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まるで一つのバンドのようだ。プロデューサー達が大きな河にある小石や岩の部分を確認し、それも利用した流れに乗せている。そうやって船に乗っているイメージを持っていたが、今回は騎馬戦のように、みんながステージを持ち上げている。
「……久弥さんから手を振られたぞ」
「……どこどこ。ひさやーー」
「……持ちこたえているか?よーーし、戻っておけ!……佐伯です。ローザーさんの待機をお願いします!悠人のトゲトゲの調整、ワクさんはステージだよ。10分後にそっちへ向かいます!」
(メンバーの能力をかき集めているんだ。ああ、切り替えた。すごいなあ……)
久弥が本部へ連絡している。そして、今はゆったりとした雰囲気で、飯野さんや音楽記者さんと話し始めた。今夜のアピールポイントを強調している。ここの爆音でかき消されても、会話が聞こえて来た。
控え室フロアへの両扉は全開になっていて、通路を行き交うスタッフが落ち着いている。予定通りに進んでいるからだ。興奮状態で黒崎へ振り返った。ずっと背中に手を添えられている。
「カッコいいよーー。全体を回しているよ」
「そうか。裏方は悪くないだろう?どうだ?」
「将来的に?」
「ああ、そうだ」
「良いと思った。マジで取らないでね?」
「……分かっている。まとめ役になる人間が必要だ。控え室に戻るぞ」
「うん。モニター画面から応援するよ。わーー、悠人が手を振っているよ!ピックを投げるんだね。すごいなあ。取り合いになっているよ。よかった……」
祭典は盛り上がっている。廊下のモニター画面を見ると、両手を振り上げた観客席が映し出された。こんなに素敵な光景を見られるなんて、元気になって良かった。そこへ、大和がそばへ来て、ありがとうとお礼を言われた。こちらこそだ。
聡太郎が飯野さん達へ声をかけて、俺達の方へ振り向いた。肩を叩き合って挨拶をかわし、周りに声をかけながら会場を出た。
そして、スタッフオンリーという、即席の大きな看板が出ている場所へ行った。ここはパーティションで区切られて、控え室への目隠しになっている。裏舞台のオフスペースにする目的がある。こんなに近くにあったのかと、軽く驚いた。今までのコンサートにも用意されていた。俺は見る余裕がなくて、けっこう遠くに感じていた。
「黒崎さん。あのね……」
「そうか、楽しいのか。控え室で待っている子がいるぞ?ゆっくり話をしてやれ」
「うん。あのね……。佳代子さんへっ」
「ああ、佳代子さんにも観てもらいたい。急ごうか」
「あのさ、見せ場が……、あの時に!」
「そうだったな。いいところに入っていた。見逃したか」
「ううん。これから……」
「ああ、モニターから応援しよう」
高揚した気持ちに遮られて言葉が出て来ない。こんなに短いフレーズを出したのに、全部理解された。黒崎の方は落ち着いたままであり、悠人の晴れ晴れとした姿に感動している様子だ。彼の背中を押して、パーティションの向こうへ促した。
「夏樹、分かっている。俺もオフになった」
「うん。ふうー、ふー。小さな子がいるからね、落ち着くよ」
興奮した状態で戻らない方がいい。藍生ちゃんが驚くだろう。今日は普段とは違う場所にいるから安心させたい。軽く深呼吸をしながら、控え室のドアをノックした。
コンコン。
静かな音が立った。ドアを開けると、佳代子さんが笑いながら迎えてくれた。歌ってくれるお兄さんを待ち焦がれていたのよと言った。藍生ちゃんは奥のソファーで寝ていた。
そこへ、モニター画面から顔を上げたスーツ姿の男性から、さっと手を振られた。一貴さんだった。今日は仕事として来ている。
黒崎が真面目な顔になり、 ”藍生ちゃんが怖がっただろう?”と聞いたことで、ここにいる人達からの笑いが起きてしまった。一貴さんは否定していた。
「……久弥さんから手を振られたぞ」
「……どこどこ。ひさやーー」
「……持ちこたえているか?よーーし、戻っておけ!……佐伯です。ローザーさんの待機をお願いします!悠人のトゲトゲの調整、ワクさんはステージだよ。10分後にそっちへ向かいます!」
(メンバーの能力をかき集めているんだ。ああ、切り替えた。すごいなあ……)
久弥が本部へ連絡している。そして、今はゆったりとした雰囲気で、飯野さんや音楽記者さんと話し始めた。今夜のアピールポイントを強調している。ここの爆音でかき消されても、会話が聞こえて来た。
控え室フロアへの両扉は全開になっていて、通路を行き交うスタッフが落ち着いている。予定通りに進んでいるからだ。興奮状態で黒崎へ振り返った。ずっと背中に手を添えられている。
「カッコいいよーー。全体を回しているよ」
「そうか。裏方は悪くないだろう?どうだ?」
「将来的に?」
「ああ、そうだ」
「良いと思った。マジで取らないでね?」
「……分かっている。まとめ役になる人間が必要だ。控え室に戻るぞ」
「うん。モニター画面から応援するよ。わーー、悠人が手を振っているよ!ピックを投げるんだね。すごいなあ。取り合いになっているよ。よかった……」
祭典は盛り上がっている。廊下のモニター画面を見ると、両手を振り上げた観客席が映し出された。こんなに素敵な光景を見られるなんて、元気になって良かった。そこへ、大和がそばへ来て、ありがとうとお礼を言われた。こちらこそだ。
聡太郎が飯野さん達へ声をかけて、俺達の方へ振り向いた。肩を叩き合って挨拶をかわし、周りに声をかけながら会場を出た。
そして、スタッフオンリーという、即席の大きな看板が出ている場所へ行った。ここはパーティションで区切られて、控え室への目隠しになっている。裏舞台のオフスペースにする目的がある。こんなに近くにあったのかと、軽く驚いた。今までのコンサートにも用意されていた。俺は見る余裕がなくて、けっこう遠くに感じていた。
「黒崎さん。あのね……」
「そうか、楽しいのか。控え室で待っている子がいるぞ?ゆっくり話をしてやれ」
「うん。あのね……。佳代子さんへっ」
「ああ、佳代子さんにも観てもらいたい。急ごうか」
「あのさ、見せ場が……、あの時に!」
「そうだったな。いいところに入っていた。見逃したか」
「ううん。これから……」
「ああ、モニターから応援しよう」
高揚した気持ちに遮られて言葉が出て来ない。こんなに短いフレーズを出したのに、全部理解された。黒崎の方は落ち着いたままであり、悠人の晴れ晴れとした姿に感動している様子だ。彼の背中を押して、パーティションの向こうへ促した。
「夏樹、分かっている。俺もオフになった」
「うん。ふうー、ふー。小さな子がいるからね、落ち着くよ」
興奮した状態で戻らない方がいい。藍生ちゃんが驚くだろう。今日は普段とは違う場所にいるから安心させたい。軽く深呼吸をしながら、控え室のドアをノックした。
コンコン。
静かな音が立った。ドアを開けると、佳代子さんが笑いながら迎えてくれた。歌ってくれるお兄さんを待ち焦がれていたのよと言った。藍生ちゃんは奥のソファーで寝ていた。
そこへ、モニター画面から顔を上げたスーツ姿の男性から、さっと手を振られた。一貴さんだった。今日は仕事として来ている。
黒崎が真面目な顔になり、 ”藍生ちゃんが怖がっただろう?”と聞いたことで、ここにいる人達からの笑いが起きてしまった。一貴さんは否定していた。
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