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19話 お寿司のお店 その3
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お寿司のお店で聞こえて来る噂話……? じゃなくて、明らかに聞き覚えのある声の正体を私は考えていた。いえ、普通に考えれば答えは一つしかないんだけれど、信じた私がバカだったというか……はあ。
「ライジング公爵、お食事中失礼かとは思いますが……」
「どうした、ファリーナ?」
「あの……先ほどから聞こえて来る、非常に聞き覚えのある声の主を突き止めたいと思いまして……」
私は昼食の席に水を差すようで悪い気はしていたけれど、気になって仕方ないのでライジング公爵に伝えてみた。
-------------------------------
「いや~~~ファリーナちゃんのことが心配でな~~~! これも親心ってやつやで?」
「お父様……ライジング公爵の御前ですよ……?」
私に内緒で尾行をしていたお父様。とりあえず、軽い罰としてライジング公爵を引き合いに出してみた。
「ああ……それは、叶わんな、ファリーナちゃん……」
普段は陽気なお父様も、流石にライジング公爵の前では静かになっていた。それから、メイサとシルの二人にも私は睨みを利かせる。
「ひっ……!」
「わ、私達もファリーナが心配で……!」
私も別に怒っているわけではなかったけれど、とりあえずメイサとシルには無言の圧力を掛けておいた。私のことを心配してくれたのは事実だろうけど、楽しんで行っていたのも事実だろうし……。
「ははは、ファリーナ。なかなか面白い知り合いが多いな貴殿には。この関係は大切にされた方が良いと思うぞ?」
ライジング公爵自身はとても上機嫌だった。お父様やメイサ、シルが尾行していたことを咎めるつもりは一切ないらしい。まあ、ライジング公爵が怒ることではないのは確かかもしれないけれど……。私はとりあえず、お父様たちを睨んでしかめっ面をしてみせた。
「いや、ほんまに堪忍やて、ファリーナちゃん……」
「ファリーナ、ごめんなさい……」
「ホントにゴメン……」
神妙な態度の3人。私は内心では特に怒っていなかったのだけれど、3人とも本当に反省しているようなので、こういう態度を取って正解だったわね。やっぱり、なあなあになってもおかしいし。
「わかったわ……今回の件については許します……次はありませんけどね?」
「ひいっ!」
最後に3人はとても狼狽した表情を見せていた……。
--------------------------
それから話は一段落し、お父様たちは帰るのかと思いきや……
「そういえば、ライジング公爵。お話しがあるんですが……」
「バロンド・オルスト伯爵自ら、私にですか……? なんでしょうか?」
ライジング公爵は本来はお父様よりかなり上の存在にはなるはずだけれど、私の父親という観点からか、敬語で話していた。二人はその後、店から出て行く……。
「えっ? 一体なんなの……?」
「ファリーナこれって……」
「ただごとじゃないわよね……」
メイサとシルも二人が出て行ったことに心配の表情を浮かべていた。私も一抹の不安が頭をよぎった瞬間でもあった。
「ライジング公爵、お食事中失礼かとは思いますが……」
「どうした、ファリーナ?」
「あの……先ほどから聞こえて来る、非常に聞き覚えのある声の主を突き止めたいと思いまして……」
私は昼食の席に水を差すようで悪い気はしていたけれど、気になって仕方ないのでライジング公爵に伝えてみた。
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「いや~~~ファリーナちゃんのことが心配でな~~~! これも親心ってやつやで?」
「お父様……ライジング公爵の御前ですよ……?」
私に内緒で尾行をしていたお父様。とりあえず、軽い罰としてライジング公爵を引き合いに出してみた。
「ああ……それは、叶わんな、ファリーナちゃん……」
普段は陽気なお父様も、流石にライジング公爵の前では静かになっていた。それから、メイサとシルの二人にも私は睨みを利かせる。
「ひっ……!」
「わ、私達もファリーナが心配で……!」
私も別に怒っているわけではなかったけれど、とりあえずメイサとシルには無言の圧力を掛けておいた。私のことを心配してくれたのは事実だろうけど、楽しんで行っていたのも事実だろうし……。
「ははは、ファリーナ。なかなか面白い知り合いが多いな貴殿には。この関係は大切にされた方が良いと思うぞ?」
ライジング公爵自身はとても上機嫌だった。お父様やメイサ、シルが尾行していたことを咎めるつもりは一切ないらしい。まあ、ライジング公爵が怒ることではないのは確かかもしれないけれど……。私はとりあえず、お父様たちを睨んでしかめっ面をしてみせた。
「いや、ほんまに堪忍やて、ファリーナちゃん……」
「ファリーナ、ごめんなさい……」
「ホントにゴメン……」
神妙な態度の3人。私は内心では特に怒っていなかったのだけれど、3人とも本当に反省しているようなので、こういう態度を取って正解だったわね。やっぱり、なあなあになってもおかしいし。
「わかったわ……今回の件については許します……次はありませんけどね?」
「ひいっ!」
最後に3人はとても狼狽した表情を見せていた……。
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それから話は一段落し、お父様たちは帰るのかと思いきや……
「そういえば、ライジング公爵。お話しがあるんですが……」
「バロンド・オルスト伯爵自ら、私にですか……? なんでしょうか?」
ライジング公爵は本来はお父様よりかなり上の存在にはなるはずだけれど、私の父親という観点からか、敬語で話していた。二人はその後、店から出て行く……。
「えっ? 一体なんなの……?」
「ファリーナこれって……」
「ただごとじゃないわよね……」
メイサとシルも二人が出て行ったことに心配の表情を浮かべていた。私も一抹の不安が頭をよぎった瞬間でもあった。
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