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一章 ルーファン・ルー
5 保険医
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「キミ、呪われてる?」
季節が秋に差し掛かる頃、放課後の人気のない廊下で、すれ違いざまに囁かれたその言葉に、俺は凍り付いた。
ギギギ、と、固まる体でどうにか平静を装いながら振り返る。
目元や頭の先、他にもところどころに白いものが混じる焦げ茶色の毛並み。
白髪交じりの体毛は年齢を感じさせるが顔立ちは人懐っこい、熊人の先生だった。
相手は、学園の保険医だった。それも、呪術医の。
「な、なんのことですか?」
「最近、購買で僕の作った魔除けの売り上げが良くてね。
お財布にちょっとした余裕ができるのはいいんだけど、それだけ呪術に関係した何かをしている子がいるって事だろう?気になってね。
何年かおきに来るオカルトブームでもないみたいだし」
そっと、熊人の大きな手が俺の肩に乗せられる。
文字通り子供と大人並みの体格差からくる圧迫感。
それだけじゃない何かに全身を押さえつけられているように、俺は動くことが出来なかった。
肩に感じる大きな掌はあたたかく、そっと触れられているだけなのに。
「ふむ……なるほどねぇ。こりゃすごい。呪いとは思えないほど馴染んでる。
魔除けと反発してなかったら計器を使っても見抜けないかも……
しかし……最近つけられたものじゃないね。もっと根深い……何年ものだこりゃ?」
ぶつぶつと、漏れだす独り言が聞こえてくる。
ただ触っているだけで、俺の状態を解析できるらしい。
(バレた。バレたバレたバレたバレた!!)
瞬間、俺の頭の中はそれだけで一杯になった。
まるでこの世の終わりのように、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
自分が何を見てるのか、何を聞いているのか、わからなくなる。
身体が、真冬に裸で外に立っているように震えている。
それなのに、変な汗がじわっと噴き出していた。
「これ、病院で相談したことは?」
「……」
首を横に振る。
「解呪できる保証はないけど、これから僕に診せてもらえるかい?
その様子からすると、大分困っているんだろう?
じゃなきゃ、あんなに魔除けを買い込んだりしないはずだ」
俺は、答えられない。
本当なら、助けてもらえるなら今すぐ誰かに縋り付きたかった。
助けてもらえるなら、誰でもいい。
でも……
「……大丈夫。誰にも言わないし、生徒の秘密は絶対に守るよ」
俺の心の中を察するように、優しい声が落ちてくる。
その一言で、俺はこくんと首を縦に振っていた。
保健室についた後、先生は分析用の魔法陣を準備しながらいくつかの質問をしてきた。
いつつけられたものなのかとか、体に変なところはないかとか。
俺が口ごもると、答えたくないものは答えなくていいとすぐに流してくれて、まるで雑談のように軽い口調で問診は進んでいく。
そうして、俺は出来上がった魔法陣の中心に置かれた椅子に座らされた。
「もっと大きな施設ならより細かい分析も出来るんだけどねぇ。ま、なんとかするよ」
そう言って、先生は膝を折り、祈るようなポーズで床に描かれた魔法陣に手を当てて静かに瞼を閉じる。
すると、魔法陣は淡い光で明滅を始め、まるでそれは意味のある言葉のように、強く、弱く、色を変える。
ものの数分だろうか。
思ったよりあっという間に、先生は瞼を開いて体を起こした。
魔法陣の光が消える。
先生は大きく息を吐いてゆっくりと立ち上がると、備え付けの椅子にどっかりと腰を下ろし、疲れたように机に肘を置いて体を傾けていた。
「結論から言うよ。キミの呪いは解呪不可能だ」
「え……」
あまりにも短く、淡白な宣告。
突き放すようなその言葉に虚を突かれ、向かい合ったまま俺はぽかんとなった。
「呪いって言うのはね、基本的に一過性の物なんだ。
規模の大小こそあれ、それに込められていたエネルギーを使い切ったら消滅する。
でも、そうじゃない呪いも一部存在する。
つまり、エネルギーを使い切ったら消えてしまうのだから、エネルギーを補給させ続ければいいのさ。
呪った対象の生命力を吸い取る術式をその中に絡ませたり、とかね」
生命力と言う言葉が氷のように突き刺さり、さあっと体温が下がって行く。
何かヤバイ程度には思っていたが、まさか命に関わるとまでは思っていなかった。
そんなに深刻なものだったなんて。
あまりに唐突過ぎて、死ぬなんて、自分の全てが終わってしまうなんて、そんなこと、すぐには想像できない。
大きすぎて、得体の知れない恐怖が拡がっていく。
ずっと男子校生活で、まだ恋だってしていないのに。
「お、オレ、死ぬんですか?」
震える声を絞り出すと、先生ははっはっはと陽気に笑った。
