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1日目 突然の婚約破棄
しおりを挟む「アリエッタ、お前とはもうやって行けない。婚約破棄を言い渡す。」
婚約者であるトルストイ家のウィリアム王子に久しく呼び出されたと思えば、第一声が婚約破棄であった。
突然のことで、頭が真っ白になる。
「...なぜです?
私は、ウィリアム様をお慕いしておりました。何か気に触ることでもしてしまいましたか?」
理由がわからない為、問いかける。
辺境の地からはるばるトルストイ家までやってきて、この方と幸せになれると信じていたのに。
「申し訳ございません、アリエッタ様。ウィリアム様は私と恋に落ちてしまったのです。どうか静かに手を引いて田舎へお帰りになってくださいませ。」
そこで女が現れた。今まで物陰に隠れていたようだ。
小馬鹿にしているかのような話振り。
微かに口元が緩んでいるのが見える。
伯爵令嬢クリスティーヌ。
最近あまり評判の良くない噂を耳にするが、その事は耳に入っていないのだろう。
それだけウィリアム王子は、この方に溺れてしまっているようだ。
ここ最近のウィリアム王子の様子がおかしかったのもクリスティーヌが原因のようだ。
しかし同じ伯爵令嬢という立場でなぜ...
「クリスティーヌの言う通りだ。
俺は、お前を愛せない。田舎で貧乏だから、金目当てで婚約者となったと聞いた。
ましてや、自分より位の高いクリスティーヌを嫉妬からずっと虐めていたのだろう。
俺がクリスティーヌを守る!」
「ウィリアム様!」
ウィリアム王子がそう言うと、クリスティーヌ嬢がウィリアム王子に抱きついた。
胸を押しつけるかのような仕草で、ウィリアム王子はデレデレした表情を見せる。
あまりにも可笑しな話に、
空いた口が塞がらない。
ウィリアム王子は口を開けば、クリスティーヌ、クリスティーヌともう頭がそれでいっぱいなのだ。
田舎の貧乏だなんて誰が言ったのか。
そして、クリスティーヌを虐めるなんて事は一切していない。
パーティーで会えば挨拶をするくらいだ。特に会話などもしないくらいの仲である。
「私がクリスティーヌを虐めたなんて、そんな事致しません。」
「証拠がある。クリスティーヌの身体にたくさんの傷跡があった。
階段で突き落とされ、踏み躙られたと言っている。」
そんなはずはない。
これはきっとクリスティーヌによる偽話である。
クリスティーヌを信じ、婚約者である私を信じてくれないウィリアム王子。
一時でもこの方を愛してしまった自分を恥じる。
だが仮にも共に時を過ごしてきた者だ。
悲しみをぐっと堪え、
「信じてはくれないのですね...」
冗談ではないか、そんな期待を捨てきれず最後の確認をする。
「当たり前だ。
もう顔も見たくない。
田舎に帰ってくれ。
次のパーティーで、婚約破棄と新しい婚約者について公表する。
それを終えたらもうお役御免だ。」
ウィリアム王子はそう吐き捨てる。
人はこんなに変わってしまうものなのか。いや、私が気付かなかっただけで元々最低なのかもしれない。
貴方と生涯を共に過ごすと信じていた心がボロボロに壊された。
「...承知しました。」
裏切り者には、復讐を。
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