376 / 514
24-2
しおりを挟む
何か言われるだろうか。ここで目をそらすと、いかにも見惚れていましたと言っているようなものだ。冷涼マットが気持ちいいという口実で寝転がり、反対方向を向いた。笑われてもかまわない。
ギシ……。
背後の気配が動いて、背中全体が温かくなった。首筋へ息がかかり、キスをされているのが分かった。さらにパジャマの中に手がもぐり込んできて、わき腹と胸元、鎖骨へと撫でられた。その間も耳元で息をされて、身体がぞくっと震えた。
今日は二葉を空港へ見送りに行くから、だるい感じになりたくない。イチャついた後の気だるさが長く続くからだ。動きづらくないのに。
「あのさ、本当にマズいから。恥ずかしいから」
「普通にしているじゃないか。終わった後はダルそうにしているが」
「長く続くんだよ~、ああー、もう。変なことを言わすなよ」
人のせいにした自覚はある。今更こういう話題を出す自分が不思議だ。黒崎のことをオヤジだと言い続けているのに。上半身裸で門の外へ出るし、下着だけで家の中をうろつくことも珍しくない。そして、今は別の意味で狼狽えている。
(黒崎さんは知っているんじゃないかな?どんな理由か答えを……。何か変えたのかな?触り方とか、色気を出しているとか……)
「あんたに狼狽えているよ。今だよ……」
「俺には分からない。お前の心の中のことだ」
「すぐに見抜くのに?嘘をつけないし。笑っているじゃん~。ああ……」
「引っかかたな。やっとこっちを向いてくれた」
自分の方から黒崎を見上げている。簡単に手を握られて、逃げる動きを止められた。手首に唇を押し当てて軽く歯を立てて吸い付かれた。それが二の腕まで上がっていく。
舐めるなら、アイスクリームにしてもらいたい。ムードを台無しにできるだろう。これも俺らしくない気がする。うっとりするような触れ合いを望んでいるのに。どうしてだろう。
「アイスクリームを舐めてよ……っ」
「ムードを壊しているのか?無駄だ。ますます燃え上がる」
「変態だねー、どういう心境の変化……、変なことを……」
「恥ずかしがらせたい。優しいだけでいいのか?」
「うん、激しいのは嫌だよ。しないけど……」
「そういうことはしない。嫌がることもしない。したくない」
「もう……。意地悪をしたいだけって?」
おいで。少しかすれた低い声が響いた。まだ完全に目が覚めていないようだ。もう一度、黒崎の胸の上に寝かされた。腰回りを撫でていた手が止まり、すまないと謝られた。
(大切にされているなあ。俺もだよ……)
「まだ起きなくて構わないだろう?空港へ行く途中で、朝食を取ってもいい」
「どこで食べる?二葉が一貴さんの車で行くからさ。先に誘っておこうよ」
「……二人で行きたい。やっと休める」
「黒崎さーん。可愛いなあ。うへへ」
「あの二人は騒がしい。朝から聞きたくない」
「あんたねえ。俺の胸キュンを返せよ。んん……」
「こういう返し方はどうだ?……逃げるな」
「黒崎さん……」
なんて甘い眼差しだろう。静かに髪の毛をかき上げて、左側の額をペロッと舐められた。くすぐったい。これ以上寝転がっていると、本気になりそうだ。
「……うまく逃げたな」
「頬っぺたにチュッて。それだけだよ?あ、明るくなってきたよ」
窓の外から朝の光が差し込んできて、さーっと室内が明るくなった。おはようと挨拶し合って、一緒に寝室から出た。
ギシ……。
背後の気配が動いて、背中全体が温かくなった。首筋へ息がかかり、キスをされているのが分かった。さらにパジャマの中に手がもぐり込んできて、わき腹と胸元、鎖骨へと撫でられた。その間も耳元で息をされて、身体がぞくっと震えた。
今日は二葉を空港へ見送りに行くから、だるい感じになりたくない。イチャついた後の気だるさが長く続くからだ。動きづらくないのに。
「あのさ、本当にマズいから。恥ずかしいから」
「普通にしているじゃないか。終わった後はダルそうにしているが」
「長く続くんだよ~、ああー、もう。変なことを言わすなよ」
人のせいにした自覚はある。今更こういう話題を出す自分が不思議だ。黒崎のことをオヤジだと言い続けているのに。上半身裸で門の外へ出るし、下着だけで家の中をうろつくことも珍しくない。そして、今は別の意味で狼狽えている。