てっきり深刻な状態だと思っていた俺は、またもきょとんとしてしまい、呆然と見返す。
「ごめんごめん。怖がらせるつもりはなかったんだ。
ただ、術としてはそういうものに似ていてね。
でもキミの術式には吸い取るようなものはなかったよ。だから、これ以上呪いによってキミの何かが失われるという事はない。
でもねぇ……」
先生は言葉を探すように、自分の顔の毛並みをわしゃわしゃといじくった。
「キミの術式はたぶんこの先、一生消えることはない。
どうしてこんなことが出来たのか。
いや本当に、本当にすごいよ。本当に君が作ったの?」
「はい……」
「いやぁ、惜しいなぁ。本当に惜しい。
なんで呪術を選択しなかったの?」
「えっと……興味がなくて」
「あー……まあ、地味だからね。若い子はネガティブなイメージを持ちやすい職種だし。
おっと、話がそれたね。
で、解呪できないって言うのはね、その呪いはもうキミの一部になってるんだ。
だからもう、エネルギーの供給無しでも成立し続ける。
完全に宿主と同化してる呪いなんて、実物は初めて見たよ」
「取り除くことはできないんですか?」
「できないことはない。
けど、ものすごい検査費用と、その後に解呪手術も必要だ。
どれだけのお金と時間がかかるか、想像もできない。
それに、もし解呪なんてしたらキミ、エッチできなくなるよ?」
「……はぁ!?」
あっけらかんと言い放たれたその言葉に、思わず声が裏返った。
「さっきも言ったとおり、キミの呪印は完全にキミと同化している。
呪いの解呪の方法には大きく二つあってね。
一つは呪いに込められたエネルギーを吸いだして枯らす方法。
何年も続くような大規模なものでない限りは大体どれもこの方法で消せる。
普通はそうなんだけど、キミの場合は呪いのエネルギーを吸いだしたりしたら、一緒に君の生命力も吸い出してしまう。
当然、呪いが消えるまで吸い出したらキミの命も無くなるね。
だからこの方法は使えない。
もう一つは、呪いの術式そのものを解体、破壊してしまう方法。
でもこっちにも問題があってね。
呪いがキミの一部として成立している以上、それを取り除くってことはキミの一部を切り取るってことに等しい。
この呪いはキミの性欲そのものと言ってもいい。
だから、それを切り取ってしまうってことは、そういうコトになる。
性欲の消失と不感症、勃起不全。
できないというのは正しくなかったね。
僕は呪術医として、解呪はお勧めしないよ。
莫大な時間とお金の代償に得るものが性機能の消失なんて、あんまりじゃない」
なんてことだ……
予想もしなかった診断に、俺は言葉を失くす。
「ここからは僕の呪術医としての推測も混じるんだけどね。
分析の結果、この術式は全くの未知の物ばかりが使われていた。
でも、おそらくは最初からこんな呪いだったわけじゃない。
こんな複雑怪奇な術式、年単位で調整し続けないと完成前に崩壊するに決まってる。
そんなメンテナンス、誰がしていたのか。
……キミ、発育が悪いだろう?」
「え? はい」
見ての通り、と、俺は頷く。
「この呪印も、元々はキミからエネルギーを吸い上げていたんだ。とても自然な形で。
あえて不完全な形で成立させて、その不足部分を宿主と重ね合わせる。
まるで最初から呪いが宿主の一部であるかのように、自然な形で命の余剰エネルギーを少しずつ吸い上げる。
画期的な方法だよ。冗談じゃなく本が出せる。
この方法なら、必要以上の生命エネルギーを吸い出すことも無いだろうしね。
でも、その吸い取るエネルギーに問題があった。
第二次成長期。つまり、"体が子供から大人に成長する"時期のことだ。
今の体には収まりきらない"成長するエネルギー"を、この呪いは根こそぎ吸い上げてしまった。
成長とは、言い換えれば"肉体の変化"でもある。
"変化するエネルギー"を取り込んだ呪いは、自身を変化させ続けたんだ。
本来なら、この呪いも時間と共に崩れ、消滅していくはずだった。
しかし絶えず変化し、最適化を繰り返すことで術式を成立させ続け、より宿主と同じ存在へと同化していった。
例えるなら、植物の種が芽吹き、ゆっくりと根を下ろしていくようにね」
「ええっと……?」
「つまり、キミは"子供から大人に成長するエネルギー"をこの呪いに残さず吸い上げられたってことだよ。
だからそんなに小さいままって事」
またしても、衝撃の事実に俺は打ちのめされた。
成長が遅いのはただの体質だと思っていたのに、まさかこれも呪いのせいだったなんて。
「すごいのはそれだけじゃないよ。
本来、呪術って言うのは精神に作用するものなんだ。
肉体に直接作用するものって言うのは複雑な上に効果が薄い。
そうだね。たとえば校門のところにある校長の銅像に落書きしたとする。
それを掃除して洗い流したらどうなる?」
「綺麗になるんじゃないですか?」
「そう。それが肉体に作用する呪い」
「?」
「汚れを落としたら銅像は元通りになるだろう?
落書きで銅像の形そのものを変えてしまうのは至難の業だ。
肉体に作用する呪いって言うのは複雑な上に案外簡単に落とせてしまう。
だからほとんど使われない。
でもね、少し昔にそれを利用した危ない遊びが流行ったんだ。
『自然に消えてしまうのだからそれを利用して違う身体になってみよう』。
一時的に特定の感覚を高めたり、本来ないはずの体のパーツを増やしたり変化させる呪術が、ゴシップ雑誌で広まった。
ブームは一瞬だったけど、それで相談に来る生徒がうちにもいたんだ。
『淫紋が消えなくなっちゃった。先生助けて』ってね」
「い、いたんですか!? オレの他にも」
またも思いがけない話だった。
てっきり、こんなことをする馬鹿は自分以外にはいないと思っていたのに。
他にも同じことをしていた人がいたと聞いて、俺はちょっとだけホッとした。
「若いころはみんな何かしら馬鹿をするからねぇ。
もっとも、彼らのアレンジはどれも放っておいてもそのうち消えるようなものだったけどね。
それをこんな形で完全に定着させちゃうなんて……なんて言うか、奇跡の産物としか言いようがないよ。
完成された今の状態も素晴らしいけど、オリジナルは一体どんな術式だったのか……
念のために聞くけど、本当に何も残ってない? 術式のメモとか」
「ご、ごめんなさい。間違いなくこの手で破いて、全部燃やしました」
「オーノー! なんてもったいない。
でもまあ、誰にも言いたくなかったって気持ちはわかるよ。多感な時期だもんね。
でも、もったいないなぁ。見てみたかったなぁ」
もったいないなぁ、とブツブツ繰り返して、先生は体を机のほうに向けた。
紙を一枚取り出して、羽ペンをその上に滑らせる。
沈黙の中、先生が何かを書きこんでいるその音だけが静かに響いていた。
「あの……これって一生このままなんでしょうか?」
「ん? うーん、どうだろう。
100%完全に解析できたわけじゃないからね。そうでなくても、見たことのない術式の嵐だ。
まだ何か、表に出てきていない効果も残っているかもしれない。
でも、ここまで定着してる呪いが、そんなことで剥がれ落ちるとは思えないね」
「つまり、死ぬまでこのままなんですね」
「そうだね。ずっとその呪いと付き合っていくことになる」
「そう、ですか……」
つまり、俺はもう死ぬまで魔除け無しでは普通の生活を送れないってことだ。
魔除けの出費は正直お財布にかなり痛いが……手術に比べたら仕方ない。
自業自得だし、お金のことは仕方ないと諦めるしかない。
問題は、もっと別のことだ。
「……あー! そっか。そのままだと排泄が苦しいよね?」
「は?」
思い出したとばかりに声を上げ、こちらに向き直る先生。
今、なんと言った?
