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# act20 お湯の中の鼓動
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マンションに帰って荷物を置いたらすぐに「お風呂に入ろう」と言われて服を脱がされた。
まさか一緒に? と思う間もなく、セシル先生にバスルームに引っ張られて行った。
服を脱いだ彼の体は、やはり引き締まっていて格好良くて、そして……。
視線を下げた瞬間、息が止まった。腹に張りつくような、見たことのないほど固く反り返った性器。
「……あ」思わず声が漏れた。
そういえば、駅のトイレでしたときは、彼は達していなかった。
確かに、あんなに狭い場所で、アルファが射精できるほどのピストンができるはずもない。
本来はオメガだって絶頂するのは難しいはずなのに、何で僕はイけたんだろう。
あのとき、先生に抱きしめられて、彼の大きなペニスを体内で感じているうちに、そこがじわっと熱くなって、どんどん気持ちよくなっていって……
思い出しながら赤くなっていると、セシル先生は僕を椅子に座らせて、シャワーのお湯をあてはじめた。
「え、自分で……」
「駄目だ。あのアルファの匂いがまだついている。気持ち悪いから徹底的に洗う」
珍しく強い口調で言われて、「これは任せた方がいいやつだ」と理解した。
背後からお湯をかけられて、ボディーソープをたっぷりつけた先生の手がくまなく僕の体を滑っていく。
一緒にお風呂に入るのって初めてだ。それにこうして洗ってもらうのって恋人っぽい……。
髪まで丁寧に二回シャンプーして、トリートメントをつけてくれた。
「毛先が痛んでるね。トリートメントは毛先のほうにたっぷりつけるんだよ」
「あ、えーと……めんどうであんまりトリートメントとかしてないかも」
「なんだって……!」
本当に徹底的に洗われて、バスソルトの入った浴槽につけられた。
もうちょっとムードが出るかと思ったのに、まずはアルファたちの匂いを取ることが重要なようだ。
でも、お湯に浸かりながらセシル先生の体を洗う姿を見ていると、いつもの彼をのぞき見しているようでどきどきする。
無駄な肉がないほど引き締まった筋肉質な体はモデルのようで、綺麗な顔と相まって、こんな姿を独占できるのがすごく贅沢な気がする。
彼の肌に湯がつたって、鎖骨のくぼみや腹筋の溝に沿って滑り落ちていくのを、ぼんやりと見てしまう。
目を逸らそうとしたけど、……逸らせなかった。
だって、そこにはまだ、さっきよりも硬く、熱を帯びたものが――。
「……さて、私は君と一緒に浴槽に入りたいのだが……」
体を洗い終わったセシル先生は浴槽の外から僕を見下ろしている。
「どういう言い訳にこじつければいいのか、難しいな」
僕は思わず吹き出してしまった。
「いつもそんな風に考えてたんですか?」
「当然だ。医者と実験体という建前を崩してしまうと、君が不安がるからね」
あれは僕のためにやってのか……。
「でも、さすがに朝の検温はないでしょ」
「……我ながら苦しいとは思っていたけど、無防備な君の寝顔を見ていると、我慢できなくて……」
なんか、きゅんとするほど……可愛い。
「何で今日はこんなに素直なんですか?」
「君を守り抜けたからかな……私は……君の試験に合格できたかな?」
『死ぬ気で守ってくださいね』僕の言った言葉を、彼は凄く深いところで受け止めていてくれた。
「……満点です。早く入ってきてください。もう……こ、こいびと、なんですから。いい訳なんていらないです」
セシル先生は湯船に入ると、ゆっくりと僕を抱きしめてくれた。
ちゃぽん、とお湯が鳴って、暖かさが体中に満ちた。
胸の奥に響く鼓動が、湯のなかで重なっていく。どちらの音か、もうわからない。
ただ、二つの心臓が、同じ温度で動いていることだけが、心地よかった。
まさか一緒に? と思う間もなく、セシル先生にバスルームに引っ張られて行った。
服を脱いだ彼の体は、やはり引き締まっていて格好良くて、そして……。
視線を下げた瞬間、息が止まった。腹に張りつくような、見たことのないほど固く反り返った性器。
「……あ」思わず声が漏れた。
そういえば、駅のトイレでしたときは、彼は達していなかった。
確かに、あんなに狭い場所で、アルファが射精できるほどのピストンができるはずもない。
本来はオメガだって絶頂するのは難しいはずなのに、何で僕はイけたんだろう。
あのとき、先生に抱きしめられて、彼の大きなペニスを体内で感じているうちに、そこがじわっと熱くなって、どんどん気持ちよくなっていって……
思い出しながら赤くなっていると、セシル先生は僕を椅子に座らせて、シャワーのお湯をあてはじめた。
「え、自分で……」
「駄目だ。あのアルファの匂いがまだついている。気持ち悪いから徹底的に洗う」
珍しく強い口調で言われて、「これは任せた方がいいやつだ」と理解した。
背後からお湯をかけられて、ボディーソープをたっぷりつけた先生の手がくまなく僕の体を滑っていく。
一緒にお風呂に入るのって初めてだ。それにこうして洗ってもらうのって恋人っぽい……。
髪まで丁寧に二回シャンプーして、トリートメントをつけてくれた。
「毛先が痛んでるね。トリートメントは毛先のほうにたっぷりつけるんだよ」
「あ、えーと……めんどうであんまりトリートメントとかしてないかも」
「なんだって……!」
本当に徹底的に洗われて、バスソルトの入った浴槽につけられた。
もうちょっとムードが出るかと思ったのに、まずはアルファたちの匂いを取ることが重要なようだ。
でも、お湯に浸かりながらセシル先生の体を洗う姿を見ていると、いつもの彼をのぞき見しているようでどきどきする。
無駄な肉がないほど引き締まった筋肉質な体はモデルのようで、綺麗な顔と相まって、こんな姿を独占できるのがすごく贅沢な気がする。
彼の肌に湯がつたって、鎖骨のくぼみや腹筋の溝に沿って滑り落ちていくのを、ぼんやりと見てしまう。
目を逸らそうとしたけど、……逸らせなかった。
だって、そこにはまだ、さっきよりも硬く、熱を帯びたものが――。
「……さて、私は君と一緒に浴槽に入りたいのだが……」
体を洗い終わったセシル先生は浴槽の外から僕を見下ろしている。
「どういう言い訳にこじつければいいのか、難しいな」
僕は思わず吹き出してしまった。
「いつもそんな風に考えてたんですか?」
「当然だ。医者と実験体という建前を崩してしまうと、君が不安がるからね」
あれは僕のためにやってのか……。
「でも、さすがに朝の検温はないでしょ」
「……我ながら苦しいとは思っていたけど、無防備な君の寝顔を見ていると、我慢できなくて……」
なんか、きゅんとするほど……可愛い。
「何で今日はこんなに素直なんですか?」
「君を守り抜けたからかな……私は……君の試験に合格できたかな?」
『死ぬ気で守ってくださいね』僕の言った言葉を、彼は凄く深いところで受け止めていてくれた。
「……満点です。早く入ってきてください。もう……こ、こいびと、なんですから。いい訳なんていらないです」
セシル先生は湯船に入ると、ゆっくりと僕を抱きしめてくれた。
ちゃぽん、とお湯が鳴って、暖かさが体中に満ちた。
胸の奥に響く鼓動が、湯のなかで重なっていく。どちらの音か、もうわからない。
ただ、二つの心臓が、同じ温度で動いていることだけが、心地よかった。
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