if~みらいのきみへ

はらぺこおねこ。

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03 lemon

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「はははは、それでどうしたんだい?」

 正三さんがそういってたこ焼きを焼いている。
 正三さんはもう70歳。
 警察はとっくに退職して今は自宅を改装しお店を作りそこで、たこ焼き屋を開いている。
 そして僕はここでバイトをしている。

「そこからはダンマリを決めた」

「ダメじゃない隼人くん。
 そんなんじゃ女の子口説けないわよ?」

 そういったのは正三さんの一人娘。
 夢叶さんだ。
 とてもきれいな女性で婦警をしつつお店を手伝っている。

「口説かないよ。
 なんていうかあの子。
 訳アリな気がするんだ」

「訳アリって?」

「アーム・ロングの手袋してたんだ」

「そうなの?でもま、まだ4月だし……」

「授業中もずっとしてたんだ」

「なにか理由があるんじゃないかな?」

「うん。だから訳アリ」

 僕がそう言うと夢叶さんが笑う。

「そっか、そうだね」

「さて隼人くん。
 たこ焼きが焼けたぞ」

 正三さんがそういってたこ焼きを焼いてくれた。

「はい」

 僕はそのたこ焼きをお客さんに持っていく。

「お兄ちゃんたこ焼ききたよ!」

「うん」

 仲のいい兄妹。
 兄の名前は充くん。
 妹の名前は真子ちゃん。

 このたこ焼きの常連客だ。

「じゃ、ごゆっくりね。
 おふたりさん」

「ありがとうございます」

 充くんが小さくうなずく。

「お兄ちゃん見て!
 色違いのイーブイが出たよ!」

 真子ちゃんが嬉しそうに笑う。
 ポケモン、まだ人気があるんだな……
 そう思うと少し心が暖かくなる。

 いろんなモノが変わる。
 でも、変わらないものがそこにある。

 なんていうかうん、そういうのも悪くない。
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