排泄。
あまりにも確信を突かれて、逆に言葉の意味を理解するのが遅れてしまった。
「そうだねぇ。
わざわざお尻の中に入れなくても肛門と、呪印の中心の二か所に浄化した布を当てるだけで抑え込めると思うよ。
丁度いい位置にあるし、処置した布で作ったパンツを穿けば、丁度良く両方抑えられるんじゃないかな。
内側から封じ込めるのは、うまい方法考えたなぁと思ったけどね。
常にお腹に異物を入れておくのはしんどいでしょ?」
「な、なんっ、なんで?? わかっ、わかって……!?」
初めから知っていたかのような口調に、俺はひたすら混乱してろれつが回らなかった。
そうなのだ。
決して魔除けが離れないようにする装着方法。
それは、魔除けを自分の尻の穴に入れてしまう方法だった。
幸いにも魔除けは透明な球状の鉱石だったので、入れるのも中にあることもそこまで苦にはならなかったのだが、問題になったのは排泄のとき。
俺だって生きてたらトイレで大きいほうもする。
でもそのたびに尻に指を突っ込んで玉を取り出して、終わったらまた玉を中に突っ込むというのは、行動的なしんどさよりも精神的な苦しさが大きい。
幸いにも、今まで一度も玉が汚れてたり、指が汚れてしまうような事故は起きていないけど、緊急時に取り出すのが間に合わなかったり、うっかり忘れて流してしまったことが何度もあった。
予備の魔封じを手放せない理由がここにある。
「そりゃあ、トイレに流された異物として、僕の魔除けが報告されてたからね。
購買部に問い合わせたのもそれがきっかけ」
なるほど。
それで先生は俺に声をかけてきたんだ。
完全に予想外のところから秘密が露呈していたことを知って、俺は赤面しながらもどこか妙に納得してしまっていた。
「オーケー。そっちも僕が何とかしよう。
その代わりと言っちゃなんだけど、キミのその呪印、研究させてくれないかな?
呪術として、これはまたとない逸材なんだよ。キミ今年卒業生だったっけ?」
「はい」
「卒業後も魔封じは僕が用意しよう。代わりに、その呪印を解析させてくれるかい?
解析が進めば、解呪は無理でも術の詳しい性質がもっとわかると思う。
どうだい? キミにも悪い話じゃないだろう?」
「ええと……」
悪いどころか、良い事しかない。
あんまりにも都合がよすぎて、不安になるほどだ。
でも同時に、俺には他の選択肢なんてなかった。
「わかりました」
「グーッド! じゃ、これからよろしくね」
頷いた俺に、先生は右手でサムズアップしてウインクを飛ばした。
そして、また机に向って羽ペンを滑らせる。
トントン拍子に事が進んでしばらく呆然としていたが、まだ一つ、重大な問題が残っていたことを思い出した。
「あの……そういえば」
「ん?」
おずおずと切り出すと、先生は手を止めて顔をこちらに向ける。
「このことは、家族には……」
「ああ、ご両親に報告?」
「はい! その、このことはどうか誰にも秘密に」
「そうしたいところだけど、僕も教員だから報告義務ってのがあるんだよねぇ」
「お願いです! どうか」
と、思わず声を荒げた俺を制止するように、先生は今しがた熱心に書いていた紙面をこちらに見せた。
「これなーんだ」
「俺の、淫紋? でもなんか……」
どうやらそれは俺の診断書らしかった。
しかし、書かれている術式に、俺は違和感を覚える。
そっくりだけど、どこか違うような。
同じかと言われれば違和感があるのだが、じゃあ何が違うのかと言われれば、選択科目に呪術をとっていない俺にはよくわからなかった。
「これが君の診断書、"成長する呪印"ね。その効果が逆転して"成長が止まる呪印"になってるの。
よく似てるでしょ?」
「えーと、はい……?」
「キミは早く成長して大きくなろうとした結果、術式を失敗して真逆の印を刻んでしまった。そのせいで、今のように年齢からかけ離れた姿のまま成長が止まっている。
術式の効果はすでに終了して、呪いに奪われた成長する力を取り戻すことは、残念ながら望めそうにない。
呪印には少なくとも現状何の効力も確認できないが、経過観察が必要である。
術式は極めて繊細で、解呪などの干渉によって思わぬ変異を起こす危険もある。
安静が最善策であると診断する。
とまあ、大体そんなトコ。我ながら、その辺の三流医者ならこの診断書に違和感も感じないと思うよ」
「それって」
「流石に何もなかったじゃ通らないでしょ。と言うわけでこういう形でまとめてみました」
「あ……あ……ありがとうございます!」
にっこりと笑う初老の熊人の後ろに、俺は確かに後光を見た。
そして椅子から滑り落ちるように床に膝をついて、俺は心の底から、頭を下げたのだった。
季節が秋に差し掛かる頃、放課後の人気のない廊下で、すれ違いざまに囁かれたその言葉に、俺は凍り付いた。