(黒崎さんは知っているんじゃないかな?どんな理由か答えを……。何か変えたのかな?触り方とか、色気を出しているとか……)
「あんたに狼狽えているよ。今だよ……」
「俺には分からない。お前の心の中のことだ」
「すぐに見抜くのに?嘘をつけないし。笑っているじゃん~。ああ……」
「引っかかたな。やっとこっちを向いてくれた」
自分の方から黒崎を見上げている。簡単に手を握られて、逃げる動きを止められた。手首に唇を押し当てて軽く歯を立てて吸い付かれた。それが二の腕まで上がっていく。
舐めるなら、アイスクリームにしてもらいたい。ムードを台無しにできるだろう。これも俺らしくない気がする。うっとりするような触れ合いを望んでいるのに。どうしてだろう。
「アイスクリームを舐めてよ……っ」
「ムードを壊しているのか?無駄だ。ますます燃え上がる」
「変態だねー、どういう心境の変化……、変なことを……」
「恥ずかしがらせたい。優しいだけでいいのか?」
「うん、激しいのは嫌だよ。しないけど……」
「そういうことはしない。嫌がることもしない。したくない」
「もう……。意地悪をしたいだけって?」
おいで。少しかすれた低い声が響いた。まだ完全に目が覚めていないようだ。もう一度、黒崎の胸の上に寝かされた。腰回りを撫でていた手が止まり、すまないと謝られた。
(大切にされているなあ。俺もだよ……)
「まだ起きなくて構わないだろう?空港へ行く途中で、朝食を取ってもいい」
「どこで食べる?二葉が一貴さんの車で行くからさ。先に誘っておこうよ」
「……二人で行きたい。やっと休める」
「黒崎さーん。可愛いなあ。うへへ」
「あの二人は騒がしい。朝から聞きたくない」
「あんたねえ。俺の胸キュンを返せよ。んん……」
「こういう返し方はどうだ?……逃げるな」
「黒崎さん……」
なんて甘い眼差しだろう。静かに髪の毛をかき上げて、左側の額をペロッと舐められた。くすぐったい。これ以上寝転がっていると、本気になりそうだ。
「……うまく逃げたな」
「頬っぺたにチュッて。それだけだよ?あ、明るくなってきたよ」
窓の外から朝の光が差し込んできて、さーっと室内が明るくなった。おはようと挨拶し合って、一緒に寝室から出た。
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
サラリーマン二人、酔いどれ同伴
風
BL
久しぶりの飲み会!
楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。
「……え、やった?」
「やりましたね」
「あれ、俺は受け?攻め?」
「受けでしたね」
絶望する佐万里!
しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ!
こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。
【完結】お義父さんが、だいすきです
* ゆるゆ
BL
闇の髪に闇の瞳で、悪魔の子と生まれてすぐ捨てられた僕を拾ってくれたのは、月の精霊でした。
種族が違っても、僕は、おとうさんが、だいすきです。
ぜったいハッピーエンド保証な本編、おまけのお話、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
トェルとリィフェルの動画つくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのWebサイトから、どちらにも飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
没落令息はクラスメイトの執着に救われる
夕月ねむ
BL
突然父親の爵位がはく奪され、帰る屋敷も家名も失ったローレンス。貴族が集まる学院の寮からも放り出されるところだった彼を、クラスメイトのアルフレッドが引き留める。
「侯爵家の私であれば、従者をひとり授業に同席させることができる」と言って。
アルフレッドの従者となったローレンス。けれどその二年後、彼らの関係は再び大きく変わることとなった。
※FANBOXからの転載です。
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる