ラスボスは強すぎたので封印することにしました!

レイン

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3話

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「はぁーー!《斬撃》」

「よっしゃーーー!《インパクト》」

人の声がする方へと向かうとそこにはモンスターと戦う3人の人たちがいた。

「やっぱり…モンスターは消えなかったか…」

モンスターは元々この世界には存在していなかった…と言われている。俺が生まれた時にはすでにモンスターはいたから詳しいことはわからない。それならどこからモンスターがやって来たかと言われたら世界を破壊しようとしていたあいつが自分の身を守るために呼び寄せたと言われていたがどうやらそれは違っていたようだ。そもそもモンスターも全てを破壊するあいつの近くによったら破壊されているのを俺は見ていたので違うとなんとなくだが予想はしていた。それに……

「よっしゃー! これで依頼完了だなー!」

「そうだな! これで完了だー!」

俺がそんなことを考えているとモンスターを倒し終わった3人が倒したモンスターを回収してどこかへ帰ろうとしていた。

「おっと、考え事してる場合じゃないな」

3人はおそらく依頼完了と言っていたことから彼らはモンスター討伐などを生業としている冒険者でそのモンスター討伐の依頼を受けここに来ていたのだろう。そしてその依頼のモンスターを倒したのでその報告に冒険者ギルドがある村か街へと帰ろうとしているのだろう。つまり彼らについていけば村や街にたどり着けるということだ。そのため彼らを見失うわけにはいかない。

「話しかけるか…いや今更話しかけたら怪しまれるか?」

3人の冒険者達はモンスターの回収も終えて冒険者ギルドへ帰るために歩き始めていた。モンスターとの戦闘中に話しかけたら迷惑になるだろうし声をかけなかったが、戦闘が終わり回収をしている時は考え事をしていて話しかけるタイミングを逃してしまったのだ。今声をかけたらモンスターの回収を横取りする盗賊のような感じになってしまわないかと不安になりどうにも声をかけることができない。

「まぁいいか…このままついていけば」

あまり近づいて追いかけていると気づかれてしまう可能性があるし、もしあっちから俺がつけていることに気がつくと完全に怪しまれる。そのため最悪気付かれても顔を見られずに逃げられる距離を取りながら彼らを見失なわないようにこのままついていくことにした。

「ここは街か……」

彼らについていくととある街にたどり着くことが出来た。街にたどり着いたと言っても実際には街に入るための門からかなり離れた場所に俺はいるが……。

「彼らを見る限り身分証がいるな……」

俺は彼らについて門に入るのではなく離れた場所から彼らがどのようにして門へと入っていくのかを観察していた。どうやら街に入るには何かのカードみたいな物が必要らしくそれが身分証のかわりになっているんだと推測する。

「やばいな…俺はあの身分証のカードなんてもってないぞ…」

俺は今一度自分の持ち物を確認してみることにした。今俺の手にあるのは剣とここまでの道中で見つけた僅かながらの木の実だけだった。

俺の手持ちには俺の身分証を示すことができるような物は一切なかった。それはあいつとの戦いに赴くというのに自分を示すものを持っていっても意味がなかったからだ。

剣を持っていたのは一応の護身用だ……。

「まぁなんとかなるだろ?」

このまま街を眺めていても何も始まらないので俺は街の門へと向かうことにした。
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