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「ようこそ、愛に迷える子羊たちよ! 僕のスイートホームへ!」
バァン! と無駄に派手な効果音(おそらく控えていた従者が鳴らした)と共に、ジュリアン殿下の私室の扉が開かれた。
そこは、異空間だった。
いつもの落ち着いた王族の居室ではない。
壁には真紅のバラが敷き詰められ、天井からは金粉が舞い(誰かが上で撒いている?)、床にはふかふかの絨毯が新調されている。
そして部屋の中央には、キャンドルでライトアップされたテーブルと、満面の笑みを浮かべるジュリアン殿下。
「……帰っていいですか」
私は入室から0.5秒で踵を返そうとした。
しかし、背後に立っていたアーク様にガシッと肩を掴まれる。
「逃げるな、ロゼリア。これは『監査』だ。耐えろ」
「ですがアーク様、見てください。あのバラ、一本につき銀貨3枚はする高級品種『ロイヤル・ルージュ』です。ざっと見て500本……金貨15枚分が、壁に磔にされています。死体置き場ですかここは」
「……冷静な分析ありがとう。胃が痛くなってきた」
アーク様も表情を凍りつかせている。
無理もない。
予算凍結中の王子が、なぜこれだけの豪遊ができるのか。
その原資を考えると、国家財政を預かる身としてはめまいがするのだろう。
「お姉様! 見てください! ケーキです! すごい色です!」
恐怖を感じる私たちとは対照的に、リリィ様だけが目を輝かせてテーブルに突撃していた。
彼女が指差す先には、禍々しいオーラを放つ物体が鎮座していた。
ドーム状のスポンジ(?)は紫色に変色し、その上には毒々しい緑色のクリームが波打っている。
トッピングされているのは、なぜか生の魚の頭と、大量の金箔。
「……あれが、手作りケーキ?」
「斬新だな。前衛芸術か、あるいは呪いの儀式か」
私とアーク様は顔を見合わせた。
あれを食べるのか。
命がけの監査になりそうだ。
「さあ、座りたまえ! 今日は僕のおごりだ!」
ジュリアン殿下が得意げに椅子を勧める。
私は警戒しながら席に着いた。
アーク様も、護衛のように私の隣に座る。
「殿下。単刀直入にお聞きします。この部屋の改装費、およびパーティーの費用……どこから捻出されたのですか?」
私はナプキンを広げながら(いつでも口元を隠して吐き出せるように)、冷徹な質問を投げかけた。
「ふふん、気になるかい? ロゼリア、君はいつも金の話ばかりだな」
殿下は呆れたように首を振る。
「愛だよ、愛。愛があれば、不可能などないのさ」
「愛で支払いはできません。業者は現金か小切手を要求したはずです」
「チッ……相変わらずムードのない女だ」
殿下は舌打ちをして、紫色のケーキを切り分け始めた。
ヌチャ、という不穏な音が響く。
「実はな、僕の私物をいくつか『リサイクル』したんだ。エコだろう?」
「リサイクル? 具体的には?」
「廊下に飾ってあった古い壺とか、埃を被っていた絵画とかさ。あんなボロいもの、置いておいても邪魔だろう? 城下町の骨董屋に持っていったら、意外と高く売れてねぇ!」
カチャリ。
アーク様が持っていたフォークを取り落とす音がした。
隣を見ると、氷の宰相が、般若のような形相になっている。
「……殿下。確認ですが、その壺というのは、青い竜の模様が描かれたものではありませんでしたか?」
「おっ、よく知ってるな! そうそう、それだ。取っ手が欠けてたから安く買い叩かれそうになったが、僕のサインをつけて高値で売ってやったぞ!」
「…………」
アーク様が静かに立ち上がった。
部屋の温度が5度くらい下がった気がする。
「あれは……初代国王陛下が隣国から友好の証として贈られた、国宝級の『蒼竜の壺』だ。時価、金貨5000枚は下らない」
