上がるように頼んだ。楽しみか?」
「もちろんだよ。……ここから隠す様にしていないかな?気のせい?」
「同じことを思った。写真を見て分かったが、大きな噴水があった。たしかに、子供が入りたくなりそうだった」
「へえー、そこまで広い設置跡じゃなかったのに。小さな噴水もあったのかもね」
「その噴水が、親父の家に置いていたやつだ」
「そうなんだね。何も言ってなかったからさ」
お義父さん家の奥には倉庫があり、昔ながらの物が保管されている。鳩時計、小さな本棚、椅子もある。気になっていた置物が噴水だと知り、取り付けたくなった。てっきり、ウサギのモニュメントのような物だと思っていた。
これも偶然の流れだろうか?昔の姿に戻りながらも、明るいものに変えていければいい。ここからの眺めのように。
「佳代子さん達が驚くぐらいだもん。よっぽど明るい庭になったんだね~。美味しそうな匂いが漂っているから?うへへ」
「それも大きい。焼き菓子の甘い匂いが漂っている。厚焼き玉子、筑前煮。門を入ればすぐに分かる」
「先月のスープカレー、面白かったね。悠人を呼んで食べていたら、二葉がショックを受けた夜だよ~」
「珍しく怒っていた。明日食べろと話しておいたが……」
「伝わっていなかったよ?あんたが言ったんだもん……」
我が家でスープカレーを作った夜のことだ。大学の試験期間だから、二葉の帰りが遅い日が続いていた。だから、その日は夕方から家に居たのを知らなかった。
そのタイミングで、黒崎が電話で用件を伝えた。ーー"お前は勉強しろ。あとで取りに来い”と。 ”明日持って行くから食べてね”。その優しいフレーズを省いて伝えたから、なんて兄貴なのかと二葉が怒っていた。
これで朝陽がいると面白そうなのに、遊びに来るのを嫌がっている。すると、黒崎から頬をつまんで引っ張られた。以心伝心なのか?と。
「朝陽のことか?ママと話した時に、俺の方からも話すかどうかを決める。疎外感を持たせたくない。一貴に鍛えてもらっているが」
「負けず嫌いだから、刺激を受けるんじゃないかな?あんたへの対抗意識なら、プロフェッショナルだよ。いたたた、つねるなよ。……一貴お兄ちゃんと気が合うんだよね?」
「そこまで考えて預けなかった。……ああ、晴海兄さんからだ」
「そろそろ入ろうよー」
晴海さんからの電話が入った。廊下へ入った後、アンが一目散にバスマットを咥えて走り出した。追いかけて来いという意味だ。
これではキリがない。さっと手を伸ばすと、尻尾を振って後ずさりをした。さらに棚の後ろに隠れた後、階段を降りて行った。バスマットを引きずりながら。
「アンー。遊ばないからね。晩ご飯の時間だし」
今夜は出前を取りたい。ちょうど電話が終わったところだから声をかけると、晴海さんからのカツサンドの差し入れもあることが分かった。お義父さんの家の花を交換するついでに寄るということだ。
よかったねと声を掛けると、黒崎が笑っていた。しかし、それは、アンがマットを引きずって持って来たからだった。本当は嬉しいくせに。
「そこの木の向こうを眺めてみろ」
「うん……。あ、噴水が見えたよ。葉っぱを整えたら眺めやすいから、そうしない?」
「手配してある。来月中に仕上がるように頼んだ。楽しみか?」
「もちろんだよ。……ここから隠す様にしていないかな?気のせい?」
「同じことを思った。写真を見て分かったが、大きな噴水があった。たしかに、子供が入りたくなりそうだった」
「へえー、そこまで広い設置跡じゃなかったのに。小さな噴水もあったのかもね」
「その噴水が、親父の家に置いていたやつだ」
「そうなんだね。何も言ってなかったからさ」
お義父さん家の奥には倉庫があり、昔ながらの物が保管されている。鳩時計、小さな本棚、椅子もある。気になっていた置物が噴水だと知り、取り付けたくなった。てっきり、ウサギのモニュメントのような物だと思っていた。
これも偶然の流れだろうか?昔の姿に戻りながらも、明るいものに変えていければいい。ここからの眺めのように。
「佳代子さん達が驚くぐらいだもん。よっぽど明るい庭になったんだね~。美味しそうな匂いが漂っているから?うへへ」
「それも大きい。焼き菓子の甘い匂いが漂っている。厚焼き玉子、筑前煮。門を入ればすぐに分かる」
「先月のスープカレー、面白かったね。悠人を呼んで食べていたら、二葉がショックを受けた夜だよ~」
「珍しく怒っていた。明日食べろと話しておいたが……」
「伝わっていなかったよ?あんたが言ったんだもん……」
我が家でスープカレーを作った夜のことだ。大学の試験期間だから、二葉の帰りが遅い日が続いていた。だから、その日は夕方から家に居たのを知らなかった。
そのタイミングで、黒崎が電話で用件を伝えた。ーー"お前は勉強しろ。あとで取りに来い”と。 ”明日持って行くから食べてね”。その優しいフレーズを省いて伝えたから、なんて兄貴なのかと二葉が怒っていた。
これで朝陽がいると面白そうなのに、遊びに来るのを嫌がっている。すると、黒崎から頬をつまんで引っ張られた。以心伝心なのか?と。
「朝陽のことか?ママと話した時に、俺の方からも話すかどうかを決める。疎外感を持たせたくない。一貴に鍛えてもらっているが」
「負けず嫌いだから、刺激を受けるんじゃないかな?あんたへの対抗意識なら、プロフェッショナルだよ。いたたた、つねるなよ。……一貴お兄ちゃんと気が合うんだよね?」
「そこまで考えて預けなかった。……ああ、晴海兄さんからだ」
「そろそろ入ろうよー」
晴海さんからの電話が入った。廊下へ入った後、アンが一目散にバスマットを咥えて走り出した。追いかけて来いという意味だ。
これではキリがない。さっと手を伸ばすと、尻尾を振って後ずさりをした。さらに棚の後ろに隠れた後、階段を降りて行った。バスマットを引きずりながら。
「アンー。遊ばないからね。晩ご飯の時間だし」
今夜は出前を取りたい。ちょうど電話が終わったところだから声をかけると、晴海さんからのカツサンドの差し入れもあることが分かった。お義父さんの家の花を交換するついでに寄るということだ。
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