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3巻
3-3
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「兄さん、余計なことを言わないでちょうだい!」
「いや、ラフィーネもルナ代表やリックくんと気兼ねなく話せた方がいいと思って。時間が経てば経つ程素の自分を出しづらくなりますよ」
「確かにそうだけど……」
ラフィーネさんはチラリとルナさんに視線を向ける。
自分を尊敬してくれるルナさんのことをガッカリさせたくないのだろうか。
「大丈夫です。私は以前ラフィーネ様やシオン様とお会いしていますから」
ん? てっきりルナさんはラフィーネさん達とは初対面だと思ったんだが、面識があるのか?
「ああ、リックくんは余所の国から来たから知らないのか。この二人はかつて勇者パーティーの一員だったんだよ」
「えっ!」
ラフィーネさんとシオンさんが元勇者パーティー? つまり、二人はジルク商業国の勇者パーティーということか。グランドダイン帝国が認めたハインツ達とは違う勇者パーティーだ。
「私は幼き頃、魔物に襲われたところをラフィーネ様に助けていただきました。その時のラフィーネ様は今よりお茶目な方だったのをよく覚えています」
「……私の性格はバレちゃっているのね。てっきり兄さんが面白おかしく私のことをルナさんに伝えているんだと思っていたけど、違ったみたい」
「ラフィーネは兄を何だと思っているんですか」
「忘れたとは言わせないわよ。過去に何度兄さんにからかわれたか。あれは初めて冒険に出た時……」
何だか思い出話が始まってしまったぞ。さっきまでの張り詰めた空気はどこに行ってしまったんだ。
「ラフィーネ、今日はそんなことを伝えるためにここに来たわけじゃないですよね?」
「そうね。私はアルテナ様に言われてこのズーリエの街にやってきました」
「えっ?」
この人今、サラッととんでもないことを言わなかったか?
「すみません。もう一度お聞きしてもよろしいですか?」
「ええ、問題ないわ。私は女神アルテナ様に言われてズーリエの街を訪れたの」
やはり聞き間違いではなかった。だけどアルテナ様と話ができるなんて信じられるか? いや、俺もアルテナ様と話すことができたな。それなら、ラフィーネさんがアルテナ様と話すことができないなんて決めつけるのもおかしな話だ。
「リックくん、私のことを見て。そうすれば全てがわかるはずよ」
「えっ?」
見てってどういうことだ? 現状俺はラフィーネさんに視線を向けているので、見ているといえば見ているけど……
「ラフィーネ? どうしました? しばらく見ない間に痴女にジョブチェンジしたのですか?」
「ち、違うわ兄さん! アルテナ様がリックくんにそう伝えれば、私の言っていることを理解してくれると……」
もしかして鑑定のことを言っているのか? もしそうだとしたら、それだけでラフィーネさんはアルテナ様のことを知っている可能性が高くなる。
「さあ、どうぞ。けど、エッチなことはやめてね」
「リックさん、やめてくださいね」
「は、はい」
ラフィーネさんに続いてルナさんも笑顔で話しかけてきたが、すごいプレッシャーをかけられた気がする。
と、とにかくラフィーネさん本人から許可を得ているし、鑑定してみるか。
俺はラフィーネさんに向かって鑑定スキルを使用してみる。
名前:ラフィーネ
性別:女
種族:人間
レベル:55/150
称号:サラダーン州の代表者・好奇心旺盛・お転婆
力:82
素早さ:162
防御力:121
魔力:2021
HP:232
MP:492
スキル:魔力強化B・簿記・料理・神託
魔法:神聖魔法クラス6
さすが元勇者パーティー、能力が比較的高めだ。称号の【好奇心旺盛】と【お転婆】が気になるが、それ以上にスキルの欄にある【神託】が引っかかる。
神のお告げを聞くことができる能力だと思うけど、まさかこのスキルでアルテナ様と交信することができるのか?
