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25-7(夏樹視点)
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ダダダーー、ガーーー!
メンバーの収録へ入りますーー。
リハーサルが続いている。アルバムに収録する特典映像も同時に録っているから、2曲続けて演奏した。EDENと上弦の月の天使だ。先週のレッスンよりも声の伸びがいい。こういう広さのある場所だと違いが分かる。
演奏中はステージまわりが静まり返る。2曲目へ入る合間になると、一気に人が動き出す。自分達は数分間の休憩だ。この時に気持ちの切り替えをする。
上部に設置されたカメラが移動し、自分達を頭の上から撮影し始めた。俺達の近くには仙頭カメラマンが待機して、大型カメラを抱えている。前方にある観客席には遠藤さんが立ち、ステージ監督からの説明を聞いているところだ。そして、2曲目へ入って順調に終えた。
ーーオッケーです!
監督の声がイヤモニ越しに聞こえた。スタンドマイクを定位置に戻して、後ろに置いてあるタオルを取った。まだ乾くはずがない。濡れたままでも気にせずに首筋を拭いた。昔の自分が見たら、びっくりするに決まっている。すると、悠人が悲鳴をあげた。
「うえーー、くっさい!やまとーー、ニンニク入りのラーメンを食べただろ?」
「俺のタオルを使って文句を言うなよ。……あれー。それはTシャツだもん。臭いはずだよ」
「ひいいいっ。俺のタオルはー?……なつきー。君の分で拭くよ」
「……俺の分も臭うよ?」
「君は大丈夫だよ。……今日は花の匂いがするよ?」
「それは久弥のタオルだよ。似ている色だからね。俺にも嗅がせてよ~。どれどれ?……そうかな?」
久弥のタオルに鼻先を寄せてみた。普通に汗の匂いしかしない。花の匂いとは何だろう?悠人がもう一度嗅いでいるから、やっぱりいい匂いなのだろう。これで理由が分かった。
「ゆうとー。相性がいい人の匂いは、汗臭く感じないんだよ?神仙教授が授業で言っていたじゃん」
「ふむふむ。信用したくないけど、真実を受け止めるよ。無理やりに考え方を変えているんだー」
「……久弥さんの撮りが始まったぞ。お疲れ様でーす!」
「……スルーするなよーー」
向こうから久弥が手を振ってきた。ソロ演奏分の撮影が始まっている。仙頭カメラマンが張り付き、ローザーさんのアシスタントが髪の毛を直している。こんなに慌ただしい現場にいても、目を回すことなく、ちゃんと前を向いていられる。心と体が安定してこその話だ。
久弥のエスニックスタイルが健在で安心できた。ほんの些細なことが影響するなんて。久しぶりに表立った場所に出るから、やっぱりナーバスになっているだろうか?
ステージサイドには正木プロデューサーが立ち、楽器機材担当へ指示を出していた。ギタリスト祭典も担当した人だ。高宮さんをトップにして、久弥とコンビを組んでいた。
正木和久《まさきわく》さんという。久弥が”ワクさん”と呼んでいたとき、人の名前だと思わなかった。ちょうど撮影コーナーにいたから、”撮影枠”のことだと勘違いした。悠人と大和も同じだった。
(仲がいいんだなあ。久々コンビの再来だな……)
今回のイベントでは、名字で呼び合わない人が多い。初めての経験だ。なるべく顔と名前を一致させているが、とっさの場面であたふたする時がある。これをネガティブには取らない。こういうことに気づく、心の余裕ができたのだと受け止めた。イメージトレーニングとしても。
メンバーの収録へ入りますーー。
リハーサルが続いている。アルバムに収録する特典映像も同時に録っているから、2曲続けて演奏した。EDENと上弦の月の天使だ。先週のレッスンよりも声の伸びがいい。こういう広さのある場所だと違いが分かる。
演奏中はステージまわりが静まり返る。2曲目へ入る合間になると、一気に人が動き出す。自分達は数分間の休憩だ。この時に気持ちの切り替えをする。
上部に設置されたカメラが移動し、自分達を頭の上から撮影し始めた。俺達の近くには仙頭カメラマンが待機して、大型カメラを抱えている。前方にある観客席には遠藤さんが立ち、ステージ監督からの説明を聞いているところだ。そして、2曲目へ入って順調に終えた。
ーーオッケーです!
監督の声がイヤモニ越しに聞こえた。スタンドマイクを定位置に戻して、後ろに置いてあるタオルを取った。まだ乾くはずがない。濡れたままでも気にせずに首筋を拭いた。昔の自分が見たら、びっくりするに決まっている。すると、悠人が悲鳴をあげた。
「うえーー、くっさい!やまとーー、ニンニク入りのラーメンを食べただろ?」
「俺のタオルを使って文句を言うなよ。……あれー。それはTシャツだもん。臭いはずだよ」
「ひいいいっ。俺のタオルはー?……なつきー。君の分で拭くよ」
「……俺の分も臭うよ?」
「君は大丈夫だよ。……今日は花の匂いがするよ?」
「それは久弥のタオルだよ。似ている色だからね。俺にも嗅がせてよ~。どれどれ?……そうかな?」
久弥のタオルに鼻先を寄せてみた。普通に汗の匂いしかしない。花の匂いとは何だろう?悠人がもう一度嗅いでいるから、やっぱりいい匂いなのだろう。これで理由が分かった。
「ゆうとー。相性がいい人の匂いは、汗臭く感じないんだよ?神仙教授が授業で言っていたじゃん」
「ふむふむ。信用したくないけど、真実を受け止めるよ。無理やりに考え方を変えているんだー」
「……久弥さんの撮りが始まったぞ。お疲れ様でーす!」
「……スルーするなよーー」
向こうから久弥が手を振ってきた。ソロ演奏分の撮影が始まっている。仙頭カメラマンが張り付き、ローザーさんのアシスタントが髪の毛を直している。こんなに慌ただしい現場にいても、目を回すことなく、ちゃんと前を向いていられる。心と体が安定してこその話だ。
久弥のエスニックスタイルが健在で安心できた。ほんの些細なことが影響するなんて。久しぶりに表立った場所に出るから、やっぱりナーバスになっているだろうか?
ステージサイドには正木プロデューサーが立ち、楽器機材担当へ指示を出していた。ギタリスト祭典も担当した人だ。高宮さんをトップにして、久弥とコンビを組んでいた。
正木和久《まさきわく》さんという。久弥が”ワクさん”と呼んでいたとき、人の名前だと思わなかった。ちょうど撮影コーナーにいたから、”撮影枠”のことだと勘違いした。悠人と大和も同じだった。
(仲がいいんだなあ。久々コンビの再来だな……)
今回のイベントでは、名字で呼び合わない人が多い。初めての経験だ。なるべく顔と名前を一致させているが、とっさの場面であたふたする時がある。これをネガティブには取らない。こういうことに気づく、心の余裕ができたのだと受け止めた。イメージトレーニングとしても。
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