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エレベーターを降りて、スイートルームが並ぶ最上階の廊下を歩いた。
長く広い廊下には上質なカーペット、大理石の壁、美術館にあるようなインテリア。
突き当たりの重厚なドアにたどり着くと、桐生部長は「案内ご苦労、説明はいい」とベルボーイに告げた。
彼は受け取ったカードキーをかざした。機械音と共にドアが開く――。
「……うわあっ……!」
思わず声を上げてしまった。
全面ガラス張りの窓の向こうに、真っ赤に染まった東京タワーがそびえ立ち、無数の高層ビルの灯りが、眼下に広がっている。
あまりの非現実感に、足がすくみそうになった。
俺は、とんでもない場所に連れてこられてしまったんじゃないか。
部屋は間接照明で薄暗く、内装はダークで落ち着いている。
だからこそ、目の前の夜景が浮き上がっているように見えた。
俺は大きなガラス窓に近付いた。
見れば見るほど、浮遊感がたまらない。
このリビングはまるで映画館だった。
夜景の真ん前に置かれたソファはゆったりとしていて、座り心地がよさそうだった。
シュッ、と生地がこすれる音がした。
振り向くと、桐生部長が無造作にジャケットを脱いで、ソファに放っていた。
「気に入ったか?」
「は、はい……凄すぎて……」
彼は部屋のドアの前まで戻り、俺の目の前でゆっくりと内鍵を回した。
ガチャリ
重い金属音が鳴った。
――オートロックなのに、わざわざ内鍵まで回した?
「雨で濡れたな……シャワー、先に使わせてもらうぞ」
「は、はい……」
片手でネクタイを緩めた彼の瞳は、熱を帯びて俺を射抜いた。
それは腹を減らした肉食の雄、そのものだった。
長く広い廊下には上質なカーペット、大理石の壁、美術館にあるようなインテリア。
突き当たりの重厚なドアにたどり着くと、桐生部長は「案内ご苦労、説明はいい」とベルボーイに告げた。
彼は受け取ったカードキーをかざした。機械音と共にドアが開く――。
「……うわあっ……!」
思わず声を上げてしまった。
全面ガラス張りの窓の向こうに、真っ赤に染まった東京タワーがそびえ立ち、無数の高層ビルの灯りが、眼下に広がっている。
あまりの非現実感に、足がすくみそうになった。
俺は、とんでもない場所に連れてこられてしまったんじゃないか。
部屋は間接照明で薄暗く、内装はダークで落ち着いている。
だからこそ、目の前の夜景が浮き上がっているように見えた。
俺は大きなガラス窓に近付いた。
見れば見るほど、浮遊感がたまらない。
このリビングはまるで映画館だった。
夜景の真ん前に置かれたソファはゆったりとしていて、座り心地がよさそうだった。
シュッ、と生地がこすれる音がした。
振り向くと、桐生部長が無造作にジャケットを脱いで、ソファに放っていた。
「気に入ったか?」
「は、はい……凄すぎて……」
彼は部屋のドアの前まで戻り、俺の目の前でゆっくりと内鍵を回した。
ガチャリ
重い金属音が鳴った。
――オートロックなのに、わざわざ内鍵まで回した?
「雨で濡れたな……シャワー、先に使わせてもらうぞ」
「は、はい……」
片手でネクタイを緩めた彼の瞳は、熱を帯びて俺を射抜いた。
それは腹を減らした肉食の雄、そのものだった。
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