美男美女4人でグループ交際をはじめました【注意】キャンパスですけど?~[R18]

栗原さとみ

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はじまり(沙里視点)

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「貴女のノートを踏んで汚してしまいました!すいません、だからどうか、罰として僕を貴女のヒールで踏みつけて下さい!!」

目の前の男は、少しだけ顔を赤くしてそう言って、わたしが落としたらしいノートを差し出した。

──わたし(沙里)は、「気にしないで」とだけ言って、自分のノートを男から受け取って、その場を立ち去った。

「……あぁっ。罰なんて言っても、やっぱりご褒美貰おうとしてるって気づかれるよな…。踏みつけて貰おうなんてムシのいい話か…。でも怒った顔も、美しぃ…」

──はぁ、なんか言ってる。それに、怒ってなんかいない。気にしないでって言ったのに。わたしはこういう顔なだけ。……やっぱりこの人もM男か。

わたしは背が高い。170㎝ある。色白なのに引き締まった身体(胸はかなり大きい方だと思う)。長い脚は細すぎず程良い感じだ。当然、可愛い乙女チックな服など全く似合わない。
それだけならまだしも、少しきつい大きな切れ長の目に、つけまつ毛でもエクステでもないのに長い長いまつ毛、口紅もつけていないのに赤過ぎる唇。

黒くクセひとつないストレートの髪は、ショートだと余計にキツく見える為、長く伸ばしている。

どう見ても男をかしずかせる女王様風の見た目。

その外見は、M男ばかりを呼び寄せるらしく、結構な数の告白を今まで受けてきたが、その全員がわたしの恋愛の対象外だ。
だってわたしはM女だから。
Mと言っても、暴力を振るわれるのは嫌で、俺様のグイグイ系の男に振り回されたいタイプのM。命令するのではなく、命令されたい性格。

そんなわたしには、ずっと仲のいい女友達がいる。
わたしの理想の見た目を持つ朋奈は、華奢な154㎝の身体に天使の顔立ちを持っている。大きな垂れ目は少し離れていて幼く見えるロリっ娘だ。朋奈のまつ毛もとても長いけど、くるんとして可愛らしい。茶色の猫っ毛の髪はボブにしてふわふわした印象だ。

同じ色白でも朋奈は小動物のように可愛い。ちょっと苛めてやりたいと思わせるんだろうな、と思う。
俺様で格好いい男によく迫られているのを見かける。
けれど、朋奈は必ず断る。
可愛らしい見た目の為、断っても断っても粘られて、仕方なくお試しで付き合っても、少しすると必ず別れてしまう。
「お前わがまま過ぎるだろ」
「わがままなのはそっちでしょ?!」
そんなやり取りがされる原因は、朋奈も振り回し系だからだ。

真逆の私達は、服装の好みも正反対だ。朋奈の買い物に付き合うと凄く可愛いショップに入る事が出来る。カシュクールのブラウスにフレアスカートを試着した朋奈を見た時は可愛い過ぎて叫びそうになった位だ。そういう服装が大好きなのに、わたしには絶対似合わないから、全く神様は不公平だ。
それでも、中身は引っ張っていくタイプの朋奈とは一緒にいるのが楽で、幼稚園からの長い付き合いがとうとう大学まで続く事になった。

大学に入ったばかりで、わたし達がつるんでいると、正反対の見た目のせいか、あまり声はかけられない。サークルの勧誘も二人の時はあまりない。

か弱そうでおとなしそうな朋奈を狙った俺様男は、キツそうなわたしがいなくなると現れる。わたしに邪魔されるとでも思っているのだろう。

わたしも、必ず一人でいる時に、告白(お願い?)される。きっと他の人にMだとバレたくないのだろう。

朋奈の話を聞いてみると、なんとも羨ましい物件ばかりが告白してきているようだ。
いいな…わたしなら喜んで付き合うのに。と、思う。

けれど、朋奈には逆に羨ましがられている。
「その人、言う事聞いてくれるワンコ系じゃない?!もったいなーい」

──それを言いたいのはわたしの方だ。告白されるタイプが正反対なのが本当に残念でならない。

「エッチの時とかも言う事聞いてくれそう。私、自分勝手な奴、ホント嫌なのよね~。」
「朋奈ってばやめて。聞こえちゃう」
「そっか、沙里、処女だもんね」
──朋奈………小声で言ってくれたけど、そっちの話自体をやめて欲しい。

「沙里と外見が逆だったらなぁ。喜んで付き合うのに。それに、そんなに大きい胸持ってて使わないなんてホント勿体ない。あ~、言う事聞いてくれる彼氏が欲しいよぉ」

朋奈は身体も小柄で胸も小振りだ。
わたしは性格が受け身なので、グイグイこられないと身体の関係にはなれないと思う。
だけど、無駄にエロい外見のせいで、「童貞を卒業させて下さい」系、お姉さんにもてあそばれたい系の男からはお誘いは多い。
無論、わたしに教えられる事など何もないので、告白(お願い)は断り続けている。彼氏いない歴=年齢の18年を更新中。
ちなみに、付き合った事もない。
もっと言えば、痴漢にあった事すらない。

話はそれたが、兎に角、朋奈と二人で歩いている時は、男から声をかけられる事はなかった。
今までは。

─────

入学して一週間ほどしたある日の午後、講義が終わって朋奈と二人で歩いているとサークルの勧誘なのか、二人の男がわたし達の目の前に立った。

「君たち1年生だよな?少し時間いいか?」

黒髪で一見俺様風なイケメンが声をかけてきた。背は180cmはあるようだ。
立ち位置は可愛い系の朋奈の前だ。たぶん、朋奈の外見が好みのタイプなんだろう。
わたしは、“いいな“と思った。だってわたしには絶対声を掛けてこないタイプだし……。

朋奈はわたしをチラっと見てから、話しかけてきた黒髪の男の隣に立つ、少し茶髪のもう一人のイケメンの方に目をやってから応えた。

「いいですけど、何か用?」

おとなしそうな朋奈の方が応えたからか、一瞬おや?っという顔をして二人の男は顔を見合せた。
なんとなく、わたしの正面に立っているせいか、茶髪の方はわたしを見ているような気もする。それに、いつもわたしに声を掛けてきそうな雰囲気の部類に見える。
黒髪の方より少しだけ背が低いが、177cmはあるだろう。5cmのヒールを履いたわたしより、ほんの少し高い位だから。

「俺達3年生でね、サークルの勧誘しようと思っていたら君たちが歩いていたのが見えてね。よかったら、コーヒーでも飲みながら話を聞いてくれないかな?」

今度は、わたしの目の前の茶髪イケメンが話し始めたので、困って朋奈を見ると、朋奈は嬉しそうにわたしを見て(私にまかせてと)目で訴えて、男二人に応えた。

「いいですよ。私は夏川朋奈。この子は鈴木沙里。二人とも文学部の1年よ。」

朋奈が茶髪の方を気に入ったのはすぐにわかった。すごく優しい話し方だったし、最初に話した俺様男とつるんでいる位だから、きっと朋奈の好みのタイプに間違いないだろう。
黒髪の俺様男の方は従順そうな朋奈の容姿を好きそうに見えるけど。

茶髪イケメンはにこっと笑って名前を返した。
「ありがとう。俺は渡辺敦志。経済学部の3年なんだ。」

黒髪イケメンも少し悪そうに笑って、名乗った。
「俺は、倉本律。同じく経済学部3年。よろしく。」


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