「どう?」
ラフィーネさんが俺に問いかけてくる。
「ラフィーネさんは神託……というスキルを持っていますね。これでアルテナ様とお話をされたのかと」
俺の言葉にラフィーネさん、シオンさん、ハリスさん、テッドが驚きの表情を浮かべる。
「もしよろしければ、何故私が神託のスキルを持っていることがわかったのか教えていただいても?」
鑑定スキルについて知っているのはルナさんだけだ。それだけこのスキルは強力なものだし、他の人に知られたくないものでもある。
でも、俺はここにいる人達になら伝えてもいいと思っていた。特にラフィーネさんはこの国の権力者であり、人間的にも好ましい人物だ。何よりアルテナ様と交信できるような人が、今後後ろ盾になってくれれば心強い。そのためにもある程度の情報開示をすると共に、どこまでアルテナ様から俺のことを聞いているのか確認しておきたいな。
「俺は鑑定というスキルを持っていて、相手の能力を知ることができるんです」
「鑑定……そのようなスキルがあるなんて驚きです」
「戦いの際にあればこの上なく便利ですな」
ハリスさんとシオンさんが感心したように呟いた。
「アルテナ様とお話しできる神託もすごいスキルだと思いますが、他人には言えませんね」
女神の代行者として祭り上げられそうな感じだが、実際にそのような状況になっていないということは秘密なのだろう。
「さすが兄さんが認めるだけはあるわ。理解が早くて助かります。それに私のスキルは、いつどこででも使用できるものではないから」
「え~と、それはどういう……」
「私が女神様からお告げをいただけるのは、夢の中だけなの」
お告げか……もしかしてテッドと戦う前にラフィーネさんが言いかけたのは、お告げのことだったのかな。
「しかも内容を選ぶことはできないので不便よ。昨日なんて今日の夕食の内容だったから」
「そ、それは何というか、少し楽しみが減ってしまいますね」
ルナさんはお告げの内容に苦笑いを浮かべた。
「夢でそんなものを見せられても困ってしまいますね」
「そうなの! 朝からお腹が空いて困っちゃうわ」
そういう問題か? それにしても、アルテナ様は何てものを夢で見せているんだ。
「リックくんの時も『会って味方になってもらえ。私のことを見てもらえば仲間になってもらえる』としか言ってくれなかったのよ。それと、ルナさんと一緒にいるところを見せられて……」
何故かラフィーネさんは俺から視線を外し、顔を赤くする。
何だかものすごく嫌な予感がするんだが、気のせいだろうか。
「リックくんとルナさんが一緒のお布団で寝ていて……ルナさんは朝方あられもない姿に……」
「いや、それは……」
マジであの女神は何てものを夢で見せているんだ!
よりによって俺の人間性が疑われるシーンを見せなくても。絶対わざとだろあの女神! 次会った時に痛い目を見せてやるからな!
だけど今の話を聞く限り、俺が異世界転生者であることや、万能の転生特典である創聖魔法を使えることまでは知らないようだ。さすがにこの二つに関してはまだ隠しておきたいから黙っていよう。
「きっと女神様のいたずらでしょう。俺はそんなことしませんよ。それより俺の方こそ、サラダーン州の代表と親しくなれるのはとても嬉しいです。こちらこそよろしくお願いします」
「まあ、それはよかったわ。ルナさんもよろしくね」
「はい!」
こうして俺達とラフィーネさんとの邂逅は、女神アルテナ様の神託もあり、良好? なものとなった。
「それでは街をご案内します。その後はラフィーネ様達の歓迎会を準備していますので」
「ありがとう。とても楽しみだわ」
ラフィーネさん一行は俺達の後に続いて、北門からズーリエの街に入る。
しかし、俺はそのうちの一人が街に入ることを許さなかった。
「テッドさん、しれっと街に入ろうとしないでくださいね」
「ちっ! 覚えていたか」
「覚えてますよ。負けたらこの街にいる間奴隷になるって、自分から口にしましたからね」
「くっ!」
そんなに悔しそうな顔をしても俺は許さない。けれど本当に奴隷の首輪をはめるわけにもいかないので、俺はある提案をすることにした。
そして俺達はラフィーネさんを連れて街の観光に向かい、テッドはある紙をぶら下げて北門の前に正座させられることとなった。
「なあにあれ? 本当にお願いごとを聞いてくれるのかしら」
北門を通る人々が皆、正座しているテッドへと視線を向ける。何故ならテッドがぶら下げている紙にはこう書かれているからだ。
【私はこの街をバカにした愚か者です。罰としてこの街の方々に奉仕させていただきますので、なんなりとご命令ください】
「くそっ! 何で俺がこんな目に!」
