異世界転生したら『ハンペン』だけど俺は賭博駄女神(母)と追放悪役令嬢(嫁)と異世界をめっちゃ楽しく生きていく!!!!

白井伊詩

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カニカマ学園編

第30話「闘龍術」

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 クーリーの襲来から翌日、早速ベーゼは彼女の指導を受けることになった。
 
「さて、ベーゼ」
「はい先生」
「師匠と呼べ! そっちの方がテンション上がるさね!」
「あ、はい!」
「さてベーゼ、君がどこまでやれるか少し試させてもらうさね」
「殴り合いですか?」
「コーニコリスから聞いている。女を殴るのに抵抗があると」
「はい……」
 
「人間というのは男の方が肉体的に有利になる。むしろ女を庇護するという考えは普通だ」
「たしかに」
「じゃあ、相手が人間じゃなかったらどうする? 少なくとも眼前にいるのは魔族の中でも唯一種インフェルノドラグーンだ」
「俺よりあなた方が強いのはわかりきっているから大人しく胸を借りろと?」
「聞き分けが良い子も私は好きさね」
「四の五の言ってらんねえか」
 
「いいねえ! じゃあ行くぞ!」
 
 クーリーは指導員向けの戦闘服を脱ぎ捨てて半裸になる。
 
「ちょいちょいちょいちょい! 上着脱ぎ捨てるな! せめて下着くらいはつけて!」
「む? 文句の多い奴だな……これでいいか?」
 
 クーリーは下着とおぼしきものを身につけて構え直す。
 
「ほぼマイクロビキニじゃねえか……」
「じゃあいくぞ」
 
 クーリーが消える。
 
「は――?」
 
 背中に衝撃が走り、ベーゼは大きく吹き飛び地面を抉るよう体がめり込む。
 
「拳の重さが違う……」
 
 ベーゼはクーリーの姿を探そうと顔を上げる。時既に遅しと言わんばかりにクーリーの足裏が目に入る。首をずらしてストンプを回避するが地面に衝撃の波を起こして大地を破壊する。
 
 ベーゼは腕を弾ませて起き上がると、拳を固めてクーリーの腹に一発入れる。肉を打つ感覚こそあったものの全く手応えを感じない。
 
「ぬるいな、せめて防御させてほしいものだ」
 
 クーリーは足を沈めて十分に練られた拳を正しいフォームでベーゼの腹に打ち込む。
 
「ウッ――!」
 
 ベーゼは腹を抱えながら、後ろによろける。
 
「ほう、今のでまだ立てるか」
「しんどい……」
 
「いいスタミナだ。根性もある。魔族ならモテただろうな」
「人間にはうけが悪いのが残念だ」
「ベーゼ……気に入った! お前なら闘龍術を会得できるかもしれんな」
「闘龍術?」
 
「龍に伝わる格闘術だ。龍は火炎や雷を司るものが多く、鉄、木、骨などの武器を破壊してしまうことが多く徒手格闘を主力としている」
「武器が使えないのか」
「しかるに自身の四肢を武器にすればよい、爪と鱗と牙も使うがお前にはないからな。教えるのは徒手格闘の部分だけになる」
「わかった」
 
「まず、基本的な構えとかを教える以前にお前自身の体が技に耐えうるものになっていない」
「体が出来ていない?」
「そうだ、筋力は無駄だらけ、関節や筋や腱といった部分は駆動域が狭い」
「柔軟性か……」
「まず上半身で言えば手首、肩甲骨、下半身は足首に股関節が固い」
 
 クーリーは右足を伸ばしたまま垂直に持ち上げる。さながら新体操のY字バランスにも見えるほど股関節が柔らかい。
 
「武術において体の可動域は絶対条件、これができないうちは技もへったくれもない。これから泣こうが喚こうが滑った転んだ言ってもこれを身につけてもらうさね」
「は、はい……痛いのか」
「痛い」
 
 
 早速、ベーゼは体を柔らかくするためにクーリーと開脚、前屈に肩甲骨運動などを始める。
 
「あでででででででででで!」
「黙れ! 喚くな! もっと足を開け!」
「あーあーあーあーあーあーあーあでででえええええええええええええむりむりむりむり!」
「もっとだ! ぶっ殺してやるさね!」
「いぎぎぎぎぎぐうううううううううう!」
 
 全身が軋むような痛みに襲われ、ベーゼは悲鳴を上げながらクーリーに押さえつけられるのだった。
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