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ユウトVSゼノス中編
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「勝った! 勝ったぞ! これが私に逆らう奴らの末路だ」
漆黒の空間な中、クーソの声が響き渡る。
「ゼノス、もういいぞ。目標である二人⋯⋯いや、三人を始末した。後は例の者の力を借りてこの国を脱出するだけだ」
クーソが命令するとゼノスは、発生させた闇を消し去っていく。そしてこの闘技場に残ったのは、地面にひれ伏した大勢の観客達と兵士、リシャールだった。
だが⋯⋯
「ば、バカな! 何故貴様らが立っている! 何故魂を抜かれていないのだ!」
そう⋯⋯俺達はクーソの言葉通り、漆黒の闇に呑まれても魂を抜かれず、その場に存在していた。
「何故? それはゼノスの攻撃が効いてないからに決まっているだろ?」
「そんなバカなことが⋯⋯はっ! まさか貴様! アーホを利用したのか!」
「その通りだ。人を救うことが出来たんだ。英雄の子孫として本望だろ」
「貴様! 我が弟を利用するとは許さん!」
俺は漆黒の闇が広がった時、アーホの死体を手にセインの元へ向かったのだ。
おそらくアーホはクーソと同様にゼノスに攻撃されないための何かを持っているとふんだのだ。
すると案の定漆黒の闇が迫った時、アーホの胸ポケットの中にあった宝玉が光出し皆を守ってくれたのだ。
結果、俺達全員は生き残ることに成功したが、最悪宝玉がなくても俺だけは大丈夫だという算段はあった。女神からもらった聖属性と剣がもっている聖属性、この二つがあれば俺は闇に呑まれることはないと。
「さて、お遊びはここまでだ」
これが奥の手だったら奴らに勝ち目はない。
後はこの剣を使ってゼノスを倒すだけだ。
「クク⋯⋯」
ん? クーソは俯いて何か呟いているな。
「クク⋯⋯クックック⋯⋯」
笑っている? 敗北する可能性が高くなり気でも触れたか。
仮にゼノスが倒され、クーソが捕縛されたら一族全員が打ち首だろうな。
王子二人と王女の命を狙ったのだ。それでも罪は軽いくらいだ。
「クク⋯⋯クックック⋯⋯ふははははっ!」
そしてクーソは脇目を振らず、大声で笑い出す。
これはまだ何かありそうだな。
クーソの瞳は自棄になっているわけでもなく、諦めているわけでもなく、まだまだ自信に満ちているように感じた。
「まさかゼノスの闇を防いだことで勝った気でいたのか?」
「祝杯でも上げるつもりだったが悪いか?」
もちろんそんなことは全く考えていない。
相手を油断させるために話に付き合ってやっているだけだ。
俺は前世で何度も油断し、慈悲の心を出して痛い目を見てきた。この新しい世界で同じ轍を踏む訳にはいかない。
「クックック⋯⋯今のゼノスを先程までのゼノスとは思うな!」
「どういうことだ?」
「ゼノスは魂を吸えば吸うほど力が増すのだ!」
「なんだと!」
「今この壺の中には何千、何万という魂が入っている。魂が消え去るまでの時間、ゼノスは神にも近し力を持っているということだ!」
わざと驚いた声を出してやったが、弱点をベラベラと喋るとはバカなのかと問うてやりたい。一時間経てばその力は消える。最悪それまで時間を稼げばいいだけだ。だが⋯⋯
「見よ! これがゼノスの真の力だ!」
クーソの命令でゼノスが鎌を振る。
すると黒き刃で地面を割れ、その衝撃波が観客席まで届き破壊していく。
「一度鎌を振っただけで闘技場が⋯⋯」
「こ、こんな力⋯⋯見たことないです」
「くっ! まさかゼノスがここまでの化物だったなんて」
「姉さん⋯⋯」
ゼノスのたった一度の攻撃で四人は震え、恐怖を露にしていた。
その気持ちはわからなくもない。
結界で外に逃げることが叶わず、何千何万といた人達は魂を奪われ地面にひれ伏している。おまけにそれを行ったのは伝説の魔物だ。
恐怖を抱かない方がおかしい。
「セイン」
「は、はい」
俺はセインを呼び出しあることを小声で伝える。
「出来るか?」
「それは⋯⋯はい。そのような状況になれば」
「頼んだぞ」
幼いながらもセインの目はこの絶望な状況でも死んでなかった。
さすがは王になろうとしているだけはある。
「三人とも下がっていろ」
「下がっていろってまさかお一人で戦うつもりですか!」
「ああ」
「嫌です! 足手まといかもしれませんが私も一緒に戦います」
初めてリアが俺の命令に逆らったな。
自分の意見を持つことは悪いことではない。俺の身を案じてのことなので少し嬉しくなってしまうが、今はその想いは閉まってもらう。
「お二人も同じ気持ちだと思います」
リアの問いにフローラとオルタンシアが頷く。
「お願いします。どうか私達も一緒に――」
「勘違いするな。あのような雑魚を相手に、お前達の手を借りるまでもないと言ってるんだ」
「えっ? それって⋯⋯」
「今のゼノスに勝てると言うことですか!?」
俺は四人に背を向ける。
言葉で伝えてもそれはあくまで言葉でしかない。