ギギギ、と、固まる体でどうにか平静を装いながら振り返る。
目元や頭の先、他にもところどころに白いものが混じる焦げ茶色の毛並み。
白髪交じりの体毛は年齢を感じさせるが顔立ちは人懐っこい、熊人の先生だった。
相手は、学園の保険医だった。それも、呪術医の。
「な、なんのことですか?」
「最近、購買で僕の作った魔除けの売り上げが良くてね。
お財布にちょっとした余裕ができるのはいいんだけど、それだけ呪術に関係した何かをしている子がいるって事だろう?気になってね。
何年かおきに来るオカルトブームでもないみたいだし」
そっと、熊人の大きな手が俺の肩に乗せられる。
文字通り子供と大人並みの体格差からくる圧迫感。
それだけじゃない何かに全身を押さえつけられているように、俺は動くことが出来なかった。
肩に感じる大きな掌はあたたかく、そっと触れられているだけなのに。
「ふむ……なるほどねぇ。こりゃすごい。呪いとは思えないほど馴染んでる。
魔除けと反発してなかったら計器を使っても見抜けないかも……
しかし……最近つけられたものじゃないね。もっと根深い……何年ものだこりゃ?」
ぶつぶつと、漏れだす独り言が聞こえてくる。
ただ触っているだけで、俺の状態を解析できるらしい。
(バレた。バレたバレたバレたバレた!!)
瞬間、俺の頭の中はそれだけで一杯になった。
まるでこの世の終わりのように、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
自分が何を見てるのか、何を聞いているのか、わからなくなる。
身体が、真冬に裸で外に立っているように震えている。
それなのに、変な汗がじわっと噴き出していた。
「これ、病院で相談したことは?」
「……」
首を横に振る。
「解呪できる保証はないけど、これから僕に診せてもらえるかい?
その様子からすると、大分困っているんだろう?
じゃなきゃ、あんなに魔除けを買い込んだりしないはずだ」
俺は、答えられない。
本当なら、助けてもらえるなら今すぐ誰かに縋り付きたかった。
助けてもらえるなら、誰でもいい。
でも……
「……大丈夫。誰にも言わないし、生徒の秘密は絶対に守るよ」
俺の心の中を察するように、優しい声が落ちてくる。
その一言で、俺はこくんと首を縦に振っていた。
保健室についた後、先生は分析用の魔法陣を準備しながらいくつかの質問をしてきた。
いつつけられたものなのかとか、体に変なところはないかとか。
俺が口ごもると、答えたくないものは答えなくていいとすぐに流してくれて、まるで雑談のように軽い口調で問診は進んでいく。
そうして、俺は出来上がった魔法陣の中心に置かれた椅子に座らされた。
「もっと大きな施設ならより細かい分析も出来るんだけどねぇ。ま、なんとかするよ」
そう言って、先生は膝を折り、祈るようなポーズで床に描かれた魔法陣に手を当てて静かに瞼を閉じる。
すると、魔法陣は淡い光で明滅を始め、まるでそれは意味のある言葉のように、強く、弱く、色を変える。
ものの数分だろうか。
思ったよりあっという間に、先生は瞼を開いて体を起こした。
魔法陣の光が消える。
先生は大きく息を吐いてゆっくりと立ち上がると、備え付けの椅子にどっかりと腰を下ろし、疲れたように机に肘を置いて体を傾けていた。
「結論から言うよ。キミの呪いは解呪不可能だ」
「え……」
あまりにも短く、淡白な宣告。
突き放すようなその言葉に虚を突かれ、向かい合ったまま俺はぽかんとなった。
「呪いって言うのはね、基本的に一過性の物なんだ。
規模の大小こそあれ、それに込められていたエネルギーを使い切ったら消滅する。
でも、そうじゃない呪いも一部存在する。
つまり、エネルギーを使い切ったら消えてしまうのだから、エネルギーを補給させ続ければいいのさ。
呪った対象の生命力を吸い取る術式をその中に絡ませたり、とかね」
生命力と言う言葉が氷のように突き刺さり、さあっと体温が下がって行く。
何かヤバイ程度には思っていたが、まさか命に関わるとまでは思っていなかった。
そんなに深刻なものだったなんて。
あまりに唐突過ぎて、死ぬなんて、自分の全てが終わってしまうなんて、そんなこと、すぐには想像できない。
大きすぎて、得体の知れない恐怖が拡がっていく。
ずっと男子校生活で、まだ恋だってしていないのに。
「お、オレ、死ぬんですか?」
震える声を絞り出すと、先生ははっはっはと陽気に笑った。
てっきり深刻な状態だと思っていた俺は、またもきょとんとしてしまい、呆然と見返す。
「ごめんごめん。怖がらせるつもりはなかったんだ。
ただ、術としてはそういうものに似ていてね。
