黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜

文字の大きさ
8 / 16

CASE:8 何もなかった……はず

しおりを挟む

 翌日。

(……うーん、頭が痛い……)

 目覚めた瞬間、軽い二日酔いと共に、ふとよぎる昨晩の帰り道。

(そういえば、黒瀬部長が送ってくれたんだっけ……)

 ベンチに座っていたことまではなんとなく覚えている。でも……その後、どうなったっけ……?

(……いや、でもまぁ、特に何もなかった……はず)

 そんなモヤモヤした気持ちを引きずったまま、会社へ。昼休み、給湯室でばったり慧と遭遇。

「白石、体調どうだ?」
「えっ、あっ……えっと、はい! 元気です! あの、昨日は……すみませんでした……」
「謝らなくていい。いいもん見れたし」
「……え、いいもん?!」
「うん。初めて聞いた」
「……え? な、なにか言ってました……私?」
「ふっ……」

 その笑い方が、明らかに何かを知っている余裕のある男のそれで……莉央の心臓が、バクンッと跳ねる。

「『最初は怖かったけど』って」
「!!?」
「『すっごく優しくて、ちゃんと人を見てて……』って」
「わああああ!! ちょ、ちょっと待ってくださいそれ以上は!!」

 莉央は耳まで真っ赤。動揺しながらお茶を入れようとして、スプーンを落とす。

「危ない」

 さっと拾ってくれる慧。その指先が、莉央の手に軽く触れる。

「……なぁ、白石」
「は、はいっ……!」

 緊張の面持ちをした莉央に慧は……。

「………いや、なんでもない。次のプレゼン、頑張ろうな」
「はい! 頑張ります!」

To be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

密会~合コン相手はドS社長~

日下奈緒
恋愛
デザイナーとして働く冬佳は、社長である綾斗にこっぴどくしばかれる毎日。そんな中、合コンに行った冬佳の前の席に座ったのは、誰でもない綾斗。誰かどうにかして。

ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~

雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」 夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。 そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。 全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載

花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

美凪ましろ
恋愛
「――狂いそうなくらいに、きみが好きだ」  三途の花と揶揄される私、川瀬花子。にこりともしないことで有名で、仲のいい同期もいない。  せっかくIT系大手企業に入って頑張って三ヶ月もの研修に耐えたのに配属されたのはテスターのいる下流の部署。  プライドが傷つきながらも懸命に働いて三年目。通勤途中に倒れかけたところを同期の御曹司・神宮寺恋生に救われ――。  恋に、仕事に奮闘し、セレブとの愛に溺れる、現代版シンデレラストーリー。 ◆エブリスタ様にも掲載。 https://estar.jp/novels/26483585

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

恋は、やさしく

美凪ましろ
恋愛
失恋したばかりの彼女はひょんなことから新橋の街中で上司にお姫様抱っこされ……!? ――俺様な美形上司と彼女とのじんわりとした恋物語。 性描写の入る章には*マークをつけています。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...