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しみじみと感動している間に、二手に分かれたカメラマンが、待機している出演者の顔を映し始めた。ステージサイド上部の大型モニターに映し出される仕組みだ。
ステージと同時進行で今夜の顔ぶれが登場して、新しい歓声が起こった。その後でカメラマンが移動してきて、羽音さんとのツーショットを映した。打ち合わせした通りのことをやる。
「夏樹君!会釈するよーー」
「はい!」
「……お二人とも、いきますよーー」
「はーーい。こんばんはー」
「こんばんはーー」
丁寧に会釈した後、カメラに向かって両手を振った。すぐにモニターに出たようで、女性たちの悲鳴が聞こえてきた。ここまで届くのは、一度に重なったからだ。抱いてーー!という声までしている。カメラマンから映され続けているが、さすがに驚きの声をあげた。
「わあーー。すごいなあ……」
「夏樹君。君への声援だよ。……ああ、虎鉄君。なになに?抱いてと言っていたのか?あははは!」
リミテッドの虎鉄さんが、羽音さんに声をかけた。スピーカーモニターのそばに居たから、はっきり聞き取れたそうだ。羽音さんの分もありますよと笑った。そして、虎鉄さんが、出番がきたからと走って行った。ポップなTシャツ姿を見送りながら、羽音さんがお礼を言った。俺のフォローをありがとうと。
「ほらね?悲鳴が引いただろう。今日の衣装だけが理由じゃないと思うよ。抱いてコールは、男性からだったぞー?」
「えええー?じょ、女性じゃないの?男からって。どうして?羽音さんでしょう?」
「あははー。女の人もいるよ。念願叶ったね。ナツキー!って呼ばれている」
「は……はい!ほんとだ……」
「さあ、出るよ。スローテンポで行こう」
また新しい歓声が起こった。ドラムが次のリズムを刻み始めて、スローテンポに変わった。ステージで歌っているボーカルとハモりながら、羽音さんがステージに出た。その後に続いて出ていった瞬間、さっきの話が本当だと分かった。間違いなく俺の方を見て、キャーと悲鳴をあげてくれた人達がいた。
ナツキーー!キャーー!
アニキーー!
抱いてくれー!
今度は抱いてくれという歓声が上がった。男性たちの声だ。こういうケースも初めてだ。狼狽えるわけにはいかない。R&Bの歌唱法を使いつつ、出演者のコーラスに溶け込むように歌声をのせて、リズムに身体を揺らした。
ギターを弾いている久弥からのガッツポーズを受けた。悠人が意気込んだ笑顔で頷いた後、俺のそばへ移動してきた。ドラムが新しいリズムが刻み始めて、オープニングフィナーレを飾り始めた。
サイドへ寄っていきながら羽音さんとハモっていると、悠人が観客席を見て、あんぐりと口を開けた。ちょうど俺が歌い終わったところだ。
「どうしたの?」
「なつきー。カメラマンの方を見ていろよーー。ひいいいい……。商売繁盛!」
「さっきは……。ええ?」
どうしても気になって視線の先を見た時、胸の鼓動が跳ね上がった。真ん中にいる観客がTシャツらしきものを脱ぎ捨てて、ステージに放り投げたからだ。近くの男性グループも真似をして、いくつもの服が飛び交っている。アニキー!と声を上げながら。それを警備スタッフが止めに入る様子が大型モニターに映し出されて、観客席から笑いが起こった。
今から久弥がオープニングステージの仕上げをする。それを察知した観客からの、ヒサヤコールが巻き起こり、派手なギターフレーズが鳴り響いた。
ヒサヤーー!
その後の爆発的な歓声とともに、今夜のイベントが幕を開いた。なんて和気あいあいとしたイベントだろう。久弥の笑顔が花を咲かせていた。
ステージと同時進行で今夜の顔ぶれが登場して、新しい歓声が起こった。その後でカメラマンが移動してきて、羽音さんとのツーショットを映した。打ち合わせした通りのことをやる。
「夏樹君!会釈するよーー」
「はい!」
「……お二人とも、いきますよーー」
「はーーい。こんばんはー」
「こんばんはーー」
丁寧に会釈した後、カメラに向かって両手を振った。すぐにモニターに出たようで、女性たちの悲鳴が聞こえてきた。ここまで届くのは、一度に重なったからだ。抱いてーー!という声までしている。カメラマンから映され続けているが、さすがに驚きの声をあげた。
「わあーー。すごいなあ……」
「夏樹君。君への声援だよ。……ああ、虎鉄君。なになに?抱いてと言っていたのか?あははは!」
リミテッドの虎鉄さんが、羽音さんに声をかけた。スピーカーモニターのそばに居たから、はっきり聞き取れたそうだ。羽音さんの分もありますよと笑った。そして、虎鉄さんが、出番がきたからと走って行った。ポップなTシャツ姿を見送りながら、羽音さんがお礼を言った。俺のフォローをありがとうと。
「ほらね?悲鳴が引いただろう。今日の衣装だけが理由じゃないと思うよ。抱いてコールは、男性からだったぞー?」
「えええー?じょ、女性じゃないの?男からって。どうして?羽音さんでしょう?」
「あははー。女の人もいるよ。念願叶ったね。ナツキー!って呼ばれている」
「は……はい!ほんとだ……」
「さあ、出るよ。スローテンポで行こう」
また新しい歓声が起こった。ドラムが次のリズムを刻み始めて、スローテンポに変わった。ステージで歌っているボーカルとハモりながら、羽音さんがステージに出た。その後に続いて出ていった瞬間、さっきの話が本当だと分かった。間違いなく俺の方を見て、キャーと悲鳴をあげてくれた人達がいた。
ナツキーー!キャーー!
アニキーー!
抱いてくれー!
今度は抱いてくれという歓声が上がった。男性たちの声だ。こういうケースも初めてだ。狼狽えるわけにはいかない。R&Bの歌唱法を使いつつ、出演者のコーラスに溶け込むように歌声をのせて、リズムに身体を揺らした。
ギターを弾いている久弥からのガッツポーズを受けた。悠人が意気込んだ笑顔で頷いた後、俺のそばへ移動してきた。ドラムが新しいリズムが刻み始めて、オープニングフィナーレを飾り始めた。
サイドへ寄っていきながら羽音さんとハモっていると、悠人が観客席を見て、あんぐりと口を開けた。ちょうど俺が歌い終わったところだ。
「どうしたの?」
「なつきー。カメラマンの方を見ていろよーー。ひいいいい……。商売繁盛!」
「さっきは……。ええ?」
どうしても気になって視線の先を見た時、胸の鼓動が跳ね上がった。真ん中にいる観客がTシャツらしきものを脱ぎ捨てて、ステージに放り投げたからだ。近くの男性グループも真似をして、いくつもの服が飛び交っている。アニキー!と声を上げながら。それを警備スタッフが止めに入る様子が大型モニターに映し出されて、観客席から笑いが起こった。
今から久弥がオープニングステージの仕上げをする。それを察知した観客からの、ヒサヤコールが巻き起こり、派手なギターフレーズが鳴り響いた。
ヒサヤーー!
その後の爆発的な歓声とともに、今夜のイベントが幕を開いた。なんて和気あいあいとしたイベントだろう。久弥の笑顔が花を咲かせていた。
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