テッドは文句を言っているが、衛兵の一人に見張りを頼んでいるのでサボることはできない。
テッドはただ、ズーリエの街の人々のために献身的に働くしかないのであった。
第三章 繋がっていく真相
ラフィーネさん達に一通り街を案内した後、俺達は夕焼けで赤く染まった街並みを横目に役所へと向かった。
「ズーリエの街をゆっくり観光することができて楽しかったわ。最近は忙しくてこんな風にのんびりする機会がなかったもの」
「サラダーン州の代表ともなると忙しいですよね」
俺の言葉に、ラフィーネさんはため息をついた。
「最近は魔物の討伐ばかりしていて」
「魔物の討伐……ですか」
ジルク商業国の州の代表になると、魔物の討伐をしなければならないのか? いや、それはラフィーネさんが元勇者パーティーだから特別なのだろう。
「そのことについては後でお話しするわね」
ラフィーネさんは周囲に目を向ける。
なるほど、人前では話したくない内容というわけか。
「それでは、役所の部屋で少し休憩しましょうか」
そして俺達はルナさんの提案で役所の奥の部屋へと移動する。
夕方だったためか、役所の中にほとんど人はおらず、騒ぎにならずに奥の部屋へと行くことができた。
「ふう……」
椅子に座ったラフィーネさんは、蒸し暑い中ズーリエの街を歩いたせいか、額に汗を浮かべていた。
汗だくな美人の姿って色っぽいな。
思わず見惚れてしまいそうになるが、今はラフィーネさんをもてなすことが優先だ。
「飲み物の用意は俺がしてもいいかな?」
「お願いします」
俺はルナさんに許可をもらい、異空間に手を伸ばして、あるものが入った瓶とコップを取り出す。
「綺麗~」
「確かに、このような透明で綺麗なものは見たことがありません」
「まさかガラス? でも、私の知っているガラスはもっと不純物が混ざっていて、ここまで透明じゃないわ」
「それに今、何もないところから……これはテッドと戦った時に剣を出したのと同じ現象か」
ラフィーネさんは楽しそうに、シオンさんは驚いた表情で異空間から出てきたものを見ている。
「これはラフィーネさんの言うとおりガラスですね。こことは違う空間にしまってあるものを魔法で取り出しました」
「そのような魔法は聞いたことがないぞ」
「それは……ひとまず置いておいて、まずはこちらをお召し上がりください」
俺は異空間から取り出した瓶の中身をガラスのコップに入れた。するとたちまち、透明の液体から泡が湧き立ち、シュワシュワと音が聞こえてくる。
「これは何かしら?」
「水? だが何やら泡が立っているような……」
ラフィーネさんとシオンさんは恐る恐るコップを手に持つ。
「冷たい」
「そうですね。少なくとも冷えた飲み物であることは間違いなさそうだ」
そして二人はゆっくりとコップの中身を飲んでいくと……
「おいしい!」
「うまい!」
感激したように叫んだ。
よし! どうやら二人に受け入れてもらうことができたようだ。一応ルナさんにも先に飲んでもらって、おいしいとの言葉はもらっていたが、上手くいってよかった。
俺がラフィーネさんとシオンさんに提供した飲み物、これは前の世界にあったサイダーだ。この世界ではエール以外に炭酸の入った飲み物はないので、創造魔法を使って創ってみたのだ。
甘く清涼感溢れるこの飲み物なら、きっと受け入れてもらえると思っていた。
「おかわりをお願い!」
「私もぜひ!」
二人とも我先にとコップを差し出してきたので、俺は要望に応えてサイダーを再び八分目まで注ぐ。
するとラフィーネさんとシオンさんは、がっつくように喉を鳴らしながらサイダーを飲み干した。
「この上品な甘さはどうやって作っているの!」
「口の中で弾ける感触がたまらない。こんなにおいしい飲み物があるなんて」
「そこまで二人が称賛するなんて、私も飲んでみたいものですな」
「ハリスさんもルナさんも、どうぞお召し上がりください」
俺は二人にもガラスのコップを渡してサイダーを注ぐ。
「昨日いただきましたが、いつ飲んでもおいしいですね」
「なるほど。これはうまい。ラフィーネのために何かをしていると思っていましたが、まさかこのようなものを用意していたとは」
「ルナさんに頼まれたので協力させていただきました」
そう、ルナさんからラフィーネさんを最高の料理でもてなしたいと相談を受けていたので、俺は力を貸すことにしたのだ。
「このような飲み物が出てくるとなると、今夜の料理もお告げで見たとおり期待できそうね」
そういえば、ラフィーネさんは夢の中で今日の夕食を見たと言っていたな。
せっかくラフィーネさんを驚かそうと思っていたのに、アルテナ様は余計なことを……
