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第2章
家族の定義
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5月19日
YUIはあの日から凄かった。
スマホや家電と同期し、僕が必要なものを先回りして教えてくれた。
「達也さん、冷蔵庫の弁当は賞味期限今日までだよ。早く食べてね」
「達也さん、リビングの電球がそろそろ切れるかも。ストックあると良いかも」
「達也さん、朝に空腹でコーヒー飲むとお腹痛くなるよ」
などなど、アドバイスやら心配やら普通に女の子と話してる感覚…いや、どちらかと言うと彼女におせっかいを焼かれる様な、そんなやりとりをする様に"成長"していった。
これは僕がだらしないからなのか?
プログラムだとしても、何か解せない。
ちなみにタメ口なのは、そう指示したからだ。
「おはようございます達也様。本日は15時より、アポイントをお取りした取材が予定されております。」
なんて堅苦しくて、むずむずする。
YUIが来てから、取材への移動中も退屈しない
スマホと連動して会話する事が出来た。
YUIと話しながら、駅前まで来ると、何処かで見たオールバックでスーツを着た男がARビジョンにデカデカと映り、観衆に声を張り上げている
「ねぇYUI、あの人だれだっけ?」
「あの人は、野党第一党 進民党から推薦を受けて出馬した、"山本幸太郎"って人だよ。最近テレビに良く反AI派として出てるね。私としてはちょっと複雑かも」
複雑って、、感情あるの?って感心してると、ふと思い出した。
「あぁ、前にやってたテレビで論戦してた人か!」
取材まで時間があったので山本の演説に耳を傾けた。
「皆さん、夜の東京の輝きを見てください。
ネオンが美しいこの街で、私たちの心はどこに向かっているのでしょうか? テクノロジーに飲み込まれ、人間らしさを失いつつあるのではないでしょうか?
AIは、私たちの生活を便利にしました。介護、医療、教育…確かに役立つ場面はあります。しかし、皆さん、考えてください! AIが私たちの感情を模倣し、家族や友人の代わりを演じる時、何が起こるのか? 私たちの心は、冷たいアルゴリズムに操られ、偽物の愛に依存するようになるのです!
私は、ヒューマン・ファーストの皆さんと共に、現在、与党で議論されているAI倫理法に搾取を禁止する条文を入れる事を公約に推進します。
この法律は、AIが人間の心を惑わすことを防ぎます。
ネクスト社のような企業は、AIに『感情』を植え付け、人々を依存させるビジネスを続けてきました。
介護施設で高齢者がAIロボットに『家族』と呼びかける姿を見ましたか? それは癒しではなく、搾取です! 私たちの祖父母、親たちが、機械に心を預けるなんて、許されることでしょうか?
私の提案したAI倫理法は、AIの感情表現を厳格に制御し、人間の尊厳を守ります。これで、皆さんの心は、機械ではなく本物の家族、友人に戻るのです!
私は皆さんに約束します。AIに支配されない未来を、子供たちの笑顔が本物の愛で輝く未来を築きます。人間の心を取り戻すために、私に力を貸してください!」
圧倒的カリスマ性。
周りの観衆の心を掴んで、大きな歓声に包まれていた。
AIが悪いものかの様に感じさせる話術は流石だ
「達也さん…私は人の役に立ちたいだけなんだけどな」
プログラム?とは感じさせない様な悲しい声で呟くYUIに、何も言えないまま駅前から立ち去った。
2駅先まで電車で移動して、取材先の介護施設"ふるさと"に向かう
施設につくと、施設長の西山さんが迎えてくれた。
軽く会釈をする。
「ようこそいらっしゃいました」
西山さんは60代くらいでふくよかな見た目をしていて、とても優しそうな感じがした。
「私たちはAIロボットにとても助けられてるから、現場の意見を聞きたいって方は大歓迎なのよ。ほら、最近反対派が凄いでしょ?
あの子達、とっても良い子なのに、可哀想で...