「えっ」
殿下の動きが止まった。
「ご、5000枚……? え、でも骨董屋の親父は『ガラクタですね、金貨50枚でどうです?』って……」
「……騙された上に、国宝を横流ししたのか」
アーク様のこめかみに青筋が浮かぶ。
これはまずい。
このままでは宰相が王子をその場で処刑しかねない。
私は慌ててアーク様の袖を引いた。
「アーク様、落ち着いてください。怒りで血圧を上げても医療費の無駄です。まずは現物の回収と、骨董屋への強襲……いえ、事情聴取が先決です」
「……そうだな。ロゼリア、君の言う通りだ。あとでその骨董屋を社会的に抹殺し、壺を取り戻す」
アーク様は深呼吸をして座り直した。
目が笑っていない。
殿下は「え、あれ国宝だったの?」と青ざめている。
「……と、とにかく! 過ぎたことは忘れよう! さあ、ケーキだ! リリィ、君のために最高級の小麦粉と、美容に良いとされる薬草をふんだんに使ったんだ!」
殿下は震える手で、切り分けた紫色の塊をリリィ様の前に置いた。
「いただきまーす!」
リリィ様は躊躇なかった。
国宝横領の事実も、ケーキの見た目の凶悪さも、彼女の食欲の前では些細な問題らしい。
パクッ、と一口で頬張る。
モグモグ、ゴクン。
「……どうだ、リリィ? 美味しいだろう?」
殿下が期待に満ちた目で見つめる。
リリィ様はニコリと笑った。
「んー、泥のお団子みたいで懐かしい味です!」
「泥……?」
「あと、ちょっと舌が痺れます! これ、毒消し草じゃなくて、痺れ薬の原料になる『マヒマヒ草』じゃないですか?」
「えっ」
殿下がキッチンの方を振り返る。
そこには、使い終わった薬草の袋が転がっていた。
「あっ、間違えた! 料理長が『これは劇薬だから触るな』って言ってたやつだ!」
「殿下……貴方は暗殺者ですか」
私はため息をついた。
リリィ様は「ピリピリして美味しい~」と完食しているが、普通の人間なら即死レベルではないか。
このヒロイン、毒耐性まで持っているのか。
「まあいいわ。リリィ様がご無事なら。……さて、殿下。国宝の件は後ほどアーク様からたっぷりと『お説教』があるとして。この部屋のバラ、そして絨毯。これらも全て、その『壺代』から出たわけですね?」
「そ、そうだ! 文句あるか!」
「残金は?」
「は? 残金?」
「金貨50枚で売ったのでしょう? 改装費で30枚。材料費で5枚。残りの15枚はどこにありますか?」
私は左手を出した。
「出せ」のポーズだ。
「なっ……僕の金だぞ!」
「いいえ、国のお金です。国宝を売却して得た利益は国庫に帰属します。横領した分を返還していただきます」
「い、嫌だ! これは僕がリリィとのデートのために……!」
「往生際が悪いですね。アーク様、拘束を」
「御意」
アーク様が指をパチンと鳴らすと、どこからともなく控えていた近衛兵(アーク様の配下)が現れ、ジュリアン殿下の両脇を固めた。
「な、なんだ貴様ら! 僕は王子だぞ! 離せ!」
「ジュリアン殿下。国宝無断売却、および薬事法違反(毒物混入料理の提供)の容疑で、一時的に身柄を保護します。……説教部屋へ連行しろ」
「ひぃぃぃ! アーク、目が怖い! ロゼリア、助けてくれ! 僕たちは愛し合っていただろう!?」
殿下が私に助けを求める。
私は紫色のケーキを指差し、にっこりと微笑んだ。
「愛し合っていた記憶はありませんが、そのケーキの処理費用として、追加で金貨5枚を請求させていただきますわ」
「鬼ーーっ!!」
殿下の絶叫が遠ざかっていく。
嵐が去った部屋には、バラの香りと、毒ケーキの異臭だけが残された。
「……やれやれ。パーティーというより、捕り物劇だったな」
アーク様が疲れたように椅子に沈み込む。