次会えたら絶対に文句を言ってやる。
「あまりにも飲み物がおいしくて、話が逸れてしまったけれど」
それは最大の賛辞だな。サイダーを準備してよかった。
「私達は魔物を倒す旅をしていて、今回ズーリエに来たのはリックくんに会うことと、クイーンフォルミの討伐が目的だったの」
「ジルク商業国内で魔物の数が増えているから、ラフィーネさんが自ら討伐を?」
国のトップに近い人物が魔物討伐に出るなんて普通ではない。本来なら冒険者の仕事だ。けどラフィーネさんは元勇者パーティーだし、書類とにらめっこしているより、外で魔物を倒すことの方が好きそうだな。
「それもあるけど……もしかして今、私がお転婆だから魔物討伐をしているって思った?」
「す、少し思いました」
だって称号にも【お転婆】ってあったから、そう考えるのも仕方のないことだよな。
「正直ね。そういうところは嫌いじゃないわ」
「ラフィーネ、話がずれていますよ」
「兄さんは横から口を出さないで。私はリックくんとコミュニケーションを取っているところなんだから」
俺もラフィーネさんの素直なところがけっこう好きですなんて言ったら、ハリスさんが言うように話がずれてしまうからやめておこう。
「え~と、それでジルク商業国内で発生している魔物だけど、通常の魔物とは違って何倍も強いの」
「通常の魔物より強い……」
それは覚えがある。何故なら俺が倒したクイーンフォルミも……
「私達はその魔物を異常種と呼んでいるわ。国内の上位ランクの冒険者が幾人も殺されているから、私達が代わりに討伐に出ることにしたの」
ラフィーネさんの言う異常種は、魔王化と無関係ではないだろう。俺はこの場にいる人達に、クイーンフォルミの鑑定結果を話すことにする。
「ラフィーネさん、その異常種の魔物ですが、会話をしませんでしたか?」
「会話? いえ、そのような現象は見られなかったわ」
「俺が戦ったクイーンフォルミは、片言でしたが話をしていました」
「会話……だと……我々は十匹程異常種を倒したが、そのような個体は一度も……」
絶句するシオンさんに、ラフィーネさんが眉を寄せて言う。
「もしかしてそれは中型、小型の異常種だったからでは? 私達はクイーンフォルミのような大型の異常種に会ったことはないから」
なるほど。ラフィーネさん達は今まで、クイーンフォルミのような知能が高めの異常種とは出会わなかったということなのか。大型の魔物は脳も大きいからそれだけ知性があると言われているけど、魔物が人の言語を喋るなんて想像できないことだよな。
「異常種が何故発生しているか、原因はわからないのですか?」
「今のところ、わかっていないわ」
「ではその魔物が異常種かどうかの判断はどうやって……」
鑑定スキルも持たないのに、その魔物が異常種であるかどうかをどうやって判断していたのか気になるところだ。
「それはアルテナ様が神託を授けてくださったから。それとクイーンフォルミに関しては、リックくんが倒してくれるとお告げがあったの」
何だ。ちゃんとアルテナ様も仕事をしているじゃないか。少しだけ見直したぞ。
「でも、現状は手詰まりね。異常種が何なのかわかっていないし、アルテナ様のお告げがなければ、魔物の居場所すらわからない」
「その異常種ですが、一つ気になることが……」
「気になること? 異常種の手がかりになることなら、どんな些細なことでも知りたいわ」
ラフィーネさんは真剣な目で訴えてきた。
俺はこの目を知っている。ルナさんが街をよくしようと考えている時と同じ目だ。
「前にクイーンフォルミに鑑定スキルを使った時に視えたんです」
「見えたって……何が?」
「名前の下に、魔王化の文字が」
「「ま、魔王化!?」」
魔王という言葉を聞いて、皆驚きの表情を浮かべる。
「はい。ですからラフィーネさん達が倒した異常種も、もしかしたら魔王化した魔物の可能性があるかと」
「しかし、魔王は百年以上前に勇者によって倒されているはず」
そう、ハリスさんの言うとおり、世界を滅ぼしかけた魔王は過去に勇者によって倒されている。そしてそれ以降、力がある者は各国で勇者として認定されるようになったんだ。
「いや、ラフィーネもルナ代表やリックくんと気兼ねなく話せた方がいいと思って。時間が経てば経つ程素の自分を出しづらくなりますよ」
「確かにそうだけど……」
ラフィーネさんはチラリとルナさんに視線を向ける。
自分を尊敬してくれるルナさんのことをガッカリさせたくないのだろうか。
「大丈夫です。私は以前ラフィーネ様やシオン様とお会いしていますから」
ん? てっきりルナさんはラフィーネさん達とは初対面だと思ったんだが、面識があるのか?
