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午前7時半。
これから大学に行く。黒崎の運転する車に乗って住宅街の坂を下りて行き、駅周辺までやって来た。信号待ちで停車して外を眺めると、メルティストアへ何人もが出入りしていた。休日でも朝早くから開いている。今度は何を買って帰ろうかと話した。そろそろ夏向けメニューが出る頃だ。
その中に、藤沢の姿を見つけて驚いた。乗り継ぎ駅ではないから、食事に来たのだろうか。もしかしたら、撮影だろうか?この辺りには、大きな公園や、観光スポットがある。ここから声を掛けられる距離ではない。黒崎が笑っているのは、どうしてだろう?
「珍しいね。悠人は公園で撮影したけど。どうして笑っているんだよ?」
「藤沢君の後ろを見てみろ。意外な人物がいる」
「えーーっと。ええ?ヒャーー。一貴お兄ちゃんだよね?」
今日のイベントに来てくれる話だった。この時間から一緒に居るのなら、ひとつの理由しか思いつかない。とうとう想いが通じたのかな?何も聞いていないが、わざわざ報告することでもないのか。自然と分かる。いいや、一貴さんの方から話をされるだろう。
「夏樹、驚きすぎだ」
「付き合い始めたのかな?って思ったよ~。撮影に付き添ったのかも。仕事の時なら、会いに来てもOKだから」
「そのようだ。撮影スタッフの車に乗っている。ああ、一貴も同乗するのか」
ワンボックスカーの後部座席に乗り込み、藤沢が苦笑している様子だ。信号が青に変わって走り出した時、スマホに着信が入った。その藤沢からだ。こっちに気づいたのかな?さっそく電話に出ると、普段通りの様子で安心した。
「もしもし、藤沢。おはよう~。こっちに気がついた?」
「うん。誤解されたなーって。この近くの店で撮影していたんだ。プラセルブランドの分だよ」
「へえー。……朝の4時からは早いね。お客さんが来る前になのか」
「フィネスっていう、カフェだよ。……島川社長、離れて下さい。夏樹と話しているんですよ?はいはい、大人しくなった」
「……黒崎さんからの伝言だよ。妙な兄貴がごめんね。こっちへ連れて来ようか?ってさ」
「このまま大学へ行くから構わないよ。イベントへ遊びに行く。……島川社長。向こうの車に乗りませんか?大人しくなった。じゃあ、大学で!」
「りょーかい!ふうーー」
藤沢が上手に手綱を引いているから、凄いと思う。今では気のいい兄貴に変わったと言っても、かなりの個性の持ち主だ。
藤沢がモデル活動のことで不安を抱えていた時、俺達は話を聞くしか出来なかった。お互いに頑張ろう、踏ん張ろうねと励まし合った。本気で嫌になったのではなく、真剣だからこその悩みだった。
その状況の中、一貴さんが、藤沢のことを岸へ引っ張り上げた。かっこいいと思っていたら、普段の姿に戻ってしまった。子供っぽい姿だ。
「今日は楽しみにしていたぞ。悠人君と、かき氷を食べたがっている」
「子供っぽくなっても、違和感がないよ。ごそって入れ替わらなくなったから」
「お前のミックスカジュアルのようだ」
「うへへ、そうだよね。けっこう好きになった?これからも家で着るよ。……嫌そうな顔をするなよ~っ」
虎の顔がプリントされたTシャツが馴染んでいる。浅草で買って来た唐草模様のバッグ、手ぬぐい。たまたま黒崎が選んだ定番ファッションで大学へ行った時、別人のようだと言い出す子までいた。俺もそう思った。
これから大学に行く。黒崎の運転する車に乗って住宅街の坂を下りて行き、駅周辺までやって来た。信号待ちで停車して外を眺めると、メルティストアへ何人もが出入りしていた。休日でも朝早くから開いている。今度は何を買って帰ろうかと話した。そろそろ夏向けメニューが出る頃だ。
その中に、藤沢の姿を見つけて驚いた。乗り継ぎ駅ではないから、食事に来たのだろうか。もしかしたら、撮影だろうか?この辺りには、大きな公園や、観光スポットがある。ここから声を掛けられる距離ではない。黒崎が笑っているのは、どうしてだろう?
「珍しいね。悠人は公園で撮影したけど。どうして笑っているんだよ?」
「藤沢君の後ろを見てみろ。意外な人物がいる」
「えーーっと。ええ?ヒャーー。一貴お兄ちゃんだよね?」
今日のイベントに来てくれる話だった。この時間から一緒に居るのなら、ひとつの理由しか思いつかない。とうとう想いが通じたのかな?何も聞いていないが、わざわざ報告することでもないのか。自然と分かる。いいや、一貴さんの方から話をされるだろう。
「夏樹、驚きすぎだ」
「付き合い始めたのかな?って思ったよ~。撮影に付き添ったのかも。仕事の時なら、会いに来てもOKだから」
「そのようだ。撮影スタッフの車に乗っている。ああ、一貴も同乗するのか」
ワンボックスカーの後部座席に乗り込み、藤沢が苦笑している様子だ。信号が青に変わって走り出した時、スマホに着信が入った。その藤沢からだ。こっちに気づいたのかな?さっそく電話に出ると、普段通りの様子で安心した。
「もしもし、藤沢。おはよう~。こっちに気がついた?」
「うん。誤解されたなーって。この近くの店で撮影していたんだ。プラセルブランドの分だよ」
「へえー。……朝の4時からは早いね。お客さんが来る前になのか」
「フィネスっていう、カフェだよ。……島川社長、離れて下さい。夏樹と話しているんですよ?はいはい、大人しくなった」
「……黒崎さんからの伝言だよ。妙な兄貴がごめんね。こっちへ連れて来ようか?ってさ」
「このまま大学へ行くから構わないよ。イベントへ遊びに行く。……島川社長。向こうの車に乗りませんか?大人しくなった。じゃあ、大学で!」
「りょーかい!ふうーー」
藤沢が上手に手綱を引いているから、凄いと思う。今では気のいい兄貴に変わったと言っても、かなりの個性の持ち主だ。
藤沢がモデル活動のことで不安を抱えていた時、俺達は話を聞くしか出来なかった。お互いに頑張ろう、踏ん張ろうねと励まし合った。本気で嫌になったのではなく、真剣だからこその悩みだった。
その状況の中、一貴さんが、藤沢のことを岸へ引っ張り上げた。かっこいいと思っていたら、普段の姿に戻ってしまった。子供っぽい姿だ。
「今日は楽しみにしていたぞ。悠人君と、かき氷を食べたがっている」
「子供っぽくなっても、違和感がないよ。ごそって入れ替わらなくなったから」
「お前のミックスカジュアルのようだ」
「うへへ、そうだよね。けっこう好きになった?これからも家で着るよ。……嫌そうな顔をするなよ~っ」
虎の顔がプリントされたTシャツが馴染んでいる。浅草で買って来た唐草模様のバッグ、手ぬぐい。たまたま黒崎が選んだ定番ファッションで大学へ行った時、別人のようだと言い出す子までいた。俺もそう思った。
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