「ですが、国宝の流出ルートは特定できました。早急に手を打てば取り戻せます」
「ああ。君のおかげだ。……しかし」
アーク様は私の顔をじっと見た。
「君は、怖くないのか? 相手は腐っても王子だ。あそこまで徹底的に追い詰めて、報復されるとは思わないのか?」
真剣な眼差しだ。
私の身を案じてくれている……のかもしれない。
けれど、私の答えは決まっている。
「報復? そんな生産性のないことを殿下が計画できるとは思えません。それに……」
私はアーク様に向き直り、不敵に笑った。
「私には、最強の『共犯者』がいますから。いざとなれば、宰相閣下が揉み消してくださるのでしょう?」
アーク様は一瞬きょとんとして、それから低く笑った。
「……違いない。君を守るのは、私の投資を守るのと同じだ。全力で揉み消そう」
その言葉に、胸の奥が少しだけ温かくなるのを感じた。
金銭的な契約関係。
けれど、それ以上の信頼関係が芽生えつつあるような……。
「あのー、お二人さん?」
ロマンチックな空になりかけたその時、空気の読めない声が割り込んだ。
皿まで舐め終わったリリィ様だ。
「ジュリアン様がいなくなっちゃったんですけど、このお部屋のバラ、どうします? 枯れちゃうのもったいないですよね?」
「……そうですね」
私は即座に計算モードに戻った。
「リリィ様、手伝ってください。このバラ、まだ新鮮です。ドライフラワーにしてポプリにすれば、城下の市場で売れます。一本あたり銅貨50枚……500本で……」
「わーい! お小遣い稼ぎだー!」
「ロゼリア……君というやつは……」
アーク様が呆れつつも、どこか愛おしそうに(気のせいかもしれないが)私を見つめている。
こうして、「仲直りパーティー」は、国宝奪還作戦と、バラの加工内職大会へと姿を変えて幕を閉じたのである。
しかし、私たちは知らなかった。
ジュリアン殿下が連行された説教部屋で、新たな「被害者」との出会いが待っていることを。
バァン! と無駄に派手な効果音(おそらく控えていた従者が鳴らした)と共に、ジュリアン殿下の私室の扉が開かれた。
そこは、異空間だった。
いつもの落ち着いた王族の居室ではない。
壁には真紅のバラが敷き詰められ、天井からは金粉が舞い(誰かが上で撒いている?)、床にはふかふかの絨毯が新調されている。
そして部屋の中央には、キャンドルでライトアップされたテーブルと、満面の笑みを浮かべるジュリアン殿下。
「……帰っていいですか」
私は入室から0.5秒で踵を返そうとした。
しかし、背後に立っていたアーク様にガシッと肩を掴まれる。
「逃げるな、ロゼリア。これは『監査』だ。耐えろ」
「ですがアーク様、見てください。あのバラ、一本につき銀貨3枚はする高級品種『ロイヤル・ルージュ』です。ざっと見て500本……金貨15枚分が、壁に磔にされています。死体置き場ですかここは」
「……冷静な分析ありがとう。胃が痛くなってきた」
アーク様も表情を凍りつかせている。
無理もない。
予算凍結中の王子が、なぜこれだけの豪遊ができるのか。
その原資を考えると、国家財政を預かる身としてはめまいがするのだろう。
「お姉様! 見てください! ケーキです! すごい色です!」
恐怖を感じる私たちとは対照的に、リリィ様だけが目を輝かせてテーブルに突撃していた。
彼女が指差す先には、禍々しいオーラを放つ物体が鎮座していた。
ドーム状のスポンジ(?)は紫色に変色し、その上には毒々しい緑色のクリームが波打っている。
トッピングされているのは、なぜか生の魚の頭と、大量の金箔。
「……あれが、手作りケーキ?」
「斬新だな。前衛芸術か、あるいは呪いの儀式か」
私とアーク様は顔を見合わせた。
あれを食べるのか。
