ジンクス∞漁猫∞~君と僕の物語

はらぺこおねこ。

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05 夏休み

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 夏休み、突然訪れた訃報にクラスメイトたちは涙をこぼした。
 今日は、ふたりのお通夜だ。

 人気があったふたりの死。
 悲しまないものなどいなかった。

 僕は、そこから少し離れた公園にいた。
 その場にいていい存在じゃないからだ。
 ジンクスのことは誰も知らない。
 だから誰も僕を責めないだろう。
 だけど、僕は僕が責める。
 責めずにはいられなかった。

「ここにいらしたのですね」

 川名さんが、僕の隣りに座る。

「川名さん」

「落ち着きましたか?」

「……好きだったんだ

 僕は、小さな声でそういった。

「はい。
 私も好きでした」

 川名さんも小さくうなずく。

「そんなんじゃなく。
 美姫のこと女の子として好きだったんだ」

「そうですか……
 ごめんなさい」

「どうして川名さんが謝るの?」

 僕は尋ねた。

「私、ジンクスを持っているんです。
 『好きになった人は必ず死ぬ』というジンクスです」

 僕は耳を疑った。

「だから、私のせいなんです」

 川名さんが、静かに笑う。
 でも、目から涙があふれていた。

「だから、サヨナラなんです。
 私は、しあわせになんかなっちゃいけなかった……」

 川名さんは、そのままゆっくりとその場から離れた。
 頭のなかが真っ白になって、僕は追いかけることすらできなかった。
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