「ああ、リックくんは余所の国から来たから知らないのか。この二人はかつて勇者パーティーの一員だったんだよ」
「えっ!」
ラフィーネさんとシオンさんが元勇者パーティー? つまり、二人はジルク商業国の勇者パーティーということか。グランドダイン帝国が認めたハインツ達とは違う勇者パーティーだ。
「私は幼き頃、魔物に襲われたところをラフィーネ様に助けていただきました。その時のラフィーネ様は今よりお茶目な方だったのをよく覚えています」
「……私の性格はバレちゃっているのね。てっきり兄さんが面白おかしく私のことをルナさんに伝えているんだと思っていたけど、違ったみたい」
「ラフィーネは兄を何だと思っているんですか」
「忘れたとは言わせないわよ。過去に何度兄さんにからかわれたか。あれは初めて冒険に出た時……」
何だか思い出話が始まってしまったぞ。さっきまでの張り詰めた空気はどこに行ってしまったんだ。
「ラフィーネ、今日はそんなことを伝えるためにここに来たわけじゃないですよね?」
「そうね。私はアルテナ様に言われてこのズーリエの街にやってきました」
「えっ?」
この人今、サラッととんでもないことを言わなかったか?
「すみません。もう一度お聞きしてもよろしいですか?」
「ええ、問題ないわ。私は女神アルテナ様に言われてズーリエの街を訪れたの」
やはり聞き間違いではなかった。だけどアルテナ様と話ができるなんて信じられるか? いや、俺もアルテナ様と話すことができたな。それなら、ラフィーネさんがアルテナ様と話すことができないなんて決めつけるのもおかしな話だ。
「リックくん、私のことを見て。そうすれば全てがわかるはずよ」
「えっ?」
見てってどういうことだ? 現状俺はラフィーネさんに視線を向けているので、見ているといえば見ているけど……
「ラフィーネ? どうしました? しばらく見ない間に痴女にジョブチェンジしたのですか?」
「ち、違うわ兄さん! アルテナ様がリックくんにそう伝えれば、私の言っていることを理解してくれると……」
もしかして鑑定のことを言っているのか? もしそうだとしたら、それだけでラフィーネさんはアルテナ様のことを知っている可能性が高くなる。
「さあ、どうぞ。けど、エッチなことはやめてね」
「リックさん、やめてくださいね」
「は、はい」
ラフィーネさんに続いてルナさんも笑顔で話しかけてきたが、すごいプレッシャーをかけられた気がする。
と、とにかくラフィーネさん本人から許可を得ているし、鑑定してみるか。
俺はラフィーネさんに向かって鑑定スキルを使用してみる。
名前:ラフィーネ
性別:女
種族:人間
レベル:55/150
称号:サラダーン州の代表者・好奇心旺盛・お転婆
力:82
素早さ:162
防御力:121
魔力:2021
HP:232
MP:492
スキル:魔力強化B・簿記・料理・神託
魔法:神聖魔法クラス6
さすが元勇者パーティー、能力が比較的高めだ。称号の【好奇心旺盛】と【お転婆】が気になるが、それ以上にスキルの欄にある【神託】が引っかかる。
神のお告げを聞くことができる能力だと思うけど、まさかこのスキルでアルテナ様と交信することができるのか?
