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ステージサイドに戻ると、現場にいる人から拍手で迎えられた。よくやった!と、一番最初に正木さんから迎えられた。久弥が疲れた顔をしながら、あんたのせいだと口にしたから笑いが起こった。
久弥が俺の肩を抱いて、小さな声で話しかけて来た。褒めているふりをしながら。大事なことを伝えられるのだと察した。周りから見ると、ただの会話にしか見えないはずだ。
「……会場を出るまでに、一本ぐらいは矢が飛んでくるかもしれない」
「うんっ。リーダーとして方向修正させておくよ」
「そのとおりだ。盾になって打ち返さなくていい。みんなを横に移動させろ。お前が最後だ」
ポンポン。けっして優しい話ではないのに、背中を叩く力は撫でられているかのようだ。これが久弥だ。リーダーとして歩いていた時代は力強かった。プロデューサーとしては、どうなるだろう。優しいと思う。
今回のことで、TDDとベテルギウスが、スカイレールレコードに喧嘩を吹っかけたことになる。ささやかながら。原田さんの加入発表をしようと提案があった時、布川さんと久弥から話があった。このまま大人しくしたくないと思っていた。
(リーダーとして、今後の面倒ごとを引き受けることになる。多少はなー)
(どうだろう?今の意気込みで答えてくれ。嫌じゃないだろう?)
(やってください!俺は平気です!)
(おーー、さすがは問題児だな。いい経験だったと思う。ぎゃははー)
(はい!)
中学時代の喧嘩とは意味もレベルも違うだろうに、あっさりと返事した。大丈夫だと思った。いい経験だったと思う。傷つく痛みと、人と争う怖さも知った。今日は、別件で矢が飛んでくると予想していた。
「……気づいたのか?まずは自分を守れ。黒崎さんには言わなくてもいい。もう分かっている。本当に修羅場の多い人だな?」
「お酒の席で面白い話になりそうだね~~」
「ぎゃはははー。控え室に戻っておけ。黒崎さんが待っている。……羽音さーん。コイツらを引率してください」
「承知しましたーー」
俺達の方へ羽音さんが歩いてきた。守られている。今日の俺達が目立ったリバウンドがくる可能性がある。出演者ではない。IKUの関係者でも仲良しではない。
ベテルギウスから可愛がられている上に、今夜はリミテッドのサポートを受けた。中山クロウの件では久弥が主役を張ったとはいえ、TDDとしての俺が目立った。このハードルをクリアするために、あれこれとイジられたのだと理解している。久弥からの贈り物だ。いつでも相談できる環境にいる。
(本当に強い子は喧嘩しない。黒崎さんのアドバイスが懐かしいなあ……)
これからは戦いの面が出てくる。しかし、EDENのストーリーのようになるといい。PVで登場している、芝生で肩を寄せ合って笑う兄弟は、一つの身体に共存する、2つの心のことだ。上弦の月の天使では、何かに満たされて同じ心になる。聴く側の受け取り方で変わるかもしれない。
パチパチパチパチ!
お疲れ様でしたーー!
ありがとうございます。お疲れ様です。メンバーと控え室に向かう間にかけられた声に会釈して、次の現場でも、お世話になることを伝えた。誰もがガッツポーズを返してくれた。
待ち焦がれた人は、どうしているだろうか?一貴さんを諭して、理久と話しているだろう。たぶん。笑っているだけかもしれない。
控え室のドアが近づいた。このドアをノックするという、大役を引き受けた。妙に緊張感がある。
「よーーし……、コンコ……わああーーー」
右手を軽く握ってドアに触れようとした瞬間、ガチャ!と開かれた。行き場を失った力が方向性を失い、自然と身体が前にヨロけた。
すぐに姿勢を立て直すと、意地悪をした主が苦笑していた。以心伝心すぎたのか?と。こういう人の多い場所だからこそ、お返しをしよう。思い切り抱きついてやり、黒崎のことを恥ずかしがらせてやった。
久弥が俺の肩を抱いて、小さな声で話しかけて来た。褒めているふりをしながら。大事なことを伝えられるのだと察した。周りから見ると、ただの会話にしか見えないはずだ。
「……会場を出るまでに、一本ぐらいは矢が飛んでくるかもしれない」
「うんっ。リーダーとして方向修正させておくよ」
「そのとおりだ。盾になって打ち返さなくていい。みんなを横に移動させろ。お前が最後だ」
ポンポン。けっして優しい話ではないのに、背中を叩く力は撫でられているかのようだ。これが久弥だ。リーダーとして歩いていた時代は力強かった。プロデューサーとしては、どうなるだろう。優しいと思う。
今回のことで、TDDとベテルギウスが、スカイレールレコードに喧嘩を吹っかけたことになる。ささやかながら。原田さんの加入発表をしようと提案があった時、布川さんと久弥から話があった。このまま大人しくしたくないと思っていた。
(リーダーとして、今後の面倒ごとを引き受けることになる。多少はなー)
(どうだろう?今の意気込みで答えてくれ。嫌じゃないだろう?)
(やってください!俺は平気です!)
(おーー、さすがは問題児だな。いい経験だったと思う。ぎゃははー)
(はい!)
中学時代の喧嘩とは意味もレベルも違うだろうに、あっさりと返事した。大丈夫だと思った。いい経験だったと思う。傷つく痛みと、人と争う怖さも知った。今日は、別件で矢が飛んでくると予想していた。
「……気づいたのか?まずは自分を守れ。黒崎さんには言わなくてもいい。もう分かっている。本当に修羅場の多い人だな?」
「お酒の席で面白い話になりそうだね~~」
「ぎゃはははー。控え室に戻っておけ。黒崎さんが待っている。……羽音さーん。コイツらを引率してください」
「承知しましたーー」
俺達の方へ羽音さんが歩いてきた。守られている。今日の俺達が目立ったリバウンドがくる可能性がある。出演者ではない。IKUの関係者でも仲良しではない。
ベテルギウスから可愛がられている上に、今夜はリミテッドのサポートを受けた。中山クロウの件では久弥が主役を張ったとはいえ、TDDとしての俺が目立った。このハードルをクリアするために、あれこれとイジられたのだと理解している。久弥からの贈り物だ。いつでも相談できる環境にいる。
(本当に強い子は喧嘩しない。黒崎さんのアドバイスが懐かしいなあ……)
これからは戦いの面が出てくる。しかし、EDENのストーリーのようになるといい。PVで登場している、芝生で肩を寄せ合って笑う兄弟は、一つの身体に共存する、2つの心のことだ。上弦の月の天使では、何かに満たされて同じ心になる。聴く側の受け取り方で変わるかもしれない。
パチパチパチパチ!
お疲れ様でしたーー!
ありがとうございます。お疲れ様です。メンバーと控え室に向かう間にかけられた声に会釈して、次の現場でも、お世話になることを伝えた。誰もがガッツポーズを返してくれた。
待ち焦がれた人は、どうしているだろうか?一貴さんを諭して、理久と話しているだろう。たぶん。笑っているだけかもしれない。
控え室のドアが近づいた。このドアをノックするという、大役を引き受けた。妙に緊張感がある。
「よーーし……、コンコ……わああーーー」
右手を軽く握ってドアに触れようとした瞬間、ガチャ!と開かれた。行き場を失った力が方向性を失い、自然と身体が前にヨロけた。
すぐに姿勢を立て直すと、意地悪をした主が苦笑していた。以心伝心すぎたのか?と。こういう人の多い場所だからこそ、お返しをしよう。思い切り抱きついてやり、黒崎のことを恥ずかしがらせてやった。
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