命がけの監査になりそうだ。
「さあ、座りたまえ! 今日は僕のおごりだ!」
ジュリアン殿下が得意げに椅子を勧める。
私は警戒しながら席に着いた。
アーク様も、護衛のように私の隣に座る。
「殿下。単刀直入にお聞きします。この部屋の改装費、およびパーティーの費用……どこから捻出されたのですか?」
私はナプキンを広げながら(いつでも口元を隠して吐き出せるように)、冷徹な質問を投げかけた。
「ふふん、気になるかい? ロゼリア、君はいつも金の話ばかりだな」
殿下は呆れたように首を振る。
「愛だよ、愛。愛があれば、不可能などないのさ」
「愛で支払いはできません。業者は現金か小切手を要求したはずです」
「チッ……相変わらずムードのない女だ」
殿下は舌打ちをして、紫色のケーキを切り分け始めた。
ヌチャ、という不穏な音が響く。
「実はな、僕の私物をいくつか『リサイクル』したんだ。エコだろう?」
「リサイクル? 具体的には?」
「廊下に飾ってあった古い壺とか、埃を被っていた絵画とかさ。あんなボロいもの、置いておいても邪魔だろう? 城下町の骨董屋に持っていったら、意外と高く売れてねぇ!」
カチャリ。
アーク様が持っていたフォークを取り落とす音がした。
隣を見ると、氷の宰相が、般若のような形相になっている。
「……殿下。確認ですが、その壺というのは、青い竜の模様が描かれたものではありませんでしたか?」
「おっ、よく知ってるな! そうそう、それだ。取っ手が欠けてたから安く買い叩かれそうになったが、僕のサインをつけて高値で売ってやったぞ!」
「…………」
アーク様が静かに立ち上がった。
部屋の温度が5度くらい下がった気がする。
「あれは……初代国王陛下が隣国から友好の証として贈られた、国宝級の『蒼竜の壺』だ。時価、金貨5000枚は下らない」
「えっ」
殿下の動きが止まった。
「ご、5000枚……? え、でも骨董屋の親父は『ガラクタですね、金貨50枚でどうです?』って……」
「……騙された上に、国宝を横流ししたのか」
アーク様のこめかみに青筋が浮かぶ。
これはまずい。
このままでは宰相が王子をその場で処刑しかねない。
私は慌ててアーク様の袖を引いた。
「アーク様、落ち着いてください。怒りで血圧を上げても医療費の無駄です。まずは現物の回収と、骨董屋への強襲……いえ、事情聴取が先決です」
「……そうだな。ロゼリア、君の言う通りだ。あとでその骨董屋を社会的に抹殺し、壺を取り戻す」
アーク様は深呼吸をして座り直した。
目が笑っていない。
殿下は「え、あれ国宝だったの?」と青ざめている。
「……と、とにかく! 過ぎたことは忘れよう! さあ、ケーキだ! リリィ、君のために最高級の小麦粉と、美容に良いとされる薬草をふんだんに使ったんだ!」
殿下は震える手で、切り分けた紫色の塊をリリィ様の前に置いた。
「いただきまーす!」
リリィ様は躊躇なかった。
国宝横領の事実も、ケーキの見た目の凶悪さも、彼女の食欲の前では些細な問題らしい。
パクッ、と一口で頬張る。
モグモグ、ゴクン。
「……どうだ、リリィ? 美味しいだろう?」
殿下が期待に満ちた目で見つめる。
リリィ様はニコリと笑った。
「んー、泥のお団子みたいで懐かしい味です!」
「泥……?」
「あと、ちょっと舌が痺れます! これ、毒消し草じゃなくて、痺れ薬の原料になる『マヒマヒ草』じゃないですか?」
「えっ」
殿下がキッチンの方を振り返る。
そこには、使い終わった薬草の袋が転がっていた。
「あっ、間違えた! 料理長が『これは劇薬だから触るな』って言ってたやつだ!」
「殿下……貴方は暗殺者ですか」
私はため息をついた。
リリィ様は「ピリピリして美味しい~」と完食しているが、普通の人間なら即死レベルではないか。