「どう?」
ラフィーネさんが俺に問いかけてくる。
「ラフィーネさんは神託……というスキルを持っていますね。これでアルテナ様とお話をされたのかと」
俺の言葉にラフィーネさん、シオンさん、ハリスさん、テッドが驚きの表情を浮かべる。
「もしよろしければ、何故私が神託のスキルを持っていることがわかったのか教えていただいても?」
鑑定スキルについて知っているのはルナさんだけだ。それだけこのスキルは強力なものだし、他の人に知られたくないものでもある。
でも、俺はここにいる人達になら伝えてもいいと思っていた。特にラフィーネさんはこの国の権力者であり、人間的にも好ましい人物だ。何よりアルテナ様と交信できるような人が、今後後ろ盾になってくれれば心強い。そのためにもある程度の情報開示をすると共に、どこまでアルテナ様から俺のことを聞いているのか確認しておきたいな。
「俺は鑑定というスキルを持っていて、相手の能力を知ることができるんです」
「鑑定……そのようなスキルがあるなんて驚きです」
「戦いの際にあればこの上なく便利ですな」
ハリスさんとシオンさんが感心したように呟いた。
「アルテナ様とお話しできる神託もすごいスキルだと思いますが、他人には言えませんね」
女神の代行者として祭り上げられそうな感じだが、実際にそのような状況になっていないということは秘密なのだろう。
「さすが兄さんが認めるだけはあるわ。理解が早くて助かります。それに私のスキルは、いつどこででも使用できるものではないから」
「え~と、それはどういう……」
「私が女神様からお告げをいただけるのは、夢の中だけなの」
お告げか……もしかしてテッドと戦う前にラフィーネさんが言いかけたのは、お告げのことだったのかな。
「しかも内容を選ぶことはできないので不便よ。昨日なんて今日の夕食の内容だったから」
「そ、それは何というか、少し楽しみが減ってしまいますね」
ルナさんはお告げの内容に苦笑いを浮かべた。
「夢でそんなものを見せられても困ってしまいますね」
「そうなの! 朝からお腹が空いて困っちゃうわ」
そういう問題か? それにしても、アルテナ様は何てものを夢で見せているんだ。
「リックくんの時も『会って味方になってもらえ。私のことを見てもらえば仲間になってもらえる』としか言ってくれなかったのよ。それと、ルナさんと一緒にいるところを見せられて……」
何故かラフィーネさんは俺から視線を外し、顔を赤くする。
何だかものすごく嫌な予感がするんだが、気のせいだろうか。
「リックくんとルナさんが一緒のお布団で寝ていて……ルナさんは朝方あられもない姿に……」
「いや、それは……」
マジであの女神は何てものを夢で見せているんだ!
よりによって俺の人間性が疑われるシーンを見せなくても。絶対わざとだろあの女神! 次会った時に痛い目を見せてやるからな!
だけど今の話を聞く限り、俺が異世界転生者であることや、万能の転生特典である創聖魔法を使えることまでは知らないようだ。さすがにこの二つに関してはまだ隠しておきたいから黙っていよう。
「きっと女神様のいたずらでしょう。俺はそんなことしませんよ。それより俺の方こそ、サラダーン州の代表と親しくなれるのはとても嬉しいです。こちらこそよろしくお願いします」
「まあ、それはよかったわ。ルナさんもよろしくね」
「はい!」
こうして俺達とラフィーネさんとの邂逅は、女神アルテナ様の神託もあり、良好? なものとなった。
「それでは街をご案内します。その後はラフィーネ様達の歓迎会を準備していますので」
「ありがとう。とても楽しみだわ」
ラフィーネさん一行は俺達の後に続いて、北門からズーリエの街に入る。
しかし、俺はそのうちの一人が街に入ることを許さなかった。
「テッドさん、しれっと街に入ろうとしないでくださいね」
「ちっ! 覚えていたか」
「覚えてますよ。負けたらこの街にいる間奴隷になるって、自分から口にしましたからね」
「くっ!」
そんなに悔しそうな顔をしても俺は許さない。けれど本当に奴隷の首輪をはめるわけにもいかないので、俺はある提案をすることにした。
そして俺達はラフィーネさんを連れて街の観光に向かい、テッドはある紙をぶら下げて北門の前に正座させられることとなった。
「なあにあれ? 本当にお願いごとを聞いてくれるのかしら」
北門を通る人々が皆、正座しているテッドへと視線を向ける。何故ならテッドがぶら下げている紙にはこう書かれているからだ。