でもキミの術式には吸い取るようなものはなかったよ。だから、これ以上呪いによってキミの何かが失われるという事はない。
でもねぇ……」
先生は言葉を探すように、自分の顔の毛並みをわしゃわしゃといじくった。
「キミの術式はたぶんこの先、一生消えることはない。
どうしてこんなことが出来たのか。
いや本当に、本当にすごいよ。本当に君が作ったの?」
「はい……」
「いやぁ、惜しいなぁ。本当に惜しい。
なんで呪術を選択しなかったの?」
「えっと……興味がなくて」
「あー……まあ、地味だからね。若い子はネガティブなイメージを持ちやすい職種だし。
おっと、話がそれたね。
で、解呪できないって言うのはね、その呪いはもうキミの一部になってるんだ。
だからもう、エネルギーの供給無しでも成立し続ける。
完全に宿主と同化してる呪いなんて、実物は初めて見たよ」
「取り除くことはできないんですか?」
「できないことはない。
けど、ものすごい検査費用と、その後に解呪手術も必要だ。
どれだけのお金と時間がかかるか、想像もできない。
それに、もし解呪なんてしたらキミ、エッチできなくなるよ?」
「……はぁ!?」
あっけらかんと言い放たれたその言葉に、思わず声が裏返った。
「さっきも言ったとおり、キミの呪印は完全にキミと同化している。
呪いの解呪の方法には大きく二つあってね。
一つは呪いに込められたエネルギーを吸いだして枯らす方法。
何年も続くような大規模なものでない限りは大体どれもこの方法で消せる。
普通はそうなんだけど、キミの場合は呪いのエネルギーを吸いだしたりしたら、一緒に君の生命力も吸い出してしまう。
当然、呪いが消えるまで吸い出したらキミの命も無くなるね。
だからこの方法は使えない。
もう一つは、呪いの術式そのものを解体、破壊してしまう方法。
でもこっちにも問題があってね。
呪いがキミの一部として成立している以上、それを取り除くってことはキミの一部を切り取るってことに等しい。
この呪いはキミの性欲そのものと言ってもいい。
だから、それを切り取ってしまうってことは、そういうコトになる。
性欲の消失と不感症、勃起不全。
できないというのは正しくなかったね。
僕は呪術医として、解呪はお勧めしないよ。
莫大な時間とお金の代償に得るものが性機能の消失なんて、あんまりじゃない」
なんてことだ……
予想もしなかった診断に、俺は言葉を失くす。
「ここからは僕の呪術医としての推測も混じるんだけどね。
分析の結果、この術式は全くの未知の物ばかりが使われていた。
でも、おそらくは最初からこんな呪いだったわけじゃない。
こんな複雑怪奇な術式、年単位で調整し続けないと完成前に崩壊するに決まってる。
そんなメンテナンス、誰がしていたのか。
……キミ、発育が悪いだろう?」
「え? はい」
見ての通り、と、俺は頷く。
「この呪印も、元々はキミからエネルギーを吸い上げていたんだ。とても自然な形で。
あえて不完全な形で成立させて、その不足部分を宿主と重ね合わせる。
まるで最初から呪いが宿主の一部であるかのように、自然な形で命の余剰エネルギーを少しずつ吸い上げる。
画期的な方法だよ。冗談じゃなく本が出せる。
この方法なら、必要以上の生命エネルギーを吸い出すことも無いだろうしね。
でも、その吸い取るエネルギーに問題があった。
第二次成長期。つまり、"体が子供から大人に成長する"時期のことだ。
今の体には収まりきらない"成長するエネルギー"を、この呪いは根こそぎ吸い上げてしまった。
成長とは、言い換えれば"肉体の変化"でもある。
"変化するエネルギー"を取り込んだ呪いは、自身を変化させ続けたんだ。
本来なら、この呪いも時間と共に崩れ、消滅していくはずだった。
しかし絶えず変化し、最適化を繰り返すことで術式を成立させ続け、より宿主と同じ存在へと同化していった。
例えるなら、植物の種が芽吹き、ゆっくりと根を下ろしていくようにね」
「ええっと……?」
「つまり、キミは"子供から大人に成長するエネルギー"をこの呪いに残さず吸い上げられたってことだよ。
だからそんなに小さいままって事」
またしても、衝撃の事実に俺は打ちのめされた。
成長が遅いのはただの体質だと思っていたのに、まさかこれも呪いのせいだったなんて。
「すごいのはそれだけじゃないよ。
本来、呪術って言うのは精神に作用するものなんだ。
肉体に直接作用するものって言うのは複雑な上に効果が薄い。
そうだね。たとえば校門のところにある校長の銅像に落書きしたとする。
それを掃除して洗い流したらどうなる?」
「綺麗になるんじゃないですか?」
「そう。それが肉体に作用する呪い」
「?」
「汚れを落としたら銅像は元通りになるだろう?