このヒロイン、毒耐性まで持っているのか。
「まあいいわ。リリィ様がご無事なら。……さて、殿下。国宝の件は後ほどアーク様からたっぷりと『お説教』があるとして。この部屋のバラ、そして絨毯。これらも全て、その『壺代』から出たわけですね?」
「そ、そうだ! 文句あるか!」
「残金は?」
「は? 残金?」
「金貨50枚で売ったのでしょう? 改装費で30枚。材料費で5枚。残りの15枚はどこにありますか?」
私は左手を出した。
「出せ」のポーズだ。
「なっ……僕の金だぞ!」
「いいえ、国のお金です。国宝を売却して得た利益は国庫に帰属します。横領した分を返還していただきます」
「い、嫌だ! これは僕がリリィとのデートのために……!」
「往生際が悪いですね。アーク様、拘束を」
「御意」
アーク様が指をパチンと鳴らすと、どこからともなく控えていた近衛兵(アーク様の配下)が現れ、ジュリアン殿下の両脇を固めた。
「な、なんだ貴様ら! 僕は王子だぞ! 離せ!」
「ジュリアン殿下。国宝無断売却、および薬事法違反(毒物混入料理の提供)の容疑で、一時的に身柄を保護します。……説教部屋へ連行しろ」
「ひぃぃぃ! アーク、目が怖い! ロゼリア、助けてくれ! 僕たちは愛し合っていただろう!?」
殿下が私に助けを求める。
私は紫色のケーキを指差し、にっこりと微笑んだ。
「愛し合っていた記憶はありませんが、そのケーキの処理費用として、追加で金貨5枚を請求させていただきますわ」
「鬼ーーっ!!」
殿下の絶叫が遠ざかっていく。
嵐が去った部屋には、バラの香りと、毒ケーキの異臭だけが残された。
「……やれやれ。パーティーというより、捕り物劇だったな」
アーク様が疲れたように椅子に沈み込む。
「ですが、国宝の流出ルートは特定できました。早急に手を打てば取り戻せます」
「ああ。君のおかげだ。……しかし」
アーク様は私の顔をじっと見た。
「君は、怖くないのか? 相手は腐っても王子だ。あそこまで徹底的に追い詰めて、報復されるとは思わないのか?」
真剣な眼差しだ。
私の身を案じてくれている……のかもしれない。
けれど、私の答えは決まっている。
「報復? そんな生産性のないことを殿下が計画できるとは思えません。それに……」
私はアーク様に向き直り、不敵に笑った。
「私には、最強の『共犯者』がいますから。いざとなれば、宰相閣下が揉み消してくださるのでしょう?」
アーク様は一瞬きょとんとして、それから低く笑った。
「……違いない。君を守るのは、私の投資を守るのと同じだ。全力で揉み消そう」
その言葉に、胸の奥が少しだけ温かくなるのを感じた。
金銭的な契約関係。
けれど、それ以上の信頼関係が芽生えつつあるような……。
「あのー、お二人さん?」
ロマンチックな空になりかけたその時、空気の読めない声が割り込んだ。
皿まで舐め終わったリリィ様だ。
「ジュリアン様がいなくなっちゃったんですけど、このお部屋のバラ、どうします? 枯れちゃうのもったいないですよね?」
「……そうですね」
私は即座に計算モードに戻った。
「リリィ様、手伝ってください。このバラ、まだ新鮮です。ドライフラワーにしてポプリにすれば、城下の市場で売れます。一本あたり銅貨50枚……500本で……」
「わーい! お小遣い稼ぎだー!」
「ロゼリア……君というやつは……」
アーク様が呆れつつも、どこか愛おしそうに(気のせいかもしれないが)私を見つめている。
こうして、「仲直りパーティー」は、国宝奪還作戦と、バラの加工内職大会へと姿を変えて幕を閉じたのである。
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