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前門のルル、後門のララ

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 部屋の電気が消され静まり返った頃。

 隣のベッドで美少女2人が寝ている⋯⋯青少年の俺に取ってはとても刺激的な状況ではあるが今日は疲れていて眠気が勝ったこともあり、余計なことを考えずに夢の世界へと行くことができた。

 そして夜が更けて人の気配が完全になくなった頃。

「う~ん⋯⋯トイレ⋯⋯」

 ベッドで寝ていたララさんが身体を起こし、トイレへと向かう。

 正直眠かったが、スルンさんに寝込みを襲われないように周囲の気配に気をつけるよう訓練されていたので目が覚めてしまった。
 まあでもララさんがベッドに戻り、また寝れば俺も再び夢の世界に行くことが出来るだろう。

 だがこの時に予想外のことが起きた。
 突然俺のベッドが軋み背中に暖かい温もりを感じたのだ。

 どどど、どういうことだ!
 どういうことかなんてわかりきっている。ララさんが俺のベッドに侵入してきたんだ。
 口では奴隷になることを嫌がっていたけど本心では俺に御奉仕する気満々だったということか!

 正直どうすればいいかわからない。据え膳食わぬは漢の恥とも言うし勇気を出してくれたララさんのためにもここは俺からリードするべきなのか?

 だが待てよ。あの強気なララさんが男に奉仕するためにベッドに侵入してくるか? ただ眠気が襲う中、間違えて俺のベッドに入ってきた可能性が高い気がする。
 手を出してクラウソラスで切り刻まれるのはごめんだ。ここは少し様子を見よう。
 俺は自分のナイスな意見を実行し、動かずにララさんの動向を探る。すると突然背中に柔らかいものが押し付けられると同時に左手が俺の前にきて抱きしめられる格好となる。

 こ、この背中の感触はララさんの胸だよな! やはり俺を誘っているのか!

 僅かに残っていた俺の理性が今崩壊しようとしていた。だがその理性はこの後感じた気配により何とか踏みとどまることになる。

「う~ん⋯⋯お手洗い⋯⋯」

 先程のララさんと同じ様にルルさんが目を覚ましたのかふらふらと歩きながらトイレへと行く。

「ふう⋯⋯危ない危ない。ララさんに手を出している所をルルさんに見られたら信頼関係が一瞬で失くなってしまう所だった」

 ここは背中の温もりに堪えるしかない。

 そしてルルさんは用を足したのかこちらに戻ってくる。
 だがこの時俺は気づいてしまった。ララさんが俺のベッドで寝ているのがバレたら不味くないか。
 だがもうルルさんはすぐ近くまで来ているため今からララさんを自分のベッドに移すのは不可能だ。もうこのままやり過ごすしかない。

 俺はルルさんがそのままララさんのベッドで寝てくれることを願ったがこの時まさかの事態が起きる。

「姉さん⋯⋯」

 何とルルさんが寝ぼけているのかこちらのベッドに入ってきて前方から俺のことを抱きしめてきた。
 しかも俺の頭を抱きかかえているためルルさんの胸に顔が埋まっている状態だ。

 前からはルルさん、後ろからはララさんと男なら最高に嬉しい状況だけどいつ2人が目を覚ますか心配で正直それどころではない。何とかこの場を逃れたいが下手に動けば2人が起きてしまう可能性があるのでこのまま至福の時間を堪えるしかないのか。
 まさに前門の虎、後門の狼状態だ。

 だけどこのままじっとしていればさすがに2人ともいつか体勢を変えるはず。その時にこの場を抜け出し、2人を元のベッドに運べばミッション終了だ。だから今はこの神が与えてくれた時間を堪能することにしよう。

 それにしても2人とも柔らかくて気持ちいい。この魔物に滅ぼされかけている世界でも天国はあるんだなと実感できる。そして長時間胸を押しつけられていることで2人とも同じくらいの大きさだということがわかった。双子とは見た目だけではなく体型も似るものだと人類の神秘を感じる。

 しかし2人共寝返りのひとつも打たないな。それだけ今の体勢が楽だということなのだろうか。男に身体を擦り寄せ、胸を押しつけている体勢が楽だなんてもしかしたら2人とも真面目な振りをして淫らな一面を持っているのかもしれない。もしそうだとしたら可愛くてスタイルがよくてちょっとエッチなんて完璧な女の子だな⋯⋯って俺はなんて失礼なことを考えているんだ! この柔らかい感触と甘い匂いに頭が麻痺してきているのかもしれない。とにかく今は動かずに我慢してチャンスが来るのを待つんだ。

 俺は心の中の宣言通り、2人が俺を解放するタイミングを待つことにしたが昼間の疲れがあり、いつの間にか夢の中へと旅立って行くのであった。

 そして夜が明けた。
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