落書きで銅像の形そのものを変えてしまうのは至難の業だ。
肉体に作用する呪いって言うのは複雑な上に案外簡単に落とせてしまう。
だからほとんど使われない。
でもね、少し昔にそれを利用した危ない遊びが流行ったんだ。
『自然に消えてしまうのだからそれを利用して違う身体になってみよう』。
一時的に特定の感覚を高めたり、本来ないはずの体のパーツを増やしたり変化させる呪術が、ゴシップ雑誌で広まった。
ブームは一瞬だったけど、それで相談に来る生徒がうちにもいたんだ。
『淫紋が消えなくなっちゃった。先生助けて』ってね」
「い、いたんですか!? オレの他にも」
またも思いがけない話だった。
てっきり、こんなことをする馬鹿は自分以外にはいないと思っていたのに。
他にも同じことをしていた人がいたと聞いて、俺はちょっとだけホッとした。
「若いころはみんな何かしら馬鹿をするからねぇ。
もっとも、彼らのアレンジはどれも放っておいてもそのうち消えるようなものだったけどね。
それをこんな形で完全に定着させちゃうなんて……なんて言うか、奇跡の産物としか言いようがないよ。
完成された今の状態も素晴らしいけど、オリジナルは一体どんな術式だったのか……
念のために聞くけど、本当に何も残ってない? 術式のメモとか」
「ご、ごめんなさい。間違いなくこの手で破いて、全部燃やしました」
「オーノー! なんてもったいない。
でもまあ、誰にも言いたくなかったって気持ちはわかるよ。多感な時期だもんね。
でも、もったいないなぁ。見てみたかったなぁ」
もったいないなぁ、とブツブツ繰り返して、先生は体を机のほうに向けた。
紙を一枚取り出して、羽ペンをその上に滑らせる。
沈黙の中、先生が何かを書きこんでいるその音だけが静かに響いていた。
「あの……これって一生このままなんでしょうか?」
「ん? うーん、どうだろう。
100%完全に解析できたわけじゃないからね。そうでなくても、見たことのない術式の嵐だ。
まだ何か、表に出てきていない効果も残っているかもしれない。
でも、ここまで定着してる呪いが、そんなことで剥がれ落ちるとは思えないね」
「つまり、死ぬまでこのままなんですね」
「そうだね。ずっとその呪いと付き合っていくことになる」
「そう、ですか……」
つまり、俺はもう死ぬまで魔除け無しでは普通の生活を送れないってことだ。
魔除けの出費は正直お財布にかなり痛いが……手術に比べたら仕方ない。
自業自得だし、お金のことは仕方ないと諦めるしかない。
問題は、もっと別のことだ。
「……あー! そっか。そのままだと排泄が苦しいよね?」
「は?」
思い出したとばかりに声を上げ、こちらに向き直る先生。
今、なんと言った?