【私はこの街をバカにした愚か者です。罰としてこの街の方々に奉仕させていただきますので、なんなりとご命令ください】
「くそっ! 何で俺がこんな目に!」
テッドは文句を言っているが、衛兵の一人に見張りを頼んでいるのでサボることはできない。
テッドはただ、ズーリエの街の人々のために献身的に働くしかないのであった。
第三章 繋がっていく真相
ラフィーネさん達に一通り街を案内した後、俺達は夕焼けで赤く染まった街並みを横目に役所へと向かった。
「ズーリエの街をゆっくり観光することができて楽しかったわ。最近は忙しくてこんな風にのんびりする機会がなかったもの」
「サラダーン州の代表ともなると忙しいですよね」
俺の言葉に、ラフィーネさんはため息をついた。
「最近は魔物の討伐ばかりしていて」
「魔物の討伐……ですか」
ジルク商業国の州の代表になると、魔物の討伐をしなければならないのか? いや、それはラフィーネさんが元勇者パーティーだから特別なのだろう。
「そのことについては後でお話しするわね」
ラフィーネさんは周囲に目を向ける。
なるほど、人前では話したくない内容というわけか。
「それでは、役所の部屋で少し休憩しましょうか」
そして俺達はルナさんの提案で役所の奥の部屋へと移動する。
夕方だったためか、役所の中にほとんど人はおらず、騒ぎにならずに奥の部屋へと行くことができた。
「ふう……」
椅子に座ったラフィーネさんは、蒸し暑い中ズーリエの街を歩いたせいか、額に汗を浮かべていた。
汗だくな美人の姿って色っぽいな。
思わず見惚れてしまいそうになるが、今はラフィーネさんをもてなすことが優先だ。
「飲み物の用意は俺がしてもいいかな?」
「お願いします」
俺はルナさんに許可をもらい、異空間に手を伸ばして、あるものが入った瓶とコップを取り出す。
「綺麗~」
「確かに、このような透明で綺麗なものは見たことがありません」
「まさかガラス? でも、私の知っているガラスはもっと不純物が混ざっていて、ここまで透明じゃないわ」
「それに今、何もないところから……これはテッドと戦った時に剣を出したのと同じ現象か」
ラフィーネさんは楽しそうに、シオンさんは驚いた表情で異空間から出てきたものを見ている。
「これはラフィーネさんの言うとおりガラスですね。こことは違う空間にしまってあるものを魔法で取り出しました」
「そのような魔法は聞いたことがないぞ」
「それは……ひとまず置いておいて、まずはこちらをお召し上がりください」
俺は異空間から取り出した瓶の中身をガラスのコップに入れた。するとたちまち、透明の液体から泡が湧き立ち、シュワシュワと音が聞こえてくる。
「これは何かしら?」
「水? だが何やら泡が立っているような……」
ラフィーネさんとシオンさんは恐る恐るコップを手に持つ。
「冷たい」
「そうですね。少なくとも冷えた飲み物であることは間違いなさそうだ」
そして二人はゆっくりとコップの中身を飲んでいくと……
「おいしい!」
「うまい!」
感激したように叫んだ。
よし! どうやら二人に受け入れてもらうことができたようだ。一応ルナさんにも先に飲んでもらって、おいしいとの言葉はもらっていたが、上手くいってよかった。
俺がラフィーネさんとシオンさんに提供した飲み物、これは前の世界にあったサイダーだ。この世界ではエール以外に炭酸の入った飲み物はないので、創造魔法を使って創ってみたのだ。
甘く清涼感溢れるこの飲み物なら、きっと受け入れてもらえると思っていた。
「おかわりをお願い!」
「私もぜひ!」
二人とも我先にとコップを差し出してきたので、俺は要望に応えてサイダーを再び八分目まで注ぐ。
するとラフィーネさんとシオンさんは、がっつくように喉を鳴らしながらサイダーを飲み干した。
「この上品な甘さはどうやって作っているの!」
「口の中で弾ける感触がたまらない。こんなにおいしい飲み物があるなんて」
「そこまで二人が称賛するなんて、私も飲んでみたいものですな」
「ハリスさんもルナさんも、どうぞお召し上がりください」
俺は二人にもガラスのコップを渡してサイダーを注ぐ。
「昨日いただきましたが、いつ飲んでもおいしいですね」
「なるほど。これはうまい。ラフィーネのために何かをしていると思っていましたが、まさかこのようなものを用意していたとは」
「ルナさんに頼まれたので協力させていただきました」
そう、ルナさんからラフィーネさんを最高の料理でもてなしたいと相談を受けていたので、俺は力を貸すことにしたのだ。
