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3話 幼馴染 その1
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「ラーナ、帰って来ないわね……」
ラーナが出かけて何時間経過したのか……。私は彼女の心配をしていた。別に身を案じていたわけではないけれど……それよりも、なんだか変なことを企んでないか、そっちの方が気になったりしていた。
私は自分の部屋のベッドで寝転がり、うなだれていると……。
「ウェルナ!」
「ひゃあ……!!」
私はいきなり入って来た男性の声に心底驚いてしまった。勢い余って、近くにあった枕を投げてしまった。入って来た男性に命中する。
「うぶ……ウェルナ……僕だ、ルークだ……! 怪しい者じゃないよ……」
「えっ!? ルーク……?」
私は一瞬、目を疑ってしまった……。幼馴染のルーク・アランドラ公爵令息……その人物本人がいきなり現れたのだから。
「ひ、久しぶりね、ルーク……1年振りくらいかしら?」
「そう言えば、まともに会うのはそれくらいか……元気にしてたかい?」
「ええ、なんとかね……」
本当は、婚約破棄の直後だから元気とは言えないけれど……私は幼馴染であるルークとの再会を喜んでいた。ルークとは相当な階級差があるから、呼び捨ては不味いのだけれど……私は以前の呼び方で彼を呼んでいた。
……私の初恋の相手でもあるんだし……。
「まあ、懐かしむのはこのくらいにして、それより聞いたよ、ウェルナ……!」
「な、なにを……!?」
私はルークの気迫に気圧されるように、後ろに引いてしまった。そんな私を見て、彼は少し落ち着いたようだけれど、すぐに言葉を続ける。
「婚約破棄のことさ! ああ、ウェルナ……今の君の心はズタズタになっているだろうな……!」
婚約破棄の話し……? ああ、ラーナから聞いたのかしら? それで、私を心配して来てくれたと言うの? それを裏付けるように、ルークは涙を流しながら、私の肩を掴んでいた。そ、そこまで深刻になられると、私としても困るんだけど……。でも、初恋の人に心配されるのは正直嬉しいけどね!
私の内心は意外にも満たされていた。
「僕が不甲斐ないばかりに……君に苦労を掛けてしまった……。政略結婚の為の婚約なんて、許さなければこんなことには……!」
「いや、でも……お父様も悪気があったわけじゃないんだし……」
「す、済まない……父君のことを悪く言ったつもりはないんだ……」
「わかってるってば、そんなに気にしないで」
「ああ、そう言って貰えると助かるよ……」
何となくだけれど、ルークとは両想いなんじゃないかって、今ではそう思える。私の婚約が決まったあの時……私は焦っていたから……。そう、誰も悪くない……あ、婚約破棄をしたセドルは別だけれど。婚約が決まった段階で悪かったのは……多分、私ね。私は当時のことを思い出していた……。
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私は自分の部屋のベッドで寝転がり、うなだれていると……。
「ウェルナ!」
「ひゃあ……!!」
私はいきなり入って来た男性の声に心底驚いてしまった。勢い余って、近くにあった枕を投げてしまった。入って来た男性に命中する。
「うぶ……ウェルナ……僕だ、ルークだ……! 怪しい者じゃないよ……」
「えっ!? ルーク……?」
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本当は、婚約破棄の直後だから元気とは言えないけれど……私は幼馴染であるルークとの再会を喜んでいた。ルークとは相当な階級差があるから、呼び捨ては不味いのだけれど……私は以前の呼び方で彼を呼んでいた。
……私の初恋の相手でもあるんだし……。
「まあ、懐かしむのはこのくらいにして、それより聞いたよ、ウェルナ……!」
「な、なにを……!?」
私はルークの気迫に気圧されるように、後ろに引いてしまった。そんな私を見て、彼は少し落ち着いたようだけれど、すぐに言葉を続ける。
「婚約破棄のことさ! ああ、ウェルナ……今の君の心はズタズタになっているだろうな……!」
婚約破棄の話し……? ああ、ラーナから聞いたのかしら? それで、私を心配して来てくれたと言うの? それを裏付けるように、ルークは涙を流しながら、私の肩を掴んでいた。そ、そこまで深刻になられると、私としても困るんだけど……。でも、初恋の人に心配されるのは正直嬉しいけどね!
私の内心は意外にも満たされていた。
「僕が不甲斐ないばかりに……君に苦労を掛けてしまった……。政略結婚の為の婚約なんて、許さなければこんなことには……!」
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