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そろそろ大学へ到着する。後部座席へ振り返ると、黒崎が持って来た紙袋が気になった。差し入れだろうか?大きめの物が二つある。黒崎が気づいて笑い声を立てた。妙に意地悪そうだ。
「シャルロットキッチンの焼き菓子を差し入れする。黙っていたのは、お前が食べるからだ。ちゃんと用意してある。……書斎に置いている。帰ったら渡す」
「うっうっ。子ども扱いするなよ。あんたこそミックスしているね。紳士的な素敵な人だったり、ただのすけべじじいだったり」
「具体的に教えてくれ。自分じゃ分からない」
「例えばねー。朝起きた時、Tシャツの中に手を入れる。朝ごはんの支度をしてたら、さり気なく首筋へ噛みついたり、舐めたりする。どこでも腰を撫でる。手を繋がないのに。どういうことだよ?」
「……期待に応えたくなった」
大学の門が見えて来た後、車が進行方向を変えた。駐車場へ行くのかと思えば、奥の方の人目に付かない場所で停車した。どうしたのかと運転席を見た時、黒崎の手が伸びて来て、頭の後ろに添えられた。
ぼんやりしているうちに、不意打ちで唇へキスをされた。至近距離のまま、口元が笑みの形を取った後、耳元へ寄せられた。少し息がかかっただけなのに、肩が震えた。もちろん笑い声が聞こえて来た。
「夏樹、どんなものが続きを聞かせろ。このまま触るぞ」
「こら、やめろって。黒崎さん……、撫でるなよ~」
「昨夜の分だ。足りない」
「今晩、イチャつくよ。収録が終わったから。んん……」
軽く顎に触れていた指先が動き、唇をつままれた。引っ張らない代わりに、指先が口の中に入って来て、頬の内側を撫でられた。遊んでいるのが丸わかりだ。軽く噛みつこうとすると、笑いながら指を引っ込めた。
「黒崎さん……。こら……」
「じっとしていろ」
Tシャツの襟を広げられた後、唇が押し当てられて、軽い痛みが起きた。今日は動き回るのに、キスマークを付けられた。人が多いからこその独占欲なのか。それなら自分も同じことをしたい。しかし、ここではやりたくない。
「俺にも付けて構わないぞ?」
「出来ないよ。分かっているくせに。帰ったら我儘を聞いてもらうからね!」
「……ああ、存分に言え」
「……言わないよ」
それが目的の一つなのか。唇を尖らせて意思表示をして、運転席へ押し戻した。その間も尖らせたままにしてやったのは、機嫌を取らせないためだ。車が走り出しても続けてやった。
「そうか。怒らせてやろう」
「いつものことじゃん。ふん……。モニター?」
黒崎が肩を揺らして笑いながら、モニターを操作した。フォトフレームのように編集された俺の写真が表示されて、あのパーティーの、招待客側から観たものが出て来た。映像と静止画はイメージが違う。さらに、俺達がいた場所の画像もあった。かっこ悪い前に驚いた。
「黒崎さん。あんたねえ。……カメラが回っていたかな?久弥と原田さんが映っているのに。ああ、聡太郎君がスマホで撮っていたよ。思い出に残したんだね。これからもあるよ」
「機嫌が良くなったのか。難しい子だ」
「着くまで相手にしないよ~」
こうやって編集までやったのか。嬉しさと照れくささで顔がニヤけそうになり、後部座席を振り返って誤魔化した。
すると、もう一つの紙袋から、羽のようなものが出ているのが見えた。それは、俺に付けさせる羽だった。一貴さんが撮影現場から持ち帰ってくれたという。天使や蝶々の羽だそうだ。これを付ければいい。どこにいても目立つから、参加者にとってもいいだろう。そう言って笑っている黒崎の肩を小突いてやった。
「シャルロットキッチンの焼き菓子を差し入れする。黙っていたのは、お前が食べるからだ。ちゃんと用意してある。……書斎に置いている。帰ったら渡す」
「うっうっ。子ども扱いするなよ。あんたこそミックスしているね。紳士的な素敵な人だったり、ただのすけべじじいだったり」
「具体的に教えてくれ。自分じゃ分からない」
「例えばねー。朝起きた時、Tシャツの中に手を入れる。朝ごはんの支度をしてたら、さり気なく首筋へ噛みついたり、舐めたりする。どこでも腰を撫でる。手を繋がないのに。どういうことだよ?」
「……期待に応えたくなった」
大学の門が見えて来た後、車が進行方向を変えた。駐車場へ行くのかと思えば、奥の方の人目に付かない場所で停車した。どうしたのかと運転席を見た時、黒崎の手が伸びて来て、頭の後ろに添えられた。
ぼんやりしているうちに、不意打ちで唇へキスをされた。至近距離のまま、口元が笑みの形を取った後、耳元へ寄せられた。少し息がかかっただけなのに、肩が震えた。もちろん笑い声が聞こえて来た。
「夏樹、どんなものが続きを聞かせろ。このまま触るぞ」
「こら、やめろって。黒崎さん……、撫でるなよ~」
「昨夜の分だ。足りない」
「今晩、イチャつくよ。収録が終わったから。んん……」
軽く顎に触れていた指先が動き、唇をつままれた。引っ張らない代わりに、指先が口の中に入って来て、頬の内側を撫でられた。遊んでいるのが丸わかりだ。軽く噛みつこうとすると、笑いながら指を引っ込めた。
「黒崎さん……。こら……」
「じっとしていろ」
Tシャツの襟を広げられた後、唇が押し当てられて、軽い痛みが起きた。今日は動き回るのに、キスマークを付けられた。人が多いからこその独占欲なのか。それなら自分も同じことをしたい。しかし、ここではやりたくない。
「俺にも付けて構わないぞ?」
「出来ないよ。分かっているくせに。帰ったら我儘を聞いてもらうからね!」
「……ああ、存分に言え」
「……言わないよ」
それが目的の一つなのか。唇を尖らせて意思表示をして、運転席へ押し戻した。その間も尖らせたままにしてやったのは、機嫌を取らせないためだ。車が走り出しても続けてやった。
「そうか。怒らせてやろう」
「いつものことじゃん。ふん……。モニター?」
黒崎が肩を揺らして笑いながら、モニターを操作した。フォトフレームのように編集された俺の写真が表示されて、あのパーティーの、招待客側から観たものが出て来た。映像と静止画はイメージが違う。さらに、俺達がいた場所の画像もあった。かっこ悪い前に驚いた。
「黒崎さん。あんたねえ。……カメラが回っていたかな?久弥と原田さんが映っているのに。ああ、聡太郎君がスマホで撮っていたよ。思い出に残したんだね。これからもあるよ」
「機嫌が良くなったのか。難しい子だ」
「着くまで相手にしないよ~」
こうやって編集までやったのか。嬉しさと照れくささで顔がニヤけそうになり、後部座席を振り返って誤魔化した。
すると、もう一つの紙袋から、羽のようなものが出ているのが見えた。それは、俺に付けさせる羽だった。一貴さんが撮影現場から持ち帰ってくれたという。天使や蝶々の羽だそうだ。これを付ければいい。どこにいても目立つから、参加者にとってもいいだろう。そう言って笑っている黒崎の肩を小突いてやった。
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