「このような飲み物が出てくるとなると、今夜の料理もお告げで見たとおり期待できそうね」
そういえば、ラフィーネさんは夢の中で今日の夕食を見たと言っていたな。
せっかくラフィーネさんを驚かそうと思っていたのに、アルテナ様は余計なことを……
次会えたら絶対に文句を言ってやる。
「あまりにも飲み物がおいしくて、話が逸れてしまったけれど」
それは最大の賛辞だな。サイダーを準備してよかった。
「私達は魔物を倒す旅をしていて、今回ズーリエに来たのはリックくんに会うことと、クイーンフォルミの討伐が目的だったの」
「ジルク商業国内で魔物の数が増えているから、ラフィーネさんが自ら討伐を?」
国のトップに近い人物が魔物討伐に出るなんて普通ではない。本来なら冒険者の仕事だ。けどラフィーネさんは元勇者パーティーだし、書類とにらめっこしているより、外で魔物を倒すことの方が好きそうだな。
「それもあるけど……もしかして今、私がお転婆だから魔物討伐をしているって思った?」
「す、少し思いました」
だって称号にも【お転婆】ってあったから、そう考えるのも仕方のないことだよな。
「正直ね。そういうところは嫌いじゃないわ」
「ラフィーネ、話がずれていますよ」
「兄さんは横から口を出さないで。私はリックくんとコミュニケーションを取っているところなんだから」
俺もラフィーネさんの素直なところがけっこう好きですなんて言ったら、ハリスさんが言うように話がずれてしまうからやめておこう。
「え~と、それでジルク商業国内で発生している魔物だけど、通常の魔物とは違って何倍も強いの」
「通常の魔物より強い……」
それは覚えがある。何故なら俺が倒したクイーンフォルミも……
「私達はその魔物を異常種と呼んでいるわ。国内の上位ランクの冒険者が幾人も殺されているから、私達が代わりに討伐に出ることにしたの」
ラフィーネさんの言う異常種は、魔王化と無関係ではないだろう。俺はこの場にいる人達に、クイーンフォルミの鑑定結果を話すことにする。
「ラフィーネさん、その異常種の魔物ですが、会話をしませんでしたか?」
「会話? いえ、そのような現象は見られなかったわ」
「俺が戦ったクイーンフォルミは、片言でしたが話をしていました」
「会話……だと……我々は十匹程異常種を倒したが、そのような個体は一度も……」
絶句するシオンさんに、ラフィーネさんが眉を寄せて言う。
「もしかしてそれは中型、小型の異常種だったからでは? 私達はクイーンフォルミのような大型の異常種に会ったことはないから」
なるほど。ラフィーネさん達は今まで、クイーンフォルミのような知能が高めの異常種とは出会わなかったということなのか。大型の魔物は脳も大きいからそれだけ知性があると言われているけど、魔物が人の言語を喋るなんて想像できないことだよな。
「異常種が何故発生しているか、原因はわからないのですか?」
「今のところ、わかっていないわ」
「ではその魔物が異常種かどうかの判断はどうやって……」
鑑定スキルも持たないのに、その魔物が異常種であるかどうかをどうやって判断していたのか気になるところだ。
「それはアルテナ様が神託を授けてくださったから。それとクイーンフォルミに関しては、リックくんが倒してくれるとお告げがあったの」
何だ。ちゃんとアルテナ様も仕事をしているじゃないか。少しだけ見直したぞ。
「でも、現状は手詰まりね。異常種が何なのかわかっていないし、アルテナ様のお告げがなければ、魔物の居場所すらわからない」
「その異常種ですが、一つ気になることが……」
「気になること? 異常種の手がかりになることなら、どんな些細なことでも知りたいわ」
ラフィーネさんは真剣な目で訴えてきた。
俺はこの目を知っている。ルナさんが街をよくしようと考えている時と同じ目だ。
「前にクイーンフォルミに鑑定スキルを使った時に視えたんです」
「見えたって……何が?」
「名前の下に、魔王化の文字が」
「「ま、魔王化!?」」
魔王という言葉を聞いて、皆驚きの表情を浮かべる。
「はい。ですからラフィーネさん達が倒した異常種も、もしかしたら魔王化した魔物の可能性があるかと」
「しかし、魔王は百年以上前に勇者によって倒されているはず」
そう、ハリスさんの言うとおり、世界を滅ぼしかけた魔王は過去に勇者によって倒されている。そしてそれ以降、力がある者は各国で勇者として認定されるようになったんだ。
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