本当の信頼を得るために今必要なのは結果だ。
「これからお前達がたどり着かないとならない境地を見せてやる」
そして俺は言葉を残し、両手に持った剣を携えてゼノスの元へ向かうのであった。
漆黒の空間な中、クーソの声が響き渡る。
「ゼノス、もういいぞ。目標である二人⋯⋯いや、三人を始末した。後は例の者の力を借りてこの国を脱出するだけだ」
クーソが命令するとゼノスは、発生させた闇を消し去っていく。そしてこの闘技場に残ったのは、地面にひれ伏した大勢の観客達と兵士、リシャールだった。
だが⋯⋯
「ば、バカな! 何故貴様らが立っている! 何故魂を抜かれていないのだ!」
そう⋯⋯俺達はクーソの言葉通り、漆黒の闇に呑まれても魂を抜かれず、その場に存在していた。
「何故? それはゼノスの攻撃が効いてないからに決まっているだろ?」
「そんなバカなことが⋯⋯はっ! まさか貴様! アーホを利用したのか!」
「その通りだ。人を救うことが出来たんだ。英雄の子孫として本望だろ」
「貴様! 我が弟を利用するとは許さん!」
俺は漆黒の闇が広がった時、アーホの死体を手にセインの元へ向かったのだ。
おそらくアーホはクーソと同様にゼノスに攻撃されないための何かを持っているとふんだのだ。
すると案の定漆黒の闇が迫った時、アーホの胸ポケットの中にあった宝玉が光出し皆を守ってくれたのだ。
結果、俺達全員は生き残ることに成功したが、最悪宝玉がなくても俺だけは大丈夫だという算段はあった。女神からもらった聖属性と剣がもっている聖属性、この二つがあれば俺は闇に呑まれることはないと。
「さて、お遊びはここまでだ」
これが奥の手だったら奴らに勝ち目はない。
後はこの剣を使ってゼノスを倒すだけだ。
「クク⋯⋯」
ん? クーソは俯いて何か呟いているな。
「クク⋯⋯クックック⋯⋯」
笑っている? 敗北する可能性が高くなり気でも触れたか。
仮にゼノスが倒され、クーソが捕縛されたら一族全員が打ち首だろうな。
王子二人と王女の命を狙ったのだ。それでも罪は軽いくらいだ。
「クク⋯⋯クックック⋯⋯ふははははっ!」
そしてクーソは脇目を振らず、大声で笑い出す。
これはまだ何かありそうだな。
クーソの瞳は自棄になっているわけでもなく、諦めているわけでもなく、まだまだ自信に満ちているように感じた。
「まさかゼノスの闇を防いだことで勝った気でいたのか?」
「祝杯でも上げるつもりだったが悪いか?」
もちろんそんなことは全く考えていない。
相手を油断させるために話に付き合ってやっているだけだ。
俺は前世で何度も油断し、慈悲の心を出して痛い目を見てきた。この新しい世界で同じ轍を踏む訳にはいかない。
「クックック⋯⋯今のゼノスを先程までのゼノスとは思うな!」
「どういうことだ?」
「ゼノスは魂を吸えば吸うほど力が増すのだ!」
「なんだと!」
「今この壺の中には何千、何万という魂が入っている。魂が消え去るまでの時間、ゼノスは神にも近し力を持っているということだ!」
わざと驚いた声を出してやったが、弱点をベラベラと喋るとはバカなのかと問うてやりたい。一時間経てばその力は消える。最悪それまで時間を稼げばいいだけだ。だが⋯⋯
「見よ! これがゼノスの真の力だ!」
クーソの命令でゼノスが鎌を振る。
すると黒き刃で地面を割れ、その衝撃波が観客席まで届き破壊していく。
「一度鎌を振っただけで闘技場が⋯⋯」
「こ、こんな力⋯⋯見たことないです」
「くっ! まさかゼノスがここまでの化物だったなんて」
「姉さん⋯⋯」
ゼノスのたった一度の攻撃で四人は震え、恐怖を露にしていた。
その気持ちはわからなくもない。
結界で外に逃げることが叶わず、何千何万といた人達は魂を奪われ地面にひれ伏している。おまけにそれを行ったのは伝説の魔物だ。
恐怖を抱かない方がおかしい。
「セイン」
「は、はい」
俺はセインを呼び出しあることを小声で伝える。
「出来るか?」
「それは⋯⋯はい。そのような状況になれば」
「頼んだぞ」
幼いながらもセインの目はこの絶望な状況でも死んでなかった。
さすがは王になろうとしているだけはある。
「三人とも下がっていろ」
「下がっていろってまさかお一人で戦うつもりですか!」
「ああ」
「嫌です! 足手まといかもしれませんが私も一緒に戦います」
初めてリアが俺の命令に逆らったな。
自分の意見を持つことは悪いことではない。俺の身を案じてのことなので少し嬉しくなってしまうが、今はその想いは閉まってもらう。
「お二人も同じ気持ちだと思います」
リアの問いにフローラとオルタンシアが頷く。
「お願いします。どうか私達も一緒に――」
「勘違いするな。あのような雑魚を相手に、お前達の手を借りるまでもないと言ってるんだ」
「えっ? それって⋯⋯」
「今のゼノスに勝てると言うことですか!?」
俺は四人に背を向ける。
言葉で伝えてもそれはあくまで言葉でしかない。
本当の信頼を得るために今必要なのは結果だ。
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