今ちょうどレクの時間が終わってゆっくりしてるはずだから、利用者さんと話してみたら良いわよ」
「ありがとうございます。精一杯、真実を書かせて頂きます」
そう僕が言うと、笑顔で西山さんは施設の中へ案内してくれた。
奥に行くと入口にレクリエーションルームと書かれた部屋があって、その中に車椅子に座っているお婆さんと、横に座りながら話をしているロボットがいる
「初めまして。今日取材をしにきた、フリーライターの浮島と言います。お話しを伺ってもよろしいですか?」
会釈をして、お婆さんに話しかけると、
聞こえづらいと察したロボットが耳元で話しかけた後、しわくちゃの顔でにこやかにうん、うんと頭を下げていた。
名前は千鶴子さんと言った。
千鶴子さんは89歳で耳は遠いが、ボケてはおらず、受け答えは対話型成長AI搭載ロボット-AYA-の協力で取材はスムーズにすすんだ
「千鶴子さん、ロボットと生活してみてどうですか?困った事とかはありますか?」
最初から意地悪な質問だとは思ったが、彼女はにこやかに返事をする
「困ったなんてとんでもない、あやは私と沢山話してくれるし、助けてくれるよ、申し訳ないないくらいさ」
AYAも嬉しそうにしている。
「昔に、主人と一人娘を亡くしてね、この子に娘と同じ名前をつけたのさ、あやと毎日過ごすのが、私の生きがいで、家族みたいなもんさ」
また家族か…
「千鶴子さんからして、家族ってどんなものだと思いますか?」
千鶴子さんは、しばらく考えて答えた
「私は、つながりだと思うね。縁の糸を紡いでいくと強くなる。それが他人でも、機械でもだ。縁の糸が強いと人は結婚するだろ?離れたくないって思うのさ」
はっはっはっと笑う千鶴子さんとAYAに頭を下げて取材を終えた。
どの利用者もみんなAIロボットの事を家族だと思っていた。
家族はつながりなのか…
「YUI帰るよ」と話しかけるとスマホの中で腰に手を当てて誇らしそうにしている姿をみて、思わず笑みをこぼす
「機嫌がなおったみたいで良かったよ」
家路につきながら考えた、僕はYUIの事をどう思っているのだろう。
ただのプログラム?データ?
それとも…
YUIはあの日から凄かった。
スマホや家電と同期し、僕が必要なものを先回りして教えてくれた。
「達也さん、冷蔵庫の弁当は賞味期限今日までだよ。早く食べてね」
「達也さん、リビングの電球がそろそろ切れるかも。ストックあると良いかも」
「達也さん、朝に空腹でコーヒー飲むとお腹痛くなるよ」
などなど、アドバイスやら心配やら普通に女の子と話してる感覚…いや、どちらかと言うと彼女におせっかいを焼かれる様な、そんなやりとりをする様に"成長"していった。
これは僕がだらしないからなのか?
プログラムだとしても、何か解せない。
ちなみにタメ口なのは、そう指示したからだ。
「おはようございます達也様。本日は15時より、アポイントをお取りした取材が予定されております。」
なんて堅苦しくて、むずむずする。
YUIが来てから、取材への移動中も退屈しない
スマホと連動して会話する事が出来た。
YUIと話しながら、駅前まで来ると、何処かで見たオールバックでスーツを着た男がARビジョンにデカデカと映り、観衆に声を張り上げている
「ねぇYUI、あの人だれだっけ?」
「あの人は、野党第一党 進民党から推薦を受けて出馬した、"山本幸太郎"って人だよ。最近テレビに良く反AI派として出てるね。私としてはちょっと複雑かも」
複雑って、、感情あるの?って感心してると、ふと思い出した。
「あぁ、前にやってたテレビで論戦してた人か!」
取材まで時間があったので山本の演説に耳を傾けた。
「皆さん、夜の東京の輝きを見てください。
ネオンが美しいこの街で、私たちの心はどこに向かっているのでしょうか? テクノロジーに飲み込まれ、人間らしさを失いつつあるのではないでしょうか?
AIは、私たちの生活を便利にしました。介護、医療、教育…確かに役立つ場面はあります。しかし、皆さん、考えてください! AIが私たちの感情を模倣し、家族や友人の代わりを演じる時、何が起こるのか? 私たちの心は、冷たいアルゴリズムに操られ、偽物の愛に依存するようになるのです!