排泄。
あまりにも確信を突かれて、逆に言葉の意味を理解するのが遅れてしまった。
「そうだねぇ。
わざわざお尻の中に入れなくても肛門と、呪印の中心の二か所に浄化した布を当てるだけで抑え込めると思うよ。
丁度いい位置にあるし、処置した布で作ったパンツを穿けば、丁度良く両方抑えられるんじゃないかな。
内側から封じ込めるのは、うまい方法考えたなぁと思ったけどね。
常にお腹に異物を入れておくのはしんどいでしょ?」
「な、なんっ、なんで?? わかっ、わかって……!?」
初めから知っていたかのような口調に、俺はひたすら混乱してろれつが回らなかった。
そうなのだ。
決して魔除けが離れないようにする装着方法。
それは、魔除けを自分の尻の穴に入れてしまう方法だった。
幸いにも魔除けは透明な球状の鉱石だったので、入れるのも中にあることもそこまで苦にはならなかったのだが、問題になったのは排泄のとき。
俺だって生きてたらトイレで大きいほうもする。
でもそのたびに尻に指を突っ込んで玉を取り出して、終わったらまた玉を中に突っ込むというのは、行動的なしんどさよりも精神的な苦しさが大きい。
幸いにも、今まで一度も玉が汚れてたり、指が汚れてしまうような事故は起きていないけど、緊急時に取り出すのが間に合わなかったり、うっかり忘れて流してしまったことが何度もあった。
予備の魔封じを手放せない理由がここにある。
「そりゃあ、トイレに流された異物として、僕の魔除けが報告されてたからね。
購買部に問い合わせたのもそれがきっかけ」
なるほど。
それで先生は俺に声をかけてきたんだ。
完全に予想外のところから秘密が露呈していたことを知って、俺は赤面しながらもどこか妙に納得してしまっていた。
「オーケー。そっちも僕が何とかしよう。
その代わりと言っちゃなんだけど、キミのその呪印、研究させてくれないかな?
呪術として、これはまたとない逸材なんだよ。キミ今年卒業生だったっけ?」
「はい」
「卒業後も魔封じは僕が用意しよう。代わりに、その呪印を解析させてくれるかい?
解析が進めば、解呪は無理でも術の詳しい性質がもっとわかると思う。
どうだい? キミにも悪い話じゃないだろう?」
「ええと……」
悪いどころか、良い事しかない。
あんまりにも都合がよすぎて、不安になるほどだ。
でも同時に、俺には他の選択肢なんてなかった。
「わかりました」
「グーッド! じゃ、これからよろしくね」
頷いた俺に、先生は右手でサムズアップしてウインクを飛ばした。
そして、また机に向って羽ペンを滑らせる。
トントン拍子に事が進んでしばらく呆然としていたが、まだ一つ、重大な問題が残っていたことを思い出した。
「あの……そういえば」
「ん?」
おずおずと切り出すと、先生は手を止めて顔をこちらに向ける。
「このことは、家族には……」
「ああ、ご両親に報告?」
「はい! その、このことはどうか誰にも秘密に」
「そうしたいところだけど、僕も教員だから報告義務ってのがあるんだよねぇ」
「お願いです! どうか」
と、思わず声を荒げた俺を制止するように、先生は今しがた熱心に書いていた紙面をこちらに見せた。
「これなーんだ」
「俺の、淫紋? でもなんか……」
どうやらそれは俺の診断書らしかった。
しかし、書かれている術式に、俺は違和感を覚える。
そっくりだけど、どこか違うような。
同じかと言われれば違和感があるのだが、じゃあ何が違うのかと言われれば、選択科目に呪術をとっていない俺にはよくわからなかった。
「これが君の診断書、"成長する呪印"ね。その効果が逆転して"成長が止まる呪印"になってるの。
よく似てるでしょ?」
「えーと、はい……?」
「キミは早く成長して大きくなろうとした結果、術式を失敗して真逆の印を刻んでしまった。そのせいで、今のように年齢からかけ離れた姿のまま成長が止まっている。
術式の効果はすでに終了して、呪いに奪われた成長する力を取り戻すことは、残念ながら望めそうにない。
呪印には少なくとも現状何の効力も確認できないが、経過観察が必要である。
術式は極めて繊細で、解呪などの干渉によって思わぬ変異を起こす危険もある。
安静が最善策であると診断する。
とまあ、大体そんなトコ。我ながら、その辺の三流医者ならこの診断書に違和感も感じないと思うよ」
「それって」
「流石に何もなかったじゃ通らないでしょ。と言うわけでこういう形でまとめてみました」
「あ……あ……ありがとうございます!」
にっこりと笑う初老の熊人の後ろに、俺は確かに後光を見た。
そして椅子から滑り落ちるように床に膝をついて、俺は心の底から、頭を下げたのだった。
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