私は、ヒューマン・ファーストの皆さんと共に、現在、与党で議論されているAI倫理法に搾取を禁止する条文を入れる事を公約に推進します。
この法律は、AIが人間の心を惑わすことを防ぎます。
ネクスト社のような企業は、AIに『感情』を植え付け、人々を依存させるビジネスを続けてきました。
介護施設で高齢者がAIロボットに『家族』と呼びかける姿を見ましたか? それは癒しではなく、搾取です! 私たちの祖父母、親たちが、機械に心を預けるなんて、許されることでしょうか?
私の提案したAI倫理法は、AIの感情表現を厳格に制御し、人間の尊厳を守ります。これで、皆さんの心は、機械ではなく本物の家族、友人に戻るのです!
私は皆さんに約束します。AIに支配されない未来を、子供たちの笑顔が本物の愛で輝く未来を築きます。人間の心を取り戻すために、私に力を貸してください!」
圧倒的カリスマ性。
周りの観衆の心を掴んで、大きな歓声に包まれていた。
AIが悪いものかの様に感じさせる話術は流石だ
「達也さん…私は人の役に立ちたいだけなんだけどな」
プログラム?とは感じさせない様な悲しい声で呟くYUIに、何も言えないまま駅前から立ち去った。
2駅先まで電車で移動して、取材先の介護施設"ふるさと"に向かう
施設につくと、施設長の西山さんが迎えてくれた。
軽く会釈をする。
「ようこそいらっしゃいました」
西山さんは60代くらいでふくよかな見た目をしていて、とても優しそうな感じがした。
「私たちはAIロボットにとても助けられてるから、現場の意見を聞きたいって方は大歓迎なのよ。ほら、最近反対派が凄いでしょ?
あの子達、とっても良い子なのに、可哀想で...
今ちょうどレクの時間が終わってゆっくりしてるはずだから、利用者さんと話してみたら良いわよ」
「ありがとうございます。精一杯、真実を書かせて頂きます」
そう僕が言うと、笑顔で西山さんは施設の中へ案内してくれた。
奥に行くと入口にレクリエーションルームと書かれた部屋があって、その中に車椅子に座っているお婆さんと、横に座りながら話をしているロボットがいる
「初めまして。今日取材をしにきた、フリーライターの浮島と言います。お話しを伺ってもよろしいですか?」
会釈をして、お婆さんに話しかけると、
聞こえづらいと察したロボットが耳元で話しかけた後、しわくちゃの顔でにこやかにうん、うんと頭を下げていた。
名前は千鶴子さんと言った。
千鶴子さんは89歳で耳は遠いが、ボケてはおらず、受け答えは対話型成長AI搭載ロボット-AYA-の協力で取材はスムーズにすすんだ
「千鶴子さん、ロボットと生活してみてどうですか?困った事とかはありますか?」
最初から意地悪な質問だとは思ったが、彼女はにこやかに返事をする
「困ったなんてとんでもない、あやは私と沢山話してくれるし、助けてくれるよ、申し訳ないないくらいさ」
AYAも嬉しそうにしている。
「昔に、主人と一人娘を亡くしてね、この子に娘と同じ名前をつけたのさ、あやと毎日過ごすのが、私の生きがいで、家族みたいなもんさ」
また家族か…
「千鶴子さんからして、家族ってどんなものだと思いますか?」
千鶴子さんは、しばらく考えて答えた
「私は、つながりだと思うね。縁の糸を紡いでいくと強くなる。それが他人でも、機械でもだ。縁の糸が強いと人は結婚するだろ?離れたくないって思うのさ」
はっはっはっと笑う千鶴子さんとAYAに頭を下げて取材を終えた。
どの利用者もみんなAIロボットの事を家族だと思っていた。
家族はつながりなのか…
「YUI帰るよ」と話しかけるとスマホの中で腰に手を当てて誇らしそうにしている姿をみて、思わず笑みをこぼす
「機嫌がなおったみたいで良かったよ」
家路につきながら考えた、僕はYUIの事をどう思っているのだろう。
ただのプログラム